バスーンを吹いています。

かなり情熱的に・・・。

ジャーマンシステム・バソン

2019-05-06 21:06:26 | バソン
昨日、我が愛器の製作者であるヤニック・デュカス氏が来阪されるとのことで、アトリエアルファに出かけました。
変わらず若々しく、お元気でいらっしゃいました。

氏は今回の来日で、ファゴット運指で吹くジャーマンシステムのバソンをお持ちになっていました。

勿論試奏させていただきました。
フレンチシステムのバソンに比べシステムが複雑になる分重くなっているのだろうと思い楽器を手に取りましたが、思った以上に軽く感じました。
トーンホールの数や位置もフレンチシステムとは違うものと思われ、肝心の音色はどうなるのだろうかと恐る恐る吹かせていただきましたが、音抜けもよくてしっかりバソンの音がしました。


ジャーマンシステムの左手小指付近。トーンホールがバスジョイントに!


我が愛器はハイブリッドモデルと呼ばれていますが、ブーツジョイントに、バソンにはない(ファゴットにはある)幾つかのキー等を追加してはあるものの、運指自体はフレンチシステムと大差ありません。
バソンに転向して数年が過ぎ、ファゴットの運指が朧な記憶になってしまっているため、せっかくの機会でしたが恥ずかしながら少し吹いてギブアップしてしまいました。
日頃ファゴットを吹いておられる方々も試奏にお越しになっていましたが、流石!皆さん少しの時間試しただけで普通に鳴らしておられびっくりしました!

一方、この日バソン仲間に納品されたハイブリッドモデルのバソン!オーナーのご厚意で試奏させていただくことができました。
低音から高音までむらなくとてもよく響き、特に中音域の音程の取りやすさは抜群。デュカスバソンがここ数年間で随分改良されたのを実感しました。


この日納品されたハイブリッドシステムの左手親指付近。ピカピカです。木目もきれい!

いずれも、ファゴットからの転向を考える方には、非常に取り組みやすい楽器に進化しているのを感じました。
巷間、「絶滅危惧種」と言われるバソンですが、その音色に魅せられる方は依然多く、ここまで吹きやすく進化したバソンが誕生するに至り、まだまだ裾野が広がるのではないかとの期待を新たにする一日となりました。




巡り合わせ

2018-10-28 20:35:35 | バソン
これまで長く銅製のボーカルを使用してきました。鍍金やラッカーがかかっていないので、あっという間にくすみ、赤茶色に変色してしまいます。
それが見た目にとても味があり、音色も申し分ないのですが、



高音域の細かなパッセージを演奏する際の反応が鈍いのが気になっていました。
リードで合わせようとするとピッチが取りづらくなったり、音色が損なわれたりするのでどうしたものかと思っていました。
そんな折、今年の4月末にデュカス氏が新開発のボーカルを持って来日されました。
お持ちになった数種類のボーカル全てを試させていただく幸運に巡り合ったのですが、どれも素晴らしく甲乙つけがたいものでした。
すぐにでも購入したいと思ったのですが、正直、どれを選んでいいものかがはっきりとせず、後ろ髪引かれつつも結局その日は悶々としながら帰途につきました。

デュカス氏がお持ちになった件のボーカルは、デュカス製のバソンだけでなく、クランポン製のバソンにもとてもよく合うよう設計されているとのことで、その後次々と売れていき、とうとう数本を残すのみとなっていました。

先日、所属オケの演奏会があり、そこでもどうしても吹奏感に疑問が残ったので、昨日再度、残り数本のボーカルの試奏に臨みました。
なんと、実はあの時気になっていたボーカルが残っていてくれました。2時間程度、手持ちのボーカルとの吹き比べを、色んなタイプのリードでみっちりやり、最初の印象が間違っていないことを改めて確認。選び出したボーカルは、はやりあの時気になっていたもの。聞けばわが師、小山先生も購入を考えておられたものだとか。

この機会を逃せば次はもうないかも、と、最初の巡り合い、そして数か月後のこの日の巡り合いに感謝しつつ、満を持して購入しました。




ブロンズ(青銅)に銀鍍金を施したものです。



さて、このボーカルの最大の特徴は、リードの差込口です。
この細工のおかげなのか、あるいはベントの工夫なのか、低音から最高音域まで音色がムラなく繋がり、何よりとても楽に演奏できます。楽器が振動しているのがよくわかります。たまりません。
現在、デュカス製バソンには、真鍮銀鍍金のボーカルが標準で付属しているとのことです。本来、ブロンズや赤銅はビュッフェ製バソンに合わせて開発されたとのことですが、私にはブロンズ製のものがよく合いました。

購入直後、大阪バソンの会の4名でバソンアンサンブルの集い。
恐々ではありましたが、いきなりから使用。皆さんからも好評をいただきました。
久しぶりのとてもありがたい巡り合わせに感謝しつつ、しばらくはロングトーンで馴らし運転を続けようと思います。











第26回日本バソンの会

2018-06-15 23:00:00 | バソン
 昨日、第26回バソンの会が開催されました。


大変立派なホールでした!


エントランスからアプローチにかけての全景です。以下、あまりいい写真が撮れていません…。

 2度目の参加でした。第25回は打ち上げには参加できませんでしたが、今回は開催地である川崎市に宿泊することができたので、打ち上げ含め最後までゆっくり参加することができました。

 前回同様、半日という時間があっという間に過ぎていきました。
 参加メンバーの全員合奏で始まり、メンバーのsolo、先生のステージ、そして締めの全員合奏というプログラム。


リハーサルを終えて休憩中。

 今回soloのトップバッターだったこともあり会場に到着するまで落ち着きませんでしたが、先生はじめメンバーの皆さんの顔を見、また、ピアノと一度合わせてしまうと妙に落ち着いた気分になり、出来不出来はともかく、本番は自分でも驚くほどの平常心で吹ききることができました。
 soloの出番を終えると後はお気楽モードに。完全に観客の一人となって皆さんの演奏を楽しみました。奏者の個性がとてもよく出るバソン。ひとりひとりの顔が違うように、それぞれが自分の音色を持って曲を紡いでいくその様子に、陳腐な言い回しですが、率直に感動を覚えました。そして、昨年に比べ確実に皆さんのレベルが上がっていることに身が引き締まりました。
 皆さんのバソンや音楽への熱意には毎回圧倒され、反省させられることが多いです。時間がないことは言い訳にはならないなぁとつくづく感じました。

 出演者記念写真(日本バソンの会HP)へ!

 終演後は、ここちよい疲労感とともに打ち上げ会場へ。
 そして、宴もたけなわに差し掛かるころ、先生が口にされた「練習して自分の音を作っていくことは、自分の人生を作ることと似ている」という言葉に衝撃を受けました。「自分に嘘はつけない。音に自分が現れる」とも。その昔、笛は人が直接息を吹き込み奏でるものであることから、人が魂を吹き込み鳴動する器として、非常に神聖な意味合いを持っていたと聞いたことがあります。楽器を通じ自分の魂が外界に解放されるイメージが鮮烈な印象となって残りました。そしてとても清々しくも神妙な気持ちにのまま、川崎を後にしました。
 今はただ、この会に導いてくださった先生を始め、事前準備や当日対応を仕切ってくださったメンバーの方々への感謝の念に堪えないところです。ありがとうございました。
 ピアノ伴奏をしてくださった森田由子先生には、半日で10人近いメンバーの伴奏を務めていただいたうえ、お疲れのところ、打ち上げにもお越しくださいました。ありがとうございました。
  
 エントリー後はエントリーしたことを激しく後悔する場面も多いのですが、本番が終われば次回のことを考えている自分。毎回参加を目指し精進していきたいと思っています。

バソンの会演奏会に向けて。

2018-05-20 17:21:51 | バソン
昨日、バソンの会演奏会に向けて「仕上げ(先生談)」のレッスンがありました。
テレマンのソナタでエントリーしました。緩・急・緩・急の4つの楽章を吹き切らねばなりません。

前回のレッスンも同じ曲を持って行きました。アーティキュレーションについては装飾音の入れ方を含め随分細かくご指導頂き、以降、意識的に修正したつもりでしたが、今回レッスンでも前回と同じご指摘を随所で受けることになり、情けない思いで終えました。


演奏会のフライヤーです。ご関心の向きは是非!

「やってるつもりなのに、なぜかOKがもらえない。う~む。」悩みながらの帰途。
帰宅後、自分の演奏を録音してみて愕然としました。楽譜にもチェックを入れ、先生の仰るとおりに吹いているつもりが、全くそのように聞こえません。

つまり、前回レッスン後に修正したつもりになっていたものが、全く、修正されていなかったということ…。なんと無駄な時間を過ごしてしまったのでしょうか。
先生の教えを、今度はかなり大げさに表現してみてみると、ようやく少し近づいたかな、という程度の変化が見られます。
クセを修正するには、かなり意識しないと上手くいかないということなのだと思います。

あまり日もなく焦りますが、一つでも多く、先生の教えを音にしたいと思います。


バソン4本再び集結!壮観です。

レッスンのことなど

2018-02-18 21:41:16 | バソン
今月はレッスンで始まりました。
今回のレッスンにはテレマンのソナタを持っていきました。
もともとはビオラのためのソナタですが、バスーンで演奏されることが多い曲です。
それほど長くはありませんが、緩急緩急のメリハリが効いた4楽章構成。とても魅力的です。
さらりと吹ければこんなにカッコいい曲はないのですが、十分にさらうことができないまま、そして、リードの新陳代謝が追い付かないままレッスンを受講。
とても不十分な内容になってしまいました。
レッスン回数を経て見えてくる課題は、何を吹いても共通。
注意しているつもりでもなかなか修正できません。ついてしまった癖がかなりしつこく沁みついてしまっている感じです。
じっくり取り組んでいくしかないなぁと思っています。

そして昨日、バソンの会大阪の練習に参加。バソンアンサンブルは、音域の広さと倍音の多さからピッタリハマるとオルガンの響きを思わせる荘厳さを醸します。
大きさに似合わず器用なところもあるので、ジャジーな曲にも対応可能。


※最近のモデルでやっと付いたデュカスバソンのロゴだそうです。日本第2号器の私のバソンにはロゴはありません。


1時間半程度みっちりと四重奏を吹き込み、懇親会。火照った体を冷たいビールで心地よく冷やしてきました。
…このためにやっている、といいたくなるくらい快適な懇親の時間を過ごし、深夜に帰宅。
そして今日、オケの練習でした。

ソロ、アンサンブル、オケ。それぞれに求められるキャラクターが違い、したがって楽しみ方が違います。
結構忙しいですが、できるだけ色々な経験を積みたいと思っています。