みどりの船

絵本と絵本まわりのこと、日々の雑感を少し。

サキサキ

2007-01-31 | なるほど!/哲学する絵本
ふだんの朝、家事をしているときや車の移動では、
ラジオを聴いていることが多くて、時々”短歌”を
耳にします。
へぇ~、こんなのも短歌っていうんだ
というような、生活感あふれるわかりやすいものばかり。
もしかしたら自分にも作れるかも・・・なんて、あやうく
勘違いしてしまいそうな気安さです。
 五 七 五 七 七 の
短い言葉の中に、思いのたけをこめて詠む。
それも、きどらない普段の言葉で詠むのが、どうやら
はやっているようです。

サラリーマン短歌、携帯短歌、 枡野浩一さんの
短歌入門書”かんたん短歌”など(←糸井重里さん命名
らしいです。さすが・・・回文になってる!)
いろいろあるみたいですね!

そんなわけで、少し気になっていた短歌ですが、
昨年末「めくってびっくり短歌絵本」のシリーズを
新刊で教えてもらいました。

  『サキサキ
    オノマトペの短歌 
     種村弘・編  高畠那生・絵 岩崎書店

オノマトペは、「さくさく」とか「ぴたり」とか
音や状態をあらわす言葉のことで、
この編には、オノマトペの短歌が、14首おさめられています。

 君かへす 朝の敷石さくさくと 雪よ林檎の香のごとくふれ
                        北原白秋 

 たとへば君 ガサッと落ち葉すくふやうに 
       私をさらつて行つてはくれぬか
 
                        河野裕子

 サキサキと セロリ噛みいてあどけなき 
       汝を愛する理由はいらず

                        佐々木幸綱

擬音がぴりっと利いて、とても素敵♪
白秋や啄木などの有名方から、今活躍中の若手まで、
掲載の歌はさまざまです。 
「めくってびっくり短歌絵本」というシリーズの名のとおり、
左のページをめくるとさらに絵が広がり、歌についての
一言二言も添えられています。

このシリーズ、それぞれ絵が違っていて、それも楽しそう。
とりあえずこの「サキサキ」を見てみたかったのは、
高畠さんの絵が興味深かったからです。
父の純さんとはずいぶん作風も違っていて、それも
びっくりですが、高畠さんの作品にはいつも大概、
青や緑やグレーの顔色の悪い(しかも鼻筋の通った)
顔の人が出てくるんですよね。
それが気になっていて、今回もいるかしらと興味深くて・・・
で、やっぱりいましたよ!

他シリーズもおもしろそうです。まだまだ続刊でしょうか。
 『そこにいますか』 日常の短歌

 『君になりたい』 恋の短歌

 『ぺったんぺったん白鳥がくる』動物の短歌

そうそう、わたしが『サキサキ』で一番気に入った歌は
これです! ↓ ↓

 痩せようと ふるいたたせるわけでもなく 
       微妙だから言うなポッチャリって

                       脇川 飛鳥
プププ・・・ほんとにそうなのです~~。
1979生まれの若手。代弁に思わず拍手!                     
コメント (14)
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