奈々の これが私の生きる道!

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愛って、なぁに?「源氏物語」

2009-01-21 22:31:51 | 読書
千年前に書かれた源氏物語について。

源氏物語は、簡単に言うと光源氏が次々に女性を誘惑するお話です。
しかし、この時代の結婚は一夫多妻制といって、正妻のほかに何人も奥さんを娶ってもよかったのです。
当然、経済力のある裕福な貴族である事が必須条件でした。

この光源氏の女性遍歴が実に多彩です。
義理の母親と性交渉を持ったり、ロリコン趣味があったり、また闇夜に乗じて、相手を見定めもせず事に及んで失態を犯したり・・・

一方、女性達の反応といえば、美形で地位と名声の誉れ高い光源氏に愛された事で、喜びに浸る女性が多いのです。
しかし、光源氏はただ一人の女性に満足する男性ではありませんでした。
女性は愛された喜びに浸ったのも、つかの間、別の女性を追い求める光源氏に、心悩まされるのです。

この時代の女性は、自分の意志を表明する事は出来ず、ただひたすら光源氏が自分を振り向いてくれるのを待ち侘びる事しか出来ませんでした。
唯一、出家して仏門に帰依する事だけが許された方法だったのです。
しかし、光源氏の正妻の紫の上は、それすらも許されず、光源氏の行状に理解を示すものの、女性としてのプライドを傷つけられ我慢の限界に達していました。
結局、紫の上は出家出来ぬまま、若くして亡くなり、光源氏は後悔のうちに、後を追うようにして亡くなるのです。
光源氏は紫の上を愛し、また愛されていたはずなのに、それだけでは満足出来なかったのです。


源氏物語が書かれてから千年を数え、今日まで様々な時代の人達に読み継がれて来ました。

この源氏物語を読んだ女性の、理想の女性像の人気No.1は、ただ一人の男性光源氏を愛した紫の上が、長年不動の地位にあったそうです。
ところが、その人気は二十年ほど前から、不倫を楽しむ朧月夜に移り、紫の上の人気凋落に歯止めはかからないという事です。
昔は、女性は複数の男性を愛する事は出来ないと言われていましたが、女性の社会進出、地位向上と共に変わってしまいました。

人を愛する、愛されるって、どういう事なのでしょう。

いつの時代も変わらぬ不変のテーマ、「愛」は今なお私達に深い疑問を投げかけて止みません。