Entrance for Studies in Finance

株式投資入門後編 値下がりへの対処法

Online Open Lecture : 株式投資入門後編

 最後の最後 値下がりへの対処法
 値下がりがあった場合、それを利用して取得単価を下げるのが投資の基本です(張った銘柄は自分なりに納得しているのだから、あとは保有単価を下げてゆく)。ただし値下がりは続くこともあります。しかし持ち株の取得価格を下げることは値下がりに強いポートフォリオを作る上で大きなポイントなので、値下がりをチャンスと見た方がよいのです。ただし単純に買い増しすると、値下がりでかえって損失が拡大することがあります。
 誤った投資方法:上昇株の下値買い増し(ナンピン買い)。先ほども述べたが下落株は単純に買い増しをしてもさらに値下がりをして、損失が拡大することが多い。損失が出ているわけだからまずは売って損失を小さくすることが基本です。2000株保有している場合、1500を売りまず損失を小さくします。そのうえで、値が下がっているうちにできるだけ低い値段で1500買い戻しします。これはナンピンとは少し違います。まずは過半を売って損失を小さくします。そのうえで安値で買戻しをして、取得単価の切り下げを図るというものです。この戦略が有効なのは、相場の下落局面(下落が持続している局面)です。毎日シーソーのようにあがったり下がったりしている場合は、相場をにらみながら高値で売って安値で買い戻すことを繰り返せばよい。ここでは相場下落局面での保有単価切り下げの方法を述べています。

 取得単価2000 2000株保有(保有資産評価400万)でスタート

     株価     取得株価    保有株数  評価    損益 損益率
0日目 2000 2000円   2000株    400万   0     0.0% 
1日目 1900 2000円   2000株    380万  -20万 -5.0%
2日目 1800    2000    2000        360万 -40万 -10.0%
       仮定  1500株売却 資産は500株+270万
3日目 1700    仮定  1500株買入 資産は2000株+15万   -15% 
       取得株価は1775に下がる
4日目 1800    1775       2000株  360+15万 -25万 -6.25%
5日目 1900 1775       2000   380+15万 -5万  -1.25%
6日目 2000 1775    2000           400+15万 +15万  +2.75% 
        
 いわゆるナンピン買いでは追加資金が必要ですが、このやり方なら追加資金は不要です。いわゆる難平については、投資教則本はしばしば否定しています。
「ほかのどのような愚行よりも、運用資金に決定的な打撃を与えるものがあるとすれば、「それは難平ー損失が出ているポジションを積み増すことだろう。」「プロ・トレーダーは、勝ちトレードのポジションを増やすことはあっても、負けトレードのポジションを増やすことはない。これに対して、経験の浅いトレーダーの多くは反対のことをする。」(ジョン・ボリンジャー序文『プロ・トレーダー』日経BP社、2016年, p.273)
 私は相場の動きに合わせて、取得単価を下げて行けばよいと教えています。そのためにまずは売って損失の原因になるポジションをちいさくすることです。そのつぎに取得単価を下げる目的で再取得しますが、前提はこの株が優良株だということです。

 相性の悪い株の切り捨て。値段の動き方が想定と違って、割安と思って買ったがなかなか上がらない株があります。下落局面で今一つ現れるのは「相性の悪い株」です。投資家のなかには、塩漬けにして保有を続ける人も多いのですが、私は自身で損切のルールを作って「サヨナラ」することを勧めています。損切は許容できる「損失金額」を決めて、それを超えたら売却を基本とします。大変不思議なのは、こうしてサヨナラをした株と復縁したことはないのです。つまりサヨナラの選択は正しかったのです。

 2018-11-09 upload
   2021-08-17 更新
 株式投資入門中編補講   優良株の相場動向
   株式投資入門中篇 銘柄の選択
   株式投資入門前編  スクリーニングサイトの紹介



名前:
コメント:

※文字化け等の原因になりますので顔文字の投稿はお控えください。

コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

 

  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

最新の画像もっと見る

最近の「Securities Markets」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
2024年
2023年
人気記事