Fuji Trip!

水豚先輩の週末旅日記

武蔵野を探索するはなし.3 知らない街

2014-12-07 00:45:43 | とりっぷ!

 
前回
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武蔵野の森公園におさらばして、目の前を横切る並木道を南下してみる。
電信柱は少ないし、緑は多いから散策には最適である。

虚空に2本の兄弟のようなクレーンが見える。
都市化の波がすぐそこまで押し寄せているのだろうか。



繁華街の方向へと歩いているから、だんだんと周囲が賑やかになってくる。
先程の公園から飛行場越しに見えた味の素スタジアムがもう目の前に迫っている。

このスタジアムがどのチームの本拠地なのかは知らないが、サッカー関係のオブジェやショップがある。
どうやらアーティストのライブ会場などにも使われているようだが、未だにお世話になったことがない。

二車線道路をまたいでいる歩道橋はスタジアムの来場者のために内部と直結している。
階段を登るとぽっかりとした空間が広がっているが、イベント開催時にはイモ洗い状態になるのであろう。
こんな夜では想像することも難しいが。

静かな場所を歩いてきたあとは特に自動車の騒音がやかましく感じてしまう。
早々に道路を渡ってから続けて南方向へ進む。




少し歩くと、スタジアムの最寄となる飛田給駅が見えてきた。
近未来的な駅舎は内部の明かりがガラス越しに漏れてきて、それが少しばかり暖かそうなものだから吸い込まれそうになる。

何気なく走りすぎる電車の中を見ると、たくさんの黒い物体が詰め込まれている。
今日が平日の夕方ということをすっかり忘れていた。

どうせ京王線に乗っても家には帰れない。
ここは我慢して踏切を渡ろう。


駅を過ぎると、周囲は本格的な住宅街だ。
住宅街は味気ないが、進む道の選択肢は増える。
むやみやたらに曲がりながらわざと迷子を楽しむのもいい。





狭い路地に入るとどこに続いているかも見当がつかず、日も出ていないから方向感覚も鈍る。
電信柱に付いている住所表示を見ても知らない場所なので何もわからない。


公園などの来客者を迎え入れるためにつくられている施設ならともかく、暮らすための場所である住宅街など住んでいる人しかわからなくてもよいシステムになっている。


それでも夜の街歩きが楽しいのは、暗闇がどうでもいいものを背景から消し去り、目の前のものを抽象的に浮かび上がらせてくれるからだろう。
街中は情報が多いから、自分の目に見える情報量が夜だとちょうどよくなる。
 





気が付けば道路が二股に分かれた先の扇状地のような場所に稲荷神社がある。
目の前には最近見かけなくなった公衆電話があっていかにもな場所だ。

暗くてちょっぴり恐ろしいがお邪魔させてもらうと、びっくりするほど大きな狐様がいらっしゃる。

稲荷神社というとほっそりとした狐像がいることが多いような気もするが、ここでは狛犬のようにどっしりと構えた姿である。
それにしてもしっぽの先が何か詰まっていそうなくらい大きい。

所以などはわからないので狐につままれた気分で神社をあとにする。








何かに誘われるように足を進めると、所々に残った自然が目に付く。

道路を遮るように立つ巨大ケヤキは注連縄がまいてあっていていて、樹齢はいくつくらいなのかと考えてみる。
間違いなく道路がアスファルトに変わる以前の生まれであるし、道路が敷かれても「どかないぞ」という気迫がこちらにも伝わってくる。
木というのも大きすぎると狂気を感じたりする。何となく怖い。

しばらくすると、道は段丘の末端に沿うように進んでいる。
崖は開発しづらいから自然が比較的残るのかもしれない。
崖下には低層階建ての団地が見えたりもする。

結局、多摩川を目指すのなら崖下に降りなければならないので坂を下ってみる。

 

 

          



タバコ屋さんと思われる家の店先には珍しい自販機があった。
知らない街を歩くと時々変わり種の缶ジュースを見つけることがあるが、この自販機は珍しい形のモノだけが売っている。
コカコーラが一時期売り出したミディペットと吸うタイプのアレである(名前が分からない)。

そこそこの需要があるのだろうか。

自動販売機は夜歩きをしているとよく目立つ。
明るいから当たり前のようでもあるが、最近は節電の影響で硬貨を入れないと電気が付かないものが増えた。
無駄なことを排してエネルギーを大切にすることは良いことだけれど、夜道を歩く万人に光を与えてくれなくなったのは悲しい。

それと、光っていると思わず虫のように吸い寄せられてしまう感じが好きだった。





平凡な住宅街が続くので飽きかけていると、いきなり城壁みたいなものが現れて驚く。
左右に伸びる高さ10mほどの頑丈な壁は誇張ではなく、完全に世界を真っ二つに分断している。

トレーラーの音が上空から聞こえてくるので、高速道路であることがわかる。
中央高速だろう。

比較的大きな道だけトンネルのようにして壁を潜り抜けられる。
小さな道はすべてこの壁に遮断されて先に進むことはできない。
ぬりかべのような奴だ。



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