中小企業診断士 福田 徹 ブログ

経営コンサルタント・中小企業診断士・ビジネスファシリテーターによる経営者・起業家・管理者向けブログ

経営指導員制度の現実とは?

2008年09月26日 | 福田徹の地域活性化

 おはようございます。9月26日金曜日、今朝6時の東京・小平は、気温25℃、外は晴れです。


 昨日は、全国の商工会議所・商工会の若手経営指導員さん達とお話をさせていただく機会がありました。

 経営指導員は、商工会議所・商工会に常駐し、地域内の小規模事業者のために経営改善や指導にあたっています。同時に、地域の商店街、祭りやイベントなどの事務局をするなど地域振興の担い手としても活動されています。

 公共事業減少による建設業の不振、製造業の後継者問題、大型商業施設の進出による小売業の壊滅などが、中小・小規模事業に起こっている現実です。

 ある経営指導員さんは、「八方ふさがりのように見えても、我々は中小・小規模事業者の側で(打開策を)考えつづける」と話しておられました。
 ともすれば気持ちが暗くなるようなこの現実に接していても、中小・小規模事業者の立場にたってどこまでも前向きに、企業と地方の未来を考え続けいるその姿勢には感動しました。


 ところで、経営指導員をめぐっては、昨年ある商工会議所の補助金不正受給が発覚し(「毎日」記事参照)が、県が補助金返還命令を出すという出来事がありました。
 不正の内容は、経営指導員による巡回指導や窓口相談の実態のない水増しされた実績について、県の補助金を受給していたというものです。
 不正は不正として、正さなければなりません。この件では、当該の商工会議所は再発防止策を示した上で補助金を返還したようです。

 一方で、経営指導員達は補助金のでない地域総合振興事業で手一杯なのが現実です。経営指導員は、地域社会の要請に応えて、商工会の各部会(青年部・女性部・商業・工業・建設・・・)、お祭り、商店街・・・、それぞれの事務局をまかされていています。
 たとえば、ある指導員さんは「毎月23の会合が自動的にスケジュールを埋めてしまう」と語っていました。また、別の指導員は「地域から要請されると断り切れないことから、こうした事業(事務局をつとめるイベント等)はどうしても増えていく」とも話していました。

 こうして本来の「経営指導」のウエイトが低下している現実があります。そして、こうした地域総合振興事業には経営指導員の人件費に関しての補助金が出ません。この現実から、上記の不正受給が起きたのです。


例:国分寺市商工振興事業補助金交付規則(別表第2条関連)


 そもそも、地域そのものを活性化しないと域内の中小・小規模事業の将来はありません。そういう意味では、地域に根ざし、祭りやイベントをサポートする活動は、商工会議所・商工会の目的にかない必要なものです。

 不正受給が起きたことが示すとおり、現行制度は現状に合っていない状態です。地域を盛り上げ、中小・小規模事業者支援を推進するために、経営指導員の役割について再度設定し直して、場合により必要な予算措置をとるべきだと私は考えます。


※お読みいただいている方へのお願い
 当ブログは2009年5月16日に診断士ブログランキングに参加いたしました。
 おかげさまで、5月19日朝の26位から同22時現在は18位と、皆様のクリックのおかげでランクを上げることができました。
 当面の目標は、ランキングの3位以内に入ることです。皆様におかれましては、順位アップにご協力いただけると幸いです。
 ご協力いただくの方法は簡単で、↓のリンクをクリックしていただくだけです。よろしくお願いいたします。

にほんブログ村 士業ブログ 中小企業診断士へ ここを1日一回クリック願います。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。