地形学とGIS / Geomorphology & GIS

ある研究者の活動と思考の記録

台北

2009-09-21 | おでかけ
台北に来ています.Land Dynamics in Mountainous Watersheds: Typhoons, Landslides and Land Use(山地流域における土地の動態:台風,斜面崩壊,および土地利用) という会議に参加中です.一昨日までは国立台湾大学で発表と討論が行われ,昨日は台北の西方の流域に行って議論をしました.写真は,現地で見た河岸の崩壊地と小扇状地です.

この会議は,集々地震から10年目に際して企画された,大きな学会の一部をなすもので,国立台湾大学の張教授(Karl Chang)が企画しました.彼は国際的な人脈が広く,発表者にはマスムーブメントや土砂流出の分野の有名人が多く含まれています.僕以外の発表者を下記に列記します.

Marco Borga, Fausto Guzzetti(イタリア)
Karl (Kang-tsung) Chang, Hongey Chen, Jiun-Chuan Lin, Meei-Ling Lin(台湾)
Lieven Claessens(ベルギー)
Niels Hovius(イギリス)
Oliver Korup(スイス)
Jeroen Schoorl, Tom Veldkamp, Cees van Westen(オランダ)

Fausto GuzzettiとOliver KorupはGeomorphologyの編集委員なので,これまで何度もメールをやりとりしていましたが,会うのは初めてでした.これだけでも参加した価値がありました.

会議の内容は斜面崩壊の統計モデルが中心で,似た仕事をしている研究者間での突っ込んだ議論には,ついて行けない部分もありましたが,とても面白く聴けました.僕は台湾と日本を比較し,過去の気候変化の違いと,それが現在の崩壊や土砂流出に与える影響について話しました.

また,国立台湾大学の林教授(Jiun-Chuan Lin)の研究室で,台風8号による台湾南部の大災害に関する資料を見せてもらいました.土砂移動の規模の大きさに唖然とさせられました.最大の被害が生じた小林村の土石流は,元の地形からは予測できないような場所で生じていました.

I just didn't expect.
(Sick Heart River / Soilwork)

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