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ジオベスト

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屋根や土系舗装の毛細管現象

2025-07-14 12:35:59 | うんちく・小ネタ

「毛細管現象」とは、細い隙間や管の中を、水が自然に吸い上げられる現象のことです。身近な例では、ストローで水を吸い上げる、ティッシュペーパーやスポンジが水を吸い込む、植物が根から水を吸い上げるなどがこれにあたります。

建築分野では、この毛細管現象によって予期せぬ不具合が発生することがあります。特に、屋根と土系舗装では注意が必要です。

①屋根で起きる「毛細管現象」と雨漏り

屋根材(瓦やスレートなど)は、雨水がスムーズに流れるように重なり合って設置されています。通常、雨水は屋根の傾斜に沿って流れ落ちますが、屋根材の間にできたわずかな隙間が、ストローのように雨水を吸い上げてしまうことがあります。

この現象によって、雨水が屋根の奥や上に逆流し、建物内部に侵入してしまうのが、毛細管現象による雨漏りです。

対策:タスペーサーによる「縁切り」

この雨水の逆流を防ぐための一般的な対策が、「タスペーサー」を使った「縁切り」です。屋根材の間に意図的に小さな隙間を作ることで、吸い上げられた水が外に流れ出る道を作り、毛細管現象を止める役割を果たします。

②土系舗装で起きる「毛細管現象」とひび割れ

公園や庭などに使われる土系舗装(透水性舗装材)は、通常、水が流れるように傾斜(水勾配)がつけられています。しかし、この舗装の排水口が落ち葉や土などで塞がれてしまうと、毛細管現象による不具合が起きます。

排水口が遮断されると、水はけが悪くなり、毛細管現象によって雨水が逆流します。この逆流した水が、土の粒子と粒子の間の非常に小さな隙間に入り込みます。その結果、舗装内部に水がたまり、乾燥や寒さによる膨張・収縮によって、ひび割れ(クラック)が発生する原因となります。

③どちらも「水の逆流」が原因

屋根も土系舗装も、毛細管現象による不具合は、水の逆流によって引き起こされます。

  • 屋根の場合: 屋根材の隙間が吸い上げた雨水が、雨漏りにつながります。
  • 土系舗装の場合: 排水口の詰まりが原因で逆流した雨水が、舗装内部のひび割れにつながります。

これらの不具合は、細い隙間での水の動きを理解し、適切に排水経路を確保することで防ぐことができます。そして、土系舗装の細かなひび割れは、排水を良好にするとともに、ひび割れには、土系舗装材をフルイにかけながら散布し、土系舗装材をひび割れに充填することで解決出来ます。一般的にひび割れの原因は気候による乾燥収縮と考えがちですが、排水に起因していることが多いので注意しましょう。

■ジオベストのお問い合わせは、
ジオサプライ合同会社 広島082-299-0681 神戸078-843-2561 名古屋052-766-6419
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土系舗装に雨垂れの跡がつく理由

2025-07-12 22:02:03 | うんちく・小ネタ

土系舗装をした後に、雨が降って雨垂れの跡がつくことがあります。トヒのない屋根や塀の上から落ちる雨垂れです。どうして跡がついてしまうのかという質問がありました。

土系舗装に雨垂れの跡ができる理由:水の「集中」と「分散」

土系舗装やコンクリートの表面に雨垂れの跡がつくのは、水滴が地面に落ちる際のエネルギーが関係しています。この現象の鍵は、水の力が一点に「集中」するか、広範囲に「分散」するかにあります。

雨垂れはなぜ跡を残すのか?

軒のない屋根や塀の上などから落ちる雨垂れは、一箇所から水が継続的に流れ落ちます。このとき、水は狭い範囲に集中して地面に衝突するため、強い衝撃力(運動エネルギー)を地面に与え続けます。

この集中した水の力が、土系舗装やコンクリートの表面を繰り返し削り取ることで、徐々に窪みや跡(浸食)が形成されます。

高所からの雨と雨垂れの違い

鉄塔など、非常に高い場所から降る雨が跡を残さないのは、水が分散して地面に到達するからです。

空から降る雨は、途中で広がり、地面に到達する際には広範囲にわたって分散します。このため、水滴一つあたりの衝撃力が弱まり、地面に当たるエネルギーが分散されるため、特定の場所に跡を残すほどの強い浸食は起きません。

つまり、雨垂れは「点の力」として地面を叩き続け、高所からの雨は「面の力」として地面に優しく当たる、というイメージです。

跡を防ぐ対策について

雨垂れの跡を防ぐために、水が集中する場所に砂利を敷くのは非常に効果的な対策です。砂利がクッションの役割を果たし、落ちてくる水滴の衝撃を分散・吸収するため、その下の舗装への浸食を防ぎます。

また、「雨垂れ石を穿つ(あまだれいしをうがつ)」という言葉があるように、この集中した水の力は非常に強いものです。コンクリートのような硬い素材であっても、長期間にわたり一点に雨垂れを受け続けると、少しずつ表面が削られていくことになります。

よって、土系舗装を計画する前に、雨垂れは予想できるので、対策をしておく必要があります。

【土系舗装の場合】

【コンクリートの場合】

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ジオベストの透水係数と硬度指数

2025-07-10 20:54:39 | うんちく・小ネタ

よくジオベストの透水係数はいくらですか?という問い合わせがあります。

土系舗装をされる方ならよくご存じですが、施工直後はどんなに固化材の配合率が高くても、瞬く間に水が土系舗装に吸い込まれていきます。しかし、1カ月もすると、固化材の配合率が高いほど透水係数が悪くなります。

初めはあんなに水が浸透してたのに、土系舗装の表面を水が流れるようになった。つまり、施工当初とは大きく変わったと感じるのが1カ月後です。よって、透水係数とは、約1カ月後の数値が正しい数値だと思います。

いつまでも透水係数を高く保ちたい場合、固化材の配合率を下げます。そうすると強度が不十分です。透水係数を高く保ちながら強度を出したいというのは相反するわけですが、透水係数を重視するのなら、ジオベストの配合率は10~12%ぐらいです。透水係数は低くてもいいから硬度指数を高くしたい場合、ジオベストの配合率は15~16%ぐらいです。※配合率とは、ジオベストの重量÷混合土の乾燥重量になります。

何に重きを置くかで配合率が変わってきますので、配合設計の時、よく考えてください。もちろん混合土を何にするかで透水係数は変わってきます。粘性土を使用する場合、透水性は悪いですが、砂質系の真砂土を加えると透水係数はアップします。土質によって透水係数は変わりますので、条件によって高くも低くもできるということになります。

樹木や植物への水の供給を考えたら、透水性のある配合率が望まれますが、一方、気候変動が大きい地域の場合、粘性土を追加混合して強度を出すこともあります。しかし、透水係数は低くなります。

ジオベストには最適含水比というのがあります。同じジオベストの配合率でも水の量によって硬度指数が変化します。当初、水との水和反応で固まるので、加水量は重要です。固化材の配合率が高ければ硬度指数も高くなるのは普通ですが、配合率5%しかなくても加水量が多ければ、配合率が7~8%のものより強度が出ることもあります。

透水率で一番影響が大きいのは、締固めです。重量のある転圧機械で締め固めれば空隙がなくなるので、当然透水係数は低くなります。ほどほどの転圧機械で人力施工すれば空隙はつぶれなくて済むので透水係数は高くなります。土系舗装は透水性舗装ではありますが、施工方法によって透水係数が変わるということになりますので、それぞれの場所ごとに測定する以外正しい数値にはならないように思います。

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登山道の修復や植生回復に

2025-06-05 13:23:25 | うんちく・小ネタ

登山道の保全修復や整備、観光客の踏圧やヤギやシカなどの動物による食害で損なわれた植生のダメージの回復に、環境への負荷が少ないジオベストが役立っています。                                      下の写真のように本来、人が歩く場所ではないところを人の歩行によって、土が剥き出しになり、土砂が流失していたり、登山道があってもその場所以外のところを歩くことによって、植生が損なわれることが起きており、景観も損なわれ、折角の登山が楽しめなくなります。

よって、元の状態に回復させることが必要になります。しかし、修復する場所には機械が持ち込めず、現場にあるものを利用して人力で保全修復工事を行わざるをえないことが多くあります。その場合、土を固める固化材としてジオベストと現地の土をトロ舟で混練りを行い、石などを固定する修復材として利用します。※現地の土には、固化しやすい土と固化しにくい土がありますので、事前に配合試験を行うことをお勧めします。

まずは、荒れた場所を発見して、その近くにある石や岩を荒れた場所に並べていきます。

そして、現地の土と混合した舗装材を岩の間に詰めて道を整備していきます。

本来道ではない場所の修復した場所は下の写真のように転石を設置して整備され、今後、植生も回復していきます。

一方、登山道も石や岩を固定することで、安全な道になります。

しかし、荒れた登山道を修復するのは、こうした石や岩を利用するだけでなく、倒木を切って利用したり、自然のものを利用して整備されています。

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土系舗装のドライアウト

2025-05-08 23:10:37 | うんちく・小ネタ

ドライアウトとは、セメントの水和反応が水分不足で硬化不良になった時の現象としてよく使われる言葉です。

一方、ジオベストの土系舗装にもドライアウトがあります。

ジオベストも水和反応で硬化するので、水がないと固まらず、水分不足で硬化不良になるからです。つまり、ジオベストの主成分である酸化マグネシウムが水と反応して水酸化マグネシウムになり、この水酸化マグネシウムが空気中の二酸化炭素と反応して塩基性炭酸マグネシウムになることで、土粒子の接着をもたらすからです。                                                       さらにジオベスト土系舗装の場合は、土中の鉱物と反応して硬化が促進される仕組みです。

よって、日差しが強い時、気温が高い時、強風で乾燥しやすい時は、水の蒸発で土系舗装が水分不足になり、硬化不良になる恐れがあります。ジオベスト土系舗装の補修の際にも、舗装の厚みが薄いと、下地の土系舗装に水分が吸収されてしまい修復用の舗装材の水分不足で固まらないことがあります。その場合は、事前に下地にたっぷり水を吸わせておいてから補修することをお勧めします。

ドライアウトを防ぐためには、水分の蒸発を防ぐ為に転圧後、養生シートを一定期間覆って工事後も乾燥させないようにする必要があります。養生シートを取り外した後も土系舗装の水和反応は継続しますので、水分不足になるような場合、こまめに散水をしてください。散水は一回で水が浮くぐらい大量に撒くと固化材が流れるので、時間を置いて何回かに分けて散水をするように心がけてください。

一方、ドライアウトになった土系舗装の舗装材は廃棄する必要はありません。崩して散水、転圧すれば再使用できます。地下水位が高かったり水が抜けない状態で固まらなかった場合、排水対策をすれば舗装材が空気(二酸化炭素)に触れることができるので、再転圧で硬化します。こちらの場合も舗装材は再使用できます。

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