バスーンを吹いています。

かなり情熱的に・・・。

ハマるCD

2010-11-26 22:39:00 | バスーン
 最近、水谷上総さんの2枚目のアルバム「German Pieces for Bassoon」をよく聴いています。先日、氏にファゴットフェスティバルでお会いした際、「1枚目のほうが好きです」などと言ってしまいましたが、なかなかどうして、このアルバムもかなり良いです。
真面目で緻密な演奏の深奥に優しさや情熱を感じる、とても素敵な1枚です。ダーヴィドやヒンデミットをさらいたいと臆面もなく思ってしまいます。



 以前は5ピースのバスーンを吹いておられましたが、このアルバムのジャケットを見ると4ピースの楽器に変えておられます。更によく見ると、キーの工夫なども見ることができ、目にも楽しいCDです。

打痕の修理(4)

2010-11-24 21:22:04 | バスーン
 耐水ペーパーで磨くと表面が白くなります。正常な塗装面もこすってしまい、白くなったところもありました。

 ここで、ピアノ磨き用のコンパウンドの出番です。



 某国産メーカーのものを購入(600円~700円程度です)しました。適当な大きさに切ったセーム革にコンパウンドを少量取り、白くなったところを中心に磨きます。

 コンパウンドは表面のごく細かいキズを取る程度なので、マニキュア塗布面の盛り上がり等を修正するのはコンパウンドだけでは無理で、どちらかと言うと、耐水ペーパーによるところが大きかったです。あくまで仕上げにコンパウンドを使うつもりで使用しました。

 とは言っても、コンパウンドでの研磨も表面を削っていることには変わりなく、同じ箇所を何時までも磨き続けるのはよくありません。

 耐水ペーパーでの研磨とコンパウンドでの研磨を交互に少しづつ進め、何とか満足いく修復が出来ました!



 色々書きましたが、結局、ハナから打痕を作らないよう日ごろのちょっとした注意が一番大事だということに間違いはありません・・・。 

打痕の修理(3)

2010-11-19 22:47:22 | バスーン
 マニキュアは乾燥するとかなり体積が減ります。乾燥前はポッコリ盛り上がっていたものが、乾燥後は平坦になっているか、マニキュアの量が少ない場合は、もともとの打痕(凹み)に沿ってくぼんでしまっています。

 今回は、打痕の中心部で最もキズの深い部分のマニキュア塗布面が周囲の正常な塗装面よりレベル(高さの水準)が低くなっていましたので、前日に行ったと同じ方法で、マニキュアの滴を置いて再度一晩乾燥させました。

 翌日、マニキュア塗布面全体が、正常な塗装面に比べレベルが高くなっているのを確認し、次の作業に入ります。

 用意するのは、1センチ×5センチ位にカットした耐水ペーパー(できるだけメの細かいもの)と爪楊枝。

 耐水ペーパーを、2つに折るように短辺同士を合わせ、ただし折ってしまわずに間に爪楊枝の胴を挟みます。いわば、小さな棒ヤスリを作るようなイメージです。



 指で直接耐水ペーパーを扱うと、指や爪の凹凸でマニキュア塗布面を磨くことになり、全体の同質感が出ないと思われるからです。その点、棒ヤスリだと、バスーン管体の曲面に対する接点が「点」と「線」になりますので、必要な箇所だけをピンポイントで磨くことができます。

(すみません。続きます。)

打痕の修理(2)

2010-11-17 21:27:09 | バスーン
 ベルジョイントの修理が終わった状態の写真です。


 アップにするとこんな感じです。で囲んだところがもともと大きく凹んでいたところです。


 事故直後はエグレていましたが、修理後は色ムラは少々あるものの打痕の凹みは解消し、目立たなくなったと自画自賛しています。


 さて、作業の続きです。
 
 まず、爪楊枝の先(尖っている方)にマニキュアをつけます。先を下に向けて滴ができる位につけます。そのまま、打痕の凹みに爪楊枝の先を近づけ、「塗る」と言うよりは「置く」感じでマニキュアの滴を落とします。凹みの中だけでなく、周囲のダメージを受けていない正常な塗装面にも少しかかるよう、爪楊枝の先を回転させながら滴を周囲に延します。ただし、この段階ではマニキュアが表面張力で正常な塗装面よりポッコリと盛り上がった状態になる位が良いようです。

 はやる気持ちを抑え、念のためこのまま一晩乾燥させます。乾燥時はマニキュアを塗布した面が真上になるよう固定。斜めになると重力に負けてマニキュアが片側に寄ったまま乾燥してしまう可能性があります。

(すみません。今日はここで挫けます。)
 

打痕の修理(1)

2010-11-16 21:06:16 | バスーン
 10年近く色んなところに持ち運んで吹いていると、バスーンはもともと図体の大きい楽器ですから、知らず知らずのうちに少なからずキズがつきます。

 オールド・ヘッケルと言われる楽器を見せてもらうと、いくら大切に使われてきたとは言え、凄いキズを持った楽器も結構あります。長く使えば使うだけキズは増えるので、少々のキズは楽器に貫禄を与え使うものに愛着を感じさせるものなのだろうとも思いますが、中には深刻な「打痕」もあります。

 お恥ずかしい話し、今使っている楽器で、私は過去に2度の大きな事故を起こしてしまいました。・・・その度、結構な打痕を残しています。単に凹むだけなら短時間の自己嫌悪だけで済んでしまいますが、塗装が剥離するほどの深いキズだと、自己嫌悪など二の次、三の次。塗装の剥離がそれ以上進まないよう何らかの手を打たねばなりません。

 2度の事故の概要を。ともにバスーンを分解し、ケースにしまうときに起きました。

(1)最初の事故は、ケースに収めたバスジョイントの上にテナージョイントを落下させてしまい、テナージョイントのキーポストがバスジョイントの管体に直撃。バスジョイントの塗装が直径5ミリくらいの大きさで剥離し、木肌が露出したというもの。
 それほど深刻なキズでもなかった(?)ので、木肌とその周辺にマニキュア(エナメル)を塗布し、応急処置としました。後年、オーバーホールに出した際、この処理は正解だったとリペアマンの方に伺い、安心したものです。

(2)2度目の事故は、つい最近です。胸ポケットに入れていた携帯電話が滑り落ち、ケースに収めたベルジョイントに直撃。恐らくは携帯電話の角が当たったのでしょう、やはり直径5ミリくらいの打痕でしたが、今回のはやや深めにキズがついてしまいました。打痕の周辺の塗装もペラペラと木肌から浮いてしまっている感じで、こするとポロポロと塗装が剥がれそうな状態でした。結構深刻な状態です。初めてのことではないにしろ、結構慌てました(当然写真なんかも撮っている余裕はありませんでした)。

 今後、塗装の剥離が進まないよう、前回同様、一応マニキュアを塗ろうと考えたのですが、目立つところにできたキズでもあり、今回は作業をできるだけ綺麗に行おうと考えました。

 私のバスーンは「アクリルエナメル」塗装でマニキュアで補修可能なことは経験済みでした。しかし、単にマニキュアを塗っただけでは、ツヤ、質感ともに周囲との一体感がなく却って目立ってしまいます。

 「マニキュアを多めに塗って、乾燥後に削って磨けば結構いいセンいくかも」との思い付きから作業を開始することにしました。

 用意したのは、マニキュア、爪楊枝、綿棒、セーム革、耐水ペーパーのできるだけ目の細かいもの、そして新兵器、「ピアノ磨き用のコンパウンド」です。

(今日はここで挫けます)