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ブラジルとブラジルのマーケティングあれこれ

ブラジルで日々おこることをマーケッターの目で解説するページ。広告業界の情報も。筆者はブラジル在住29年目。

ポンテプロンタ広告ブログ

ブラジル、サンパウロで活動する広告会社のブログです。展示会、イベント、マテリアル製作、調査・マーケティング・コンサルティングの分野で、主に日本の企業、政府関係機関の業務のお手伝いをしています。日本語とポルトガル語のバイリンガルでアテンドいたします。 www.pontepronta.com.br

人は後には戻れない(バス・地下鉄マニフェスト)

2013-06-18 18:19:03 | 日記

今回のバス・地下鉄の値上げ反対の抗議集会、最初、パウリスタを通行止めにして渋滞を招いているな、ぐらいの意識しかなかったけど、あのコーロル弾劾時の抗議デモに匹敵すると知って正直、驚いている。

Vejaのサイトの写真集

バス代が3.00から3.20に値上がりしたことに対する抗議としてはなんともラジカル過ぎるという印象だが、もし主催者というか仕切っているリーダーがいるとすれば(Movimento de Passe Livreというのが新聞にでているが詳細はよく知らない)、バス賃の値上げという誰にとってもわかりやすいテーマをシンボリックに使って、それが非常な効果を発揮したというところだろう。SNSが威力を発揮したともいわれるけど、興味のないことに人は集まらない。

その興味というのは、やはり昨年から今年にかけての景気の後退による家計の圧迫であろう。昨年のインフレ5.84%(IPCA=消費者物価指数、IBGE)というのは公式の数字で、「体感インフレは15%ぐらいあるような気がする。ブラジルはインフレ率とシンジケートとの話し合いで給料の調整があるけど、それはhハイパーインフレ時代と違って一年に一回だ。じわじわと可処分所得は減るし、ローンで買った家や車、家電の借金はまだ残っている。もう借りれない状況で、やはり面白くない、というのが今のブラジル人の気持ちの公約数だといえる。

失業率は上がっていないけど、ある会社で聞いたところによると、「辞める人が減った」とのことである。あれほど楽観的なだった再就職、転職を恐れ始めているだ。

でも、と言いたいのは、あのハイパーインフレの時代、失われた20年の時代に比べたら、確実に生活、所得は増えている(かつて賃金格差による贅沢を謳歌していた中の上は別にして)。人は一度手に入れたものは手放したくないということか。これで来年の大統領選挙の行方が不透明になってきた。

 


リオデジャネイロ1泊2日必勝コース(実質1日半)

2010-08-03 09:09:04 | 日記
サンパウロで仕事をしていて、それほど多くないけど、日本からのお客を迎えることもある。そのときリオデジャネイロを案内できるかというのは少し重要なファクターとなる。

*サンパウロは日本の人が想像してくるほど「ブラジル的」でないし、寒いときは10度以下に気温が下がるので、ぜったいにトロピカルではない。

*日本人が多く、リベルダーデなんかで飯を食っているかぎり、外国にいるという気がしない。あのデフォルマされた日本人街にエキゾチックさを感じるというのは上級コース。

*リオを見るかどうかでブラジルの印象がまったく違っていくる。無理をしてもすすめるべき。

そこでリオデジャネイロ1泊2日必勝コース(実質1日半)をを伝授したいと思う。2泊になれば違うオプションもあるけど、日本人は、とくに出張中の日本人はそんなにヒマではない。

*まずサンパウロのホテルを8時くらいにピックアップ。

*コンゴーニャスに9時に着いて10時に搭乗。(渋滞があるので余裕をとる)

*10時にサントスドモンドに到着。待たせておいた車でマラカナン競技場に直行。一時間ぐらい見てもらえば、何とか雰囲気はわかる。そのとき少しはブラジルサッカーの話ができるように仕込んでおく。

*カーニバルの行進会場を経由してシュラスカリアのポルコンへ。ここは海に面している大型でしっかりしたシュラスカリア。もしサンパウロでシュラスコを食べていなければいい機会だ。

*昼食後、一気にポンデアスーカ(ポルコンから近い)、そしてコルコバードへ。これらは見せるだけでいいので、簡単。この好景気で混んでいるので、時間は余裕を見た方がいい。

*夕方ホテルへ。僕はシェラトンがいいと思う。プライベートビーチがあり、翌日の午前中、ゆっくりとビーチで過ごすことができる。普通、ビジネスマンが出張中にビーチでくつろぐというのは、あまりない経験なのでナイス。

*晩飯はレーメ(コパカバーナの続き)の端のMariu`s。海産物のバイキングで、もちろん日本で食べるほどのクォリティは期待できないけど、肉でふくれた腹にはちょうどいい。

*食後は疲れ具合を見ながら、イパネマのライブハウスに連れて行ってもいい。観光客向けだけど連日ボサノバをやっている店がある。

*翌日はビーチで、飛行機の時間まで過ごすのがベスト。昼の飛行機に乗って、昼飯はリベルダーデでソバでも食べてもらえれば、ほっとする。そしてお客さんもその日の午後に予定を入れることができる。

ポイントは欲張らないこと。そして、やはり危ないので車による点と点の移動に終始して、街歩きはさせないこと。

リオデジャネイロ再見

2010-07-31 02:46:28 | 日記
久しぶりにリオデジャネイロへ行った。いつもは打ち合わせが終わったらトンボ帰りか、お客を案内していることが多いのでゆっくりできないが、気分転換と思って一泊、翌日のんびりとリオで過ごした。

ホテルで朝飯を食べてから、コパカバーナの端からレーメの端まで散歩。ご存知のように60年代に建てられた古いアパートが立ち並んでいる。海を見たり、そういう古い趣のある建築を眺めながら、日頃の運動不足解消と少し早いペースで歩いた。サンパウロでイビラプエラ公園を歩いてもこの開放感はなかなか得られない。

ブラジル人でもサンパウロの人間は危ない、などといってこの街とそこに住む人間を敬遠するが、僕はもともとリオデジャネイロにブラジルを感じる人なので、好きな街の一つである。

そういうアパートの前は歩道にせり出した、バーやカフェになっていることが多いのだが、しばらく前から綺麗になっている。例えば僕がはじめてリオに行った1980年代のはじめは、それらの店はオープンになっていて、物売りや残飯をねだる子供たちひっきりなしにやってきて、ちょっと異常な雰囲気だった。今でも物売りはやって来るのだが、店の外(植木などで仕切っていることが多い)から話しかけるに過ぎない。

アトランチカの歩道にはキオスクがあり、飲み物や軽食がとれるのだけど、それらのスタイルが規格化されスマートになっている。何と地下部を作りそこにトイレを設置しているではないか(まだ工事中のものもあったが)。このキオスク、宣伝効果があるのかGloboの経営や他のメディア、企業の名前がついたものがある。

いろんな都市に行くと、前回行ったときと変化があり驚かされる。住んでいる人には分かりにくいのだろうけど、たまに旅行で訪れる僕なんかの目には新鮮だ。バイア州の奥地の農業地帯の中心都市(ペトロリーナ)なんて、昔はかろうじて飛行場があっただけだったが、ショッピングセンターができて、その中に家電や服飾の大型スーパーが入っていた。プリンター等の値段を見たけどサンパウロと代わりがない。ロジスチックが弱いので地方都市に行くと品物がなかったり、とても高かったのだが、それがならされていっている。

リオからの帰りは時間があったのでバスに乗った。そこでまた驚き。リオのバスターミナルはサンパウロと比べると小さくて、しかも雑然、やばい雰囲気があったものだが、すっきりと綺麗になり、二階部が拡大されていた。あまりの変化に僕もサンパウロ行きのバスの切符売場を探す羽目になった。だって全然変わってしまっているんだから。

リオデジャネイロはこれから2016年のオリンピックに向けてどんどん変化を遂げていくだろう。かつてのブラジルの首都だけど1960年にブラジリアに遷都して以来、サンパウロに追い抜かれて、しかも差がだんだん広がるばかりだ。観光、そしてかつての名残の公務員の年金生活者の落す金で支えられているようで、産業的には目立ちはしなかった。しかし、今ブラジルで一番不動産価格が上がっているのがリオだそうで、オリンピック、ワールドカップ景気の恩恵で、少し流れが変わるだろうね。

あともうひとつ、港地区のプラッサ・キンゼの旧市街、古い建物がリフォームされてレストラン街に変わっていた。安めの値段で気軽に食べることのできる洒落たレストランが多い。日本食の都のあったオウビドール街なんて、かつて怖かったんだけど今は比較的大丈夫みたい。僕はポルトガル料理屋でタコの蒸したものを食べました。最高! 飯はリオの方が美味しいと個人的に思っています。

ブラジルはLovemarkか

2010-07-08 02:14:56 | 日記
 HSMのセミナーでブラジルに来ていたSaatchi & Saatchiのケヴィン・ロバート氏が、フォーリャ・デ・サンパウロ紙のインタビューに答えていた。
 
 *ブラジルはLovemarkになっている。
 *どこでもどこに行っても誰もがブラジルのことを話している。
 *そのことがわかっていないのは、あなたたちブラジル人だけ。
 *ブラジルはビーチ、サッカー以外にもっとたくさんのことを提供できるはず。
 
 なるほどそこまで持ち上げてくれるのか。
 彼はイギリス人だからイギリスの状況をいっているのかな? 日本でどれくらいブラジルのことが話題になるのか? ワールドカップの時期はGoogleニュースで「ブラジル」で検索するとほとんどサッカーの記事で埋まりうんざりする。また通常の時期では在日ブラジル人の犯罪の記事ばかり。とてもLovemarkとはいえない状況かも。

「未来の大国」が実現しつつあるのか?

2010-07-06 23:18:14 | 日記
 60年代から「ブラジルは資源大国」、「21世紀の大国」、「未来の大国」などといわれ続けてきた。しかし、実際は70年代に奇跡の成長といわれた時期があっただけで、あとはインフレ、リセッションに苦しめられ、市中の金を吸収するために預金封鎖などという愚挙にでたこともある。

 それが今はBricsである。リーマンショックからの立ち直りもはやく、今年の成長率見込みも発表ごとに上乗せされ、7.3%なんていう数字もでている(中央銀行)。

1. 旺盛な国内需要があり、まだまだ物は国民にいきわたっていない。
2. 物を一番買いたがっている低所得者の所得が底上げされた。
3. 中国を中心に資源、食料(大豆、食肉)を必要としている国の金が流れ込んでいる。
3. ワールドカップ、オリンピック景気が想定されている。

 まぁ概観すればこんなところだが、リオデジャネイロとサンパウロを結ぶ新幹線の工事費が約190億ドルなんていわれている。これは意地になってもやるだろうからその金が市中に回る。

 身近のとこでいえば、新しいレストランが次々と開店し、高級店ほど繁盛している。その昔、高級レストランなんて数がしれていて、僕でも大半を行ったことはなくても、名前ぐらいは知っていた。今はだめ、とても追いつかない。それぐらい懐が暖かくなったブラジル人が需要を押し上げているのだ。

 長くこの国で暮らしている僕としては、「ついにブラジルの時代が来た!」という気持ちと「これはバブルではないの」かという一抹の不安もあることは確かである。
 
 このブログでは専門であるマーケティングと広告業界の情報とともに、日々のブラジル観察を報告していきたいと思う。