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ユーロ首脳会議 ギリシャ2次支援を承認(2011年7月21日)

2011年6月
2011年6月3日 欧州連合 国際通貨基金とギリシャ政府の協議が終了
  ギリシャ政府は、新たな財政再建策を説明 追加支援を要請
2011年6月3日 ユーロ圏財務相会議議長のユンケル・ルクセンブルグ首相 20日の財務相会議での第二次支援
  合意を示唆。 
2011年6月9日 欧州中央銀行総裁 ユーロ圏の消費者物価上昇が5月まで6ケ月連続で2%台に高止まりをうけて
  7月の利上げを示唆(利上げは債務の多い国の負担を高める側面 すでに4月7日に金融危機後初めての利上げ決定
  0.25%引き上げ) 
  他方で 域内の金融機関に低い固定金利で資金を供給する制度の期限を9月末まで円超
  ドイツ フランスなど中核国の景気好調 新興国の経済成長で資源価格高水準続く
2011年6月10日 ギリシャの国債利回り17%弱まで(5月20日に16%台後半に上昇)
  ポルトガルの国債利回りも10%台後半に
  それぞれ上昇過去最高を更新
2011年6月13日 S&P ギリシャの格付けをトリプルCに3段階引き下げ
(5月9日に2段階下げてシングルBとしていた)
  12ケ月以内ニデフォルトに陥るリスクが著しく高まる
  ギリシャ国債利回り17%台
2011年6月14日 ユーロ圏財務相会議 追加支援で意見調整難航
2011年6月15日 ギリシャの国債利回り18%前後に上昇
2011年6月16日 東京市場で1ユーロ113円台の安値(5月以降 売り基調) 今後は
  反発を見い込んで買いか。
2011年6月17日 ムーデーズがイタリア国債を格下げ方向で見直しと表明
2011年6月19日ー20日 ユーロ圏財務相会議
  2次支援を協議 民間負担(2-3割)に議論の焦点 ギリシャへの120億ユーロ融資決定を先送り
2011年6月22日 ギリシャ国会で パパンドレウ新内閣信任(賛成155 反対143 棄権2)
2011年6月23日 EU首脳会議でEU予算によるギリシャ金融支援で合意(約10億ユーロ)
2011年6月24日 欧州連合首脳会議 トリシェ欧州中央銀行総裁(10月末任期切れ)の後任にイタリア中央銀行の
  マリオ・ドラギ総裁を正式に選出 
2011年6月27日 ギリシャ アイルランド ポルトガルの国債が軒並み売られる
  ギリシャ国債10年物17% アイルランド・ポルトガルは12%近辺を推移 
2011年6月28日 IMF理事会 次期専務理事にフランスのラガルド経済・財政・産業相を選出
2011年6月29日 ギリシャ議会 中期財政再建計画を承認(定数300賛成155)
  増税 公務員の人件費削減 公営企業民営化など アテネ市内は大規模なデモで混乱
2011年6月30日 ギリシャ議会 赤字削減のための関連予算法案を可決
 ⇒ギリシャ政府の実行力に不安残る

2011年6月末 ギリシャ支援をめぐり 欧州連合 7ケ国蔵相 国際通貨基金など電話協議 
 総額1100億ユーロ程度の追加支援(2010年5月に決定した1次支援と同額)
 ドイツは民間投資家らの実質負担を主張
 米金融機関の欧州向け金融債権は総額3.4兆ドル(270兆円)で米は妥結を求める
  EU/IMF   追加融資      500-600億ユーロ
  民間による再投資           300億ユーロ
  国営企業の民営化・売却による増収   200-300億ユーロ と見られている
 フランス大手銀行はギリシャ国債償還後の保有継続方針示す(政府は強制できない)
 ドイツ側は預金者・株主からの責任追及を懸念 ギリシャ国債の返済期限延長
 2014年までに満期を迎える国債について
  6月半ば フランス側 主要銀行がフランス政府に提案
  自発的再投資ロールオーバー案
  7割を30年物国債 残りの2割についてはギリシャ政府が欧州のAaa格債券に再投資して保険とする
  新国債金利は8%以下に抑える
  この提案のほか
  国債への切り変え比率を上げて金利を6%以下とする
  期限を5年延長 5.5%の金利とする など複数の案が検討される
  なお単純な期限の延長(ドイツ提案 6月6日 ショイブレ財務相が書簡で7年延長を提案)は債務再編とみなされ
 デフォルトとみなされると欧州中央銀行は反発している
 これに対して
 格付け機関はフランスによる自発的投資提案もデフォルトと判断する見込み⇒フィッチによる警告 もある
 ⇒ギリシャ国債のデフォルトはまずギリシャ之銀行を直撃 資金不足に追い込む

2011年7月
2011年7月1日 欧州不安後退観測 東京市場 ユーロ117円前後で推移 対ドル 1.45ドル
  (1月21日 1.35ドル台 4月13日 1.45ドル台。5月4日1.49ドルの高値 5月9日1.43ドルの安値)
   1月21日 112円台前半
2011年7月1日 国際金融協会IIF ギリシャ国債への再投資 償還期限延長案 等に対し自発的に協力
する用意があるとの声明出す
2011年7月3日 EUユーロ圏財務相会議 2日夜電話協議(日本時間3日) ギリシャへのつなぎ融資120億ユーロの実行決める(昨年決めた1100億 ユーロの枠内で5弾目) ユーロ分の87億ユーロを決定 残りの33億ユーロは週明けにIMFが決定
2011年7月5日 ムーディズがポルトガルの国債を投機的水準(Ba2)に引き下げた。従来のBaa1の4段階下 見通しはネガテブ
2011年7月6日 ポルトガルの国債は急落。利回りは前日比2%弱高い13%強に上昇。南欧の国債・株式も下落
2011年7月7日 欧州中央銀行 政策金利を0.25%上げて年1.5%に変更 4月以来3ケ月ぶりの追加利上げ

2011年7月11日 ユーロ圏17ケ国財務相会議(ブリュッセル)。ギリシャ支援は結論を持ち越し。欧州金融安定基金EFSF(2500億ユーロを4400億ユーロへ)の機能強化では合意(金融市場でEFSFが国債を購入あるいは危機国が国債を買い戻す資金を融資するなどの案が有力 月内に具体策決定 また新規債だけでなく発行済国債の購入の道開くことも検討)
2011年7月11日 スペイントイタリアの国債利回りが急ピッチで上昇(10年物で6%強 価格は下落) 投資家はドイツ債にシフト 
2011年7月12日 イタリア国債金利が年6%の大台に乗る。
2011年7月12日 ムーディーズがアイルランドの国債を投機的水準(Ba1)に引き下げた。従来より1段階下。
2011年7月14日 イタリア上院は政府の財政再建計画(財政赤字の削減額を当初の1.5倍に引き上げたもの)を賛成多数で承認した。
2011年7月15日 欧州銀行監督機構EBAが金融機関(主要91行)の資産査定の結果を公表 資本不足の認定は8行(市場予想の10行以上を下回る)
昨年は7行が不合格。合格したアイルランドの銀行の経営がその後悪化。今後景気が悪化しても中核的自己資本比率5%を維持できるか。ギリシャへの支援がどうなるかが重要との声もある。 
2011年7月15日 ギリシャ24億ユーロの国債償還迎える
2011年7月20日 EU財務相会議 EFSFの機能拡充を正式に承認(融資上限の引き上げ2500億ユーロを4500億ユーロへ またユーロ17ケ国の政府補償額を4400億ユーロから7800億ユーロへ引き上げ)。
2011年7月21日 ギリシャの2次支援についてのユーロ圏17ケ国首脳会議開催(ギリシャ向け追加支援で合意)
        総額1600億ユーロ程度の追加支援を行う
        EUとIMFによる公的支援が1090億ユーロ(109billion) additional loans
        EUとIMFは一次支援分を含めギリシャ支援融資の返済期間を7年から15-20年に延超する
        融資金利は年4%以上から年3.5%程度に引き下げる      
        域内銀行による国債再投資 370億ユーロ
                買い戻しに126億ユーロ
         4つの方法から選択 保有する既発債を額面で30年債と交換
                   償還後の30年債への再投資
                   額面の80%で30年債と交換
                   額面の80%で15年債と交換

         EFSFの機能強化 既発債を購入できるようにする 予防的融資や域内銀行への資本注入に活用できるようにする など
        ギリシャ向けと同条件をアイルランドとポルトガルに適用(easier aid terms for Ireland and Portugal, and a retooled bailout fund to prevent markets from trashing Spain and Italy as well) 
 
このあとの展開については以下を参照
  ギリシャのデフォルト宣言を見込む最悪の展開へ突入(2011年9月)
参考 Big Rescue, Big Doubts: The Euro Crisis grinds on Bloomberg Businessweek, 2011/08/01, 13-14 
ギリシャ追加支援でも残る債務危機伝播のリスク エコノミスト2011/08/09, 26-27   
                    
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