Entrance for Studies in Finance

福島第一原発 難航する循環注水

循環注水冷却 1日1200トンを浄化(毎時50トン)という計画
 2011年3月の事故直後から構想 4月末までに設計完了 6月5日工事終了
 しかしその後 工事の不備 不良が繰り返し露呈 6月末段階で本格稼働に入れず。
 7月2日夜 本格稼働に入る
 高濃度汚染水の増加に歯止め 冷温停止目指す
 貯水槽満杯のため汚染水が海にあふれ出るのを避けるというもの。

    施設の概要:4つの主要部分からなる
    東芝製     油分離装置
    米キュリオン社 セシウム ヨウ素を吸着して取り除く装置
    仏アレバ社   セシウム ストロンチウムなどを薬剤で沈殿させる 除染装置
    日立など    淡水化装置 逆浸透膜使用 塩分をとりのぞくもの

 施設は稼働を開始してから
 一定の役割を果たしているものの事故やトラブルが続き稼働率は想定を下回っている。

福島第一原発 汚染水問題の経緯
 東京電力発表に依拠。そのため事実と合っているかどうかの検証はできない。
 東京電力が重要な事故・事実を隠している可能性、虚偽を発表している可能性は残る。
   
2011年3月11日の事故直後から4月 大量の高濃度汚染水で海洋を徹底的に汚染
3月27日 タービン建屋外トレンチの水の汚染確認される
4月2日 2号機取水口付近で高濃度汚染水(ヨウ素131は法定の750万倍、セシウム134は200万倍)の流出を確認(流出規模明確にされず)

4月上旬 人為的な海洋汚染を内外からの抗議を受けつつ強行
4月4日から10日 集中廃棄物処理施設にあった低濃度汚染水などを1万数千トンを海用処分。高濃度汚染水の貯水池を確保。内外から海水汚染に強い批判。
4月末頃? 循環注水装置の設計完了

5月以降 その後も海洋に高濃度汚染を繰り返している恐れが高い また地下水の汚染の疑い強まる
5月11日 3号機取水口近くのピットに高濃度汚染水漏出(セシウム134は国の基準の62万倍)を確認 同日夜までに止水
5月13日 1号機建屋で1時間あたり2000ミリシーベルトの高い放射線量を確認
5月17日午前8時 いわき市小名浜港に人口浮島メガフロート到着
5月17日 東芝は新たな工程表のなかで循環注水で冷却する構想を公表 ポンプや除染装置を
     5月末にも設置(背景 毎日500トン規模の注水で汚染水が増加している)
5月25日 集中廃棄物処理施設の受け入れ上限を1万4000トン(2号機から1万トン 3号機から4000トン)から1万9000トンに引き上げる(2号機について4000トン 3号機について1000トン上乗せ)
     1号機から6号機で約10万トンの汚染水 うち1-4号機の8万4700トンが高濃度汚染水
     1-3号機に毎日672トン注水 蒸発分を除き毎日530トンたまる
5月26日 3号機の汚染水を移した建屋で止水工事の不備から汚染水が通路に漏れだしたことを確認
      約2メートルの深さ 漏水量は70トンと推定    
5月31日 2号機に設置した代替冷却装置が稼働開始
6月4日 1号機建屋南東角で1時間あたり4000ミリシーベルトの高い放射線量を確認
6月5日 循環注水施設建設終わる(設計完了から5週間)
  6日 真水を入れて試験開始
  6日 3000トンの放射性汚染水海洋処分案が水産庁の反対で宙に浮いていることが判明

6月 循環注水施設は事故が続き稼働が安定せず本格稼働に入れない
6月10日 試運転前に米装置で水漏れ発生(10数か所)
  11日 水がにじみ出ていた配管絶続部分48ケ所に樹脂塗布 
  15日午後 当初の本格稼働予定日(低濃度の汚染水を8時間流す予定)
  16日午前 東芝は放射性物質のセシウムの濃度を1万分の1に減らせる能力を確認したと発表
  16日夜午後7時20分 放射線量が米装置周辺で高い 警報が鳴り自動停止 水が漏れ出ていた
17日午後8時に本格稼働開始 高濃度汚染水処理始める
  18日午前1時前 装置の稼働停止 稼働後5時間で米装置で放射線量高まったため未明に手動停止 
  21日午前 アレバ社の装置が一時停止
  21日午後 試験運転開始 汚染水を毎時50立方メートル流して性能を確認 
  27日 循環注水冷却開始 午後4時20分開始 処理水を原子炉にそそぐホース之接続金具が外れて水漏れ。午後5時55分作業中断 仏装置のポンプが自動中断
  28日 移送部分の出口部分にある継ぎ手部分から漏水した 継ぎ目は約100ケ所 タンクから原子炉までホースの全長は約1500m 毎時16トン 1・2号機に毎時約3.5トンずつ 3号機に同9トン
  29日 浄化した水を原子炉へおくる途中で2ケ所微小な穴がみつかる 29日夜再稼働
      6月17日から28日の間の施設の稼働率が約55%と発表された。
  30日 アレバ社の装置が不具合 運転停止 吸着部品の交換あよび淡水化タンクの増設のため浄化処理は中断 結局午後6時50分に再び起動 5号機 6号機にたまっていた低濃度汚染水のメガフロートへの移送

7月 循環注水施設は本格稼働に移行。稼働率は想定(目標80% 毎時)を次第に低下(配管の総延長は約4キロメートル。繰り返し液漏れ事故起こす。)。吸着材交換のための頻繁な停止。メルトダウンした1-3号機では、地下水の汚染が進行しており、遮水壁がすぐにも必要との指摘がある。
  2日午前 6月17日に開始された高濃度汚染水の総量(タンクに蓄えられた量)は1万850トンに達した(1万トンを超えた)。塩分を除けば冷却水として再利用できる(今後は押さえていた冷却水を増やす方針)。
  2日夜  循環注水への移行を発表(汚染水増加のおそれ減らせるか)。施設の稼働率の当面の目標は80%とされた。
  3日   5号機ホース(海水を送るホース)が水漏れ(直径20cmのホース 長さ30cm 幅最大7センチの亀裂) ホース交換のため3時間半 冷却用ポンプ2台停止 冷却作業中止
  4日午前 3号機の注水に不都合発見(3日午後午前9時毎秒3.7トンの想定 4日午前8時過ぎ毎秒3トンに低下 低下の原因不明)
  6日   過去1週間(6月29日から7月5日)の施設の稼働率は76%で目標の80%に届かなかったとされた。
      処理量が毎時43トンと計画の50トンに及ばなかったこと。
      装置の洗浄のため施設を停止する必要があること。
  9日   屋外仮設タンクからメガフロートに低濃度汚染水の移送実施 
 10日   アレバの装置から汚染水(放射性物質含む薬剤)漏れ50Lほど。部品交換などのため施設の運転停止。
 12日   10日の水漏れ個所と同じところが腐食、水漏れ10Lほど。部品交換のため再度運転停止。
13日   液漏れ見つかり停止。14日昼までに器具を交換。14日午後6時半運転再開。6-12日の稼働率73%。7月の稼働率の目標を80%から
70%に下方修正。
 17日   工程表の第一段階終了を発表。原子炉を安定的に冷やす目標をおおむね達成とした。ただし汚染水処理システムの不安定を認めた。 19日   新たな工程表。来年1月までに遮水壁着工とする。 
 20日   東京電力 汚水処理施設の稼働率低下を発表(13日-19日 53%)。原因不明の流量低下(配管の一部に空気たまる。あるいは配管に泥状の物質付着)。 ⇒ 高濃度汚染水の総量は増加へ。しかし8月の東芝製除染装置のバックアップ運転開始が救済になるかも。外部冷却装置がある2-3号機の水温は31-35度まで低下。注水だけでしのいでいる1-4号機に外部冷却装置設置工事急ぎ、近く稼働。

その後
6月10日から8月13日まで高濃度汚染水処理装置で計32回の不具合発生
6月17日から8月9日までの高濃度汚染水処理装置の累積稼働率66%
8月16日 放射性セシウム吸着装置サリー(東芝などが作成 ポンプの数が少なく維持管理しやすい)の試運転開始
8月17日 サリー本格運転に移行
   
0riginally appeared in July 4, 2011
corrected and reposted in July 22, 2011
東京電力の信用力低下問題
福島第一原発炉心溶融事故(2011年3月)の経緯
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