≪手を動かさねばっ!≫

日常で手を使うことや思ったこと。染織やお菓子作りがメインでしたが、病を得て休んでいます。最近は音楽ネタが多し。

インカ猫セーター

2015-02-18 17:39:03 | 編物


やたらと完成までに時間がかかってしまった。
自分でいうのもなんだが、大作です。

マリアンネ・イサガーというデンマークのニットデザイナーの本 INCA KNITS に載っている CATS というセーターである。
袖の色や袖口や裾の色はちょっとアレンジした。




こちらが後ろ。 首の後ろにも縄編みが入る。

このセーターは輪編みで裾から首までぐるぐると編んでスティークを切る技法で作った。
スティークを切るまえの写真は取り損ねてしまった。
ちなみに、スティークは両袖と襟ぐりを前後身頃に作った。
スティークを作るのは初めてで、しかもよく絡む糸でもなかったので、解けてこないかなかなか不安だったのだが、
やってみればちゃんとできて、よかった。




編地アップ。 おもに襟元からのアングル。

このセーターで最も特徴的なのが 1目交互でたて縞になる編み込み なのだが、
編まない糸を裏で渡すときに上にするのか下にするのかで、どちらの糸がより表に出るのか に差が出る。
それによって明暗を出すのがこのセーターのデザインのキモなのだ。
糸はけっこう細いのだが無地のメリアスに比べて裏に糸が渡る分 厚くなるので、なかなか暖かいはずだ。

それにしてもこのパターンはとても横に伸縮性がある。
いぜん編んだ 帽子がブリオッシュステッチ でその伸縮性に驚いたのだが、
ブリオッシュステッチにしなくても1本交互なだけでよく伸びる、ということが分かったよ。

インカ猫柄編み込みの上下や肩の部分に 「welt、みみずばれ」 があるのがデザインのアクセントになっている。
やり方を知れば単に、メリヤス編みを折り返して上の目と下の目を裏側で一緒に編んでしまうだけなのだが、
棒が3本になってけっこうめんどうくさかった。




裏アップ。 裾からのアングル。

裾、襟ぐり、袖口はゴム編みではなくメリアス編みの折り返しで2重になっている。
ブランケットステッチで縫いつけた。
折り返し以外にも、スティークとか袖付けとか、けっこう縫う仕事が多かった。




使った糸。 またしてもユザワヤオリジナルのイタリア糸である。 NICCOLI というのがイタリアのメーカーなのだろう。
糸の名はチャールズという。
ネットで探しても見つからない。 セールになっていたのもずいぶん古いからか?

アクリル40%、ウール30%、アルパカ20%、ナイロン10%で、1玉30g につき145mというもの。
編んでいるとちょっと糸を割りやすいのが困るけれど、
化繊が半分にもかかわらず、アルパカの毛羽なのか、なかなかの質感が出ているし、
逆にいえば化繊の多い分けっこう丈夫だろう、という感じもよい。
最近の糸は密度が低いというか、太さのわりに長い、つまり出来上がりが軽いのもよい。
そして、30gで200円くらいというのがとても嬉しい。

ちなみにこのセーターに14玉 + α と別糸で編めた。 450g くらい。
メンズでこの軽さはまずまずだ。




袖ぐり等の裏やみみずばれに使った別糸は金の羊のラムウール双糸
引っ張ると切れやすい糸だけれど、編地はとても肌触りがよい。
襟ぐりや袖ぐりにはぴったりだろう。

針はいろいろ使った。
猫柄は4号、猫柄の無地は5号、裾等は4号と5号、みみずばれは6号、そしてメインのたて縞は8号。


マリアンネ・イサガーのパターンは初めて編んだけれど、パッと見のデザインだけでなく、
細かいところにまでよく気が配られていて、感心した。

肩の落ちるデザインは少々古臭い気もするけれど、久しく目にしていなかったから逆にまた目新しいような気もするし、
流行を超えたトラディッショナルなパターンのようにも見えるし、
作る側になっているともいえる。

マリアンネのパターンで編みたいものが他にもいくつもあるから、楽しみだ。


このセーターについて ravelry にアップしました。 →



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