F1とか日記とかblog

F1コラムっぽいことを書いてみたり日記を書いてみたりするブログ

第12戦ドイツGP決勝

2006-07-31 00:31:31 | F1
第12戦ドイツGPは、地元の大声援を受けたミハエル・シューマッハが勝利を収めました。
2位には今回完璧な仕事をしたマッサが入り、3位は予選で皆を驚かせたライコネンとなっています。

今回もフェラーリ・ブリヂストンのパッケージは圧倒的なパフォーマンスを示し、完全に別次元の速さで周回を重ねました。
これでドライバーズポイントが11点差、コンストクターズとしても10点差に迫りました。不可能と思われていた逆転タイトルが、一気に手が届きそうな位置まできています。
次戦ハンガリーGPは夏休み前最後のレースとなりますが、フェラーリにとっては非常に重要な1戦となります。
ここでルノー・アロンソにどれだけプレッシャーをかけられるかで、終盤戦の戦いも変わってくる筈です。
無敵の強さを誇った一昨年までのフェラーリの姿が、ここにきて戻りつつあるようです。

一方のルノーは最悪のレースとなってしまいました。原因を特定することはできないでしょうが、今回はいくつもの悪い要因が重なってしまったように思えます。
この悪い流れの中で、若きチャンピオンであるアロンソの走りも精彩を欠き始めました。
これまではミスをしないという強さを見せつけていたアロンソですが、このプレッシャーを跳ね除けられるかで真価が問われます。
速さにかげりが見え始めたルノーとしても非常に苦しい局面で、今後は彼らがどのような打開策を見つけるのかに注目です。

それから今回注目されたもう一人のドライバー、ポールシッターのライコネンでしたが、結局予選では異例ともいえるほどの軽い燃料での走行でした。
メルセデスの地元でポールを狙いにいっただけなのかもしれませんが、これは決勝に向けた作戦としてはかなり無謀なものでした。蓋をあけてみればライコネンは10周でピットイン、すぐにトップ争いから脱落してしまいました。
ですがそこからは安定した走行を続け、最終的には表彰台に立っています。
今回の結果は、現状のマクラーレンとすればこれ以上ない最高のものとも言えるでしょう。マシントラブルもあって全く良い所を見せられなかったデラロサと比較しても、ライコネンは予選・決勝ともに素晴らしい走りを見せました。
ルノーとフェラーリの激しい争いに割って入ったマクラーレン。今後は彼らの速さも、チャンピオンシップ争いに影響を与えるようになるかもしれません。
復活を予感させる今回の彼らのレースでした。

今回のドイツGP決勝は、それほど大きな事件もなくフィニッシュを迎えました。ですが、チャンピオンシップ争いの面で見れば非常に面白い展開となりました。
スーパーアグリF1も確かな手応えを掴むなど、終盤戦にさしかかるF1はまだまだ見所が尽きないようです。


今日はとりあえずここまでです。明日もドイツGPについて書く予定です。

第12戦ドイツGP予選

2006-07-30 00:47:27 | F1
第12戦ドイツGP予選。初日から続いたいくつかの混乱で見えなかった各チームの速さが、予選Q3になってついに明らかとなりました。

最終的にポールポジションを獲得したのは、ミハエルでもアロンソでもなくキミ・ライコネンでした。
ライコネンにとっては2年連続となるドイツGPのポールポジションで、予選トップタイムは昨年イタリアGP以来となっています。
予選Q2のタイムと比較する限り、ライコネンはかなり燃料が軽めとなっているようで、マクラーレンが決勝で優勝を争える速さを持っているのかが気になるところです。
作戦としてはスタートから逃げ、3ストップでどれだけ展開が彼に味方するかが鍵となりそうです。

そして、2番手と3番手にはフェラーリがつけました。今回も彼らは順調にここまできているようで、ルノー・アロンソとのポイント差を縮める大きなチャンスと言えそうです。
ライコネンの速さが未知数ですが、勝機は十分にありそうです。フェラーリとしては、2台ともライコネンを抜いての1・2フィニッシュが理想となります。

さて一方のルノーは今回非常に苦しい状況となっているようで、アロンソは全く速さを見せられず7番手に沈みました。
同じミシュランを履くマクラーレンが好タイムを出しているため、今回はタイヤだけが原因とは言えないようです。
とはいえ問題のマス・ダンパーがそこまで大きな効果をあげていたとも考え難く、基本的にルノーはこのサーキットに合っていないのかもしれません。
彼らとしては今回も、傷口が広がるのを最小限に抑えるためのレースとなりそうです。

それから、注目のSA06・佐藤琢磨ですが、彼は見事にミッドランドのモンテイロを上回りました。タイム的には1つ上のアルバースに対して0.1秒以内の差となり、完全に彼らを射程圏内に捉えたと言えそうです。
本当ならばこの程度の結果で満足すべきではないでしょうが、今後も大きなアップデートを控えるSA06のポテンシャルに期待が持てそうです。
一方の山本左近は土曜のフリー走行終了間際に、コースアウトしてマシンを壊してしまいました。予選は旧車SA05での挑戦となりましたが、クラッシュするまでのタイムの推移は非常に良いものでした。
記録上FP3では琢磨より速いタイムを出しており、予選まで順当に行けば少なくとも琢磨に対して1秒以内のタイムは出せていたはずです。
0.1秒以下の単位で争うF1では1秒差というのは大きいですが、デビュー戦ということを考えれば十分な速さを見せたと言えるでしょう。
ただ、マシンを壊すほど攻めていたのは気になる部分です。タイプ的にはどちらかというと琢磨と似ているのかもしれません。
とにかく、彼がここからどれだけ伸びるかに期待です。


予選では多くの見どころがあった今年のドイツGP、決勝にも大きな期待が持てそうです。

ドイツGP開幕

2006-07-29 00:46:58 | F1
第12戦ドイツGPが開幕、初日のフリー走行が行なわれました。

午後のセッションではBMWのクビカがトップタイムを記録、それに続いてミハエル・シューマッハが2番手につけました。
午後の走行開始時に少し雨が降ったようですが、今回もブリヂストン勢がまずまずの速さを見せています。
ただ決勝では気温も勝負の分かれ目となるため、今の時点ではなんとも言えません。
それから一方のルノーですが、彼らはFIAが禁止したはずのマスダンパー・システムの使用を続けたようです。
テクニカル・レギュレーションに禁止が明記されていないとルノーは主張、スチュワードもこれを咎めないまま初日を迎えました。今後の動向が気になります。
※追記…ルノーは結局フリー走行前にこのシステムを取り外して走行していました。スチュワード側はこれを合法としたものの、ルノーは危険を冒さず外したようです。

それよりも、個人的に今回はスーパーアグリSA06と山本左近のデビューが最大の注目点でした。
彼らのリリースによると、午前中は予定されていたテストプログラムを全て消化しましたが、午後は2台ともにハイドローリックのトラブルが発生して十分に走行できなかったようです。
満足に走れなかったためタイム的には最下位に変わりはありませんでしたが、ミッドランドに対して十分に戦えそうなポテンシャルを感じさせました。
土曜のフリー走行と予選で、その実力が見られる事に期待です。
そしてデビュー戦を迎えた山本左近ですが、午前中は琢磨の1秒落ち、午後はトラブルでタイムを記録できませんでした。
初日としては及第点のタイムと言えそうで、今後の伸びに期待となります。


ところでこのフリー走行を前に、トヨタはヤルノ・トゥルーリとの契約延長を発表しました。
契約期間は3年間という長期のもので、2009年までドライブすることになりました。
現在32歳のトゥルーリですが、この年齢のドライバーでは2年契約が最近では普通だっただけに、3年の長期契約は意外なものとも言えます。
とはいえトゥルーリには才能があり、トヨタがチームに必要と考えたからこその長期契約なのでしょう。
先日トヨタはウィリアムズとのエンジン供給契約を発表、そちらも2009年までとなっています。現時点でトヨタは、2009年までがひとつの区切りと考えていると言えそうです。
一方ラルフ・シューマッハとの契約は2007年までとされており、少なくとも来年まではこのコンビが継続されます。しかしトヨタは育成中である日本人ドライバー起用も将来的に考えており、ラルフは一転して不安な立場に立たされてしまいました。
ともかく、これで早くもトヨタの来年の体制は固まりました。上り調子の今、彼らは侮れない存在になりつつあるようです。


見所の多い今回のドイツGP、予選・決勝が非常に楽しみです。
今日はここまでです。

ウィリアムズ、トヨタとの契約発表

2006-07-28 00:00:01 | F1
昨日、トヨタとウィリアムズは2007年からのエンジン供給契約を結んだと正式に発表しました。
契約期間は3年に渡る長期のもので、トヨタチームと同じ最新スペックのものが供給される様です。

ウィリアムズにとっては、圧倒的な資金力を持つトヨタのそれも最新スペックのエンジンを使用できるのは非常に心強い筈です。
2008年以降の開発凍結案はありますが、今後3年間は継続的に開発が行われるエンジンを確保できました。

そしてトヨタにとっては、長い間トップチームに君臨したウィリアムズからの情報はあらゆる面で役に立つ筈です。ウィリアムズが持つマシン開発のノウハウを吸収し、トヨタの車体開発に活かす事もある程度までなら可能でしょう。
トヨタとしてはワークスチームが負けてしまう可能性があるものの、もしウィリアムズがチャンピオンを獲得できればもちろんそれも十分な成功と言えます。
宣伝という観点でF1参戦を捉えた場合、トヨタのエンジンがチャンピオンを獲得したというだけでも世間的にはそれなりにアピールとなる筈です。

はたしてこのトヨタエンジンは、復活を目指す名門ウィリアムズを後押しすることができるのでしょうか。
イギリスの日本のパートナーシップがどんな結果をもたらすのかに注目です。


今日は短かめですがここまでです。それではまた明日です。

ツインタワー禁止

2006-07-27 01:10:36 | F1
25日にFIAは、BMWザウバーがフランスGPで投入した革新的空力パーツ『ツインタワー』の使用を禁止する通達を行ないました。

この垂直に伸びた二枚のフィンは、リアウィングへの空気の流れる整える効果があると見られ、他のチームの関心を集めていました。
他のチームからは、効果が認められれば開発を検討するというコメントが出されいました。ですがその開発に着手するまでもなく、今回の使用禁止が発表されました。
禁止の理由は安全上の問題で、またFIAはフロントのボディーワークはコクピットよりも高くすべきではないと各チームに通達を出しています。


こういったパーツの使用禁止について思い出されるのは、やはり1998年に禁止されたXウィングでしょう。
これはマシンのサイドポンツーンに背の高いウィングを立てるものでしたが、どちらかというと不恰好なもので見た目はあまり良くありませんでした。
1997年にティレルが開発し最初に装着、翌98年にはその効果が認められて多くのチームが採用していきました。最終的にはフェラーリまでもが開発を行い、装着してきたのです。
そんな状況の中でFIAは、Xウィングの使用禁止を決定しました。
その直前にピットでウィングが脱落する事故も起きていたため、FIAはこの時も安全性を理由に禁止しています。
しかし実際、見栄えの問題も大きな理由だったのは誰が見ても明らかでした。

またそれから数年後の2001年には、今回のツインタワーと同様の位置にウィングを立てたチームが現れました。
アロウズとジョーダンが、コクピットの前に支柱を立ててその上にウィングを配置したのです。アロウズのものは丁度ツインタワーの上にウィングを載せた形もので、一方のジョーダンは支柱が真ん中に一本あるものでした。
ですが見るからにドライバーの視界の邪魔になっており、レースに投入される前に即日FIAが使用禁止にしました。

というような前例があるため、今回のツインタワー使用禁止の決定は特に不思議なものではありませんでした。
これも明らかに視界を遮っており、安全性に問題がありそうに思えます。
そしてもし全てのチームが採用するとなると、その光景は異様なものとなるでしょう。

ところで、BMWザウバーはこのツインタワーと同時にマクラーレンと同様の『バイキング・ホーン・ウィング』を装着していました。
こちらのほうはツインタワーに比べると見栄えはそこまで悪くなく、以前からマクラーレンが使用しているものの禁止される気配はありません。
さらにエアインテーク後方にミッドウィングを装着するのが現在は一般的となっていますが、こちらは形状によっては見栄え的に微妙な感じがしないでもありません。
ですがこのミッドウィングは10年以上も前にマクラーレンが採用するなど、それなりに歴史があります。
FIAとしては、今さら禁止することもできないのかもしれません。

今年は各チームが様々な部分に、目新しい大小の空力パーツを装着しています。すでに空力開発が飽和状態に達しているのか、非常に細かい部分で涙ぐましい努力を行なっています。
ゴテゴテと小さな羽がついているのはスマートとは言えませんが、これが今のF1です。こういった細かい部分の変化に注目して見ていくのも、F1の面白い部分と言えるでしょう。

ブレーキング

2006-07-26 00:59:59 | F1
マシンをセッティングする際に、最適なブレーキングポイントを見つける事は初期の重要な作業となります。
最適なスピードでコーナーを曲がるには、正しい地点でブレーキを踏まなければなりません。
そのサーキットの経験が豊富なドライバーは確認程度ですぐ把握しますが、そうでないドライバーはブレーキを踏むタイミングを変えながら何周もして最適な場所を見つけることになります。

そしてその際、ドライバーは周囲にある物を目安にすることもあります。
周囲に建造物や木などがあればそれを目安に使う事もできますが、近年のF1で使われるようなサーキットでは、コーナー周辺に目安となる物の無い場合がほとんどです。
そのため、多くのサーキットのコーナーには150m、100m、50mというような目安の掲示がされているのです。
これが、ブレーキマーカーボードなどと呼ばれるものです。
大抵の場合その裏側が普通の広告看板となっており、テレビ中継では主にその広告の側が映されています。
F1のコース脇グリーン上で見かけるものは発泡スチロールでできており、もしマシンが接触してもそのボード自体が壊れるため大きなダメージは受けません。

さてこのボードですが、一流のドライバーにそこまで親切に表示する必要は無いとも思えます。
ですが、ブレーキのタイミングを間違えるとオーバースピードでコーナーに突っ込む危険性があります。
たとえプロのドライバーであっても前方にライバル車がいたりするとコーナー入口が見えず、ブレーキのタイミングを誤ってしまいコースアウトすることもあります。
安全性を高めるため、そういった目安が用意されているのです。


最近のF1ではブレーキングが直接勝負を左右するといった場面が少なくなりました。
ですが今週末ドイツGPが開催されるホッケンハイムは、ドライバー達のブレーキング競争が見られるかもしれません。
久々にコース上でのトップ争いに期待したいところです。

ドイツGP・ホッケンハイム

2006-07-25 00:47:29 | F1
2006年F1第12戦ドイツGPは、フランクフルトから南へ約100kmの街に位置するホッケンハイム・リンクで開催されます。
ドイツはシューマッハ兄弟やハイドフェルトらの母国というだけでなく、BMWやメルセデスのホームグランプリでもあります。ニュルブルクリンクと同様に、毎年それぞれの応援団がホッケンハイムに駆けつけて熱狂的な声援を送ります。

このホッケンハイムは2002年の開催前に大幅な改修を受け、それまでの高速サーキットから中低速コースへと姿を変えました。
かつては美しい森の中を抜ける全長6.8キロの長いコースで、時速350キロを超える高速バトルが見られました。
ですが周回数が少ない事や見渡す範囲が狭いなど観客側からの不満や、ピットから森の最深部までの距離がありすぎる事でのいくつかの問題、そして安全性向上の課題もあって大幅なレイアウト変更が行なわれました。
デザインは近年の新サーキットを全て担当しているヘルマン・ティルケです。
ドライバー達の感想は以前のレイアウトと比較してしまうと賛否両論ありますが、改修後は見応えのあるレースが見られるサーキットに生まれ変わりました。
最大のオーバーテイクポイントは、ホームストレートから最も遠い場所に位置するヘアピンとなります。長い高速左コーナー・パラボリカから続くタイトなヘアピンへの飛び込みでは、これまでの開催でも多くのバトルが見られてました。
またこのサーキットは路面が滑らかでタイヤに厳しく、前戦と同じくタイヤ選択も勝負の分かれ目となります。
夏の開催ということで気温が上がる可能性が高く、タイヤの耐久性が重要となってきます。

さて改修を終えてから既に5回目の開催となり新たなホッケンハイムの姿にも慣れてきた頃ですが、ここにきてこのサーキットのドイツGP開催は危機を迎えています。
以前からホッケンハイムは資金難の状態が続いており、さらにドイツで2つのグランプリを開催していることもあり削減の対象に考えられていました。
そんな中で先日バーニー・エクレストンは、2009年のカレンダーに韓国とメキシコが加わる予定だと明らかにしました。そのためいくつかのレースが消滅することになりますが、ホッケンハイムは前述の理由で消滅の可能性が最も高いサーキットとなっているのです。
救済策としてはニュルブルクリンクとの交互開催も提案されているようですが、場合によっては今年が最後の開催となってしまう可能性もあるようです。

そういった意味でも、今週末に開催されるドイツGPは見逃せません。
アロンソとミハエルの争いや、それを追って開発を進める各チームの進化、またデビュー戦を迎えるスーパーアグリSA06と山本左近にも注目です。
夏のホッケンハイムで、灼熱の熱き戦いがいよいよ始まります。

今日は日記です。

2006-07-24 00:12:41 | 日記
このブログのタイトルにもある日記を最近は全然書いていないので、今日は唐突に日記を書こうと思います。

とは言ってみたものの、あいかわらず特に話題がありません。
よく人との会話に困ったら、天気の話をするのが無難といいます。

というわけで、天気の話でも。

もうすぐ夏本番というのに、先週はずっと雨が降っていました。
前に書きましたが、自分は室温が40度になる夏の部屋を扇風機だけで乗り越えなければならないので、どちらかというと涼しいままのほうがありがたいです。
ですが大きな災害になっている地域もあるわけで、雨はもう勘弁してほしいところです。

今年のF1決勝では本格的な雨のレースがなく、第2戦マレーシアで軽く降った程度でした。
今年はカレンダーからスパが消えたため、この先も雨のレースはあまり期待できません。
一度くらいは、フルウェットのレースでミシュランとブリヂストンの対決も見たい気もしますね。

日記といいながらF1の話になってしまいました。あんまり面白い事が書けなくてすいません。明日からまた頑張ります。

今週末はドイツGP、個人的にはSA06がどの程度の速さを見せるのかが気になりますね。

それではまた明日です。

夏が来る!

2006-07-23 01:22:50 | F1
今年のF1は、来週から6週間がテストを行なえない期間となります。F1は来週末のドイツGP、そして2週連続開催でハンガリーGPを迎え、それから3週間の夏季休暇を挟んでトルコGPとなります。
そのトルコGPが終わった次の週から、テストが再開されることになります。

さてそのテスト禁止期間を前に、先日FIAは現在ルノーとフェラーリが採用している『マスダンパー』システムの使用禁止を発表しました。
このシステムをすごく簡単に説明すると、おもりを吊るして振動を打ち消す事をフロントノーズ内のバラストで実現させたものです。
固定されたバラストにスプリングでバラストを吊るし、縁石などに乗ったときのフロント部分の挙動を安定させています。
現時点でこれを使用しているのがルノーとフェラーリで、特にルノーはこのシステムが結構なアドバンテージになっていると言われているようです。
他チームも追随すべく開発を進めていたそんな中で、FIAがこの手法を禁止しました。
これ自体はそれほど大きな問題ではないのですが、次戦以降ルノーにどのような影響が出るのかは興味深いところです。

さて、先週各チームはヘレスなどで夏休み前最後のテストを行ない、ここからの3戦に向けての準備を整えました。
進化を続けるF1は、暑い夏を前にしてもその歩みを止めることはありません。
シーズン終盤を迎える各チームの努力の結晶がどのように表われるのか、まだまだ目が離せません。

モンタニー、母国で激走

2006-07-22 02:39:56 | F1
第11戦フランスGP。唯一のフランス人ドライバーであるフランク・モンタニーは、この予選で初めて佐藤琢磨より速いタイムを刻みました。
その佐藤琢磨がかつて鈴鹿でみせたように、モンタニーは母国グランプリという特別なレースで速さを示すことに成功したのです。

そして迎えた決勝でもモンタニーは順調に周回を重ねました。
チームメイトは1周目にトラブルでマシンを降りますが、モンタニーは最後尾の単独走行ながら安定したラップを刻んでいきます。
結果は16位で見事完走、現状としてはこれ以上望めないという内容で母国グランプリでのレースを終えることができました。

今回のレース後のモンタニーのコメントは、このレースに出場させてくれたチームに感謝する、という形で締めくくられています。
モンタニーとしては、もはやF1デビューは不可能かという状況の時に声をかけてくれたチームに、大きな感謝の気持ちを持っているようです。

ただおそらく彼の心の中には、まだやり残した事があるという気持ちもあるはずです。
このレースでモンタニーは、少なくとも予選では佐藤琢磨に迫る速さを持っているという事を示しました。
彼自身も、やっとここにきて手応えを掴んだという段階でしょう。

F1では毎年数人のドライバーがデビューし、その多くはすぐにF1の世界から去ります。
彼らが秘めている才能をアピールできるような道具が与えられないことも多く、実力はあるのに消えていくというドライバーもいるのです。

モンタニーはこのレースをもってレギュラーシートを降り、今後はスーパーアグリF1のサードドライバーとしてチームに帯同、金曜日のフリー走行には登場する予定です。

これまでの例から考えると、おそらく今後モンタニーがどこかのチームでレギュラーシートを獲得する可能性は低いと言わざるを得ません。
ですがルノーでのテストドライバーの経験と、今回のレース出場の経験は大きな武器となります。
彼が目指せる現実的な道としては、その経験をアピールしテストドライバーとしてどこかのチームと契約し、レギュラードライバーの欠場時に代役として出る、という方法でしょう。

はたしてモンタニーはF1で生き残ることができるのか。
とりあえずは彼の手に新車SA06が渡り、金曜日に周囲を驚かすようなタイムを記録する日が来ることを期待します。

下降線

2006-07-21 00:11:50 | F1
ホンダ・レーシーングF1チームにとって第11戦フランスGPは、開幕時には想像もしていなかったような最悪のものとなってしまいました。

予選ではバトンが最初のセッションで脱落、そしてバリチェロも全く上位のタイムには及ばず14位に終わりました。
さらに迎えた翌日の決勝でも、ホンダは良い所を全く見せられませんでした。バリチェロは19周目に早々とトラブルでマシンを降り、バトンもレース終盤11番手を走行中にトラブルが発生しリタイアを喫しています。

今回のフランスGPはブリヂストン勢が好調でしたが、ホンダはそれだけでなく同じミシュランを履くBMWやレッドブルのペースにも及びませんでした。
今回は全く速さが見られず、シーズン後半にきての急激な後退に大きな不安を残しています。

ですが、今回のポジションがそのまま彼らの現在の戦闘力を示しているわけではないはずです。
近年のF1は各チームの戦力構図が1年を通してかなり安定しているため、突然低迷すると目立ってしまう傾向にあります。
この低迷がこの先も続くようなら問題ですが、今回の1戦だけではあれこれ言うこともできないはずです。
その前のUSGPでは予選4位と7位をマークしており、今回はたまたまマシンやタイヤがコースに合わなかっただけと考えることもできるでしょう。

ただドライバーはエンジンパワーとダウンフォース不足も訴えており、今回のレースはコーナーでのグリップ不足が顕著だったようです。
ホンダは毎戦のようにアップデートしていますが、なかなか成果が出ていないのも確かなようです。

またホンダは開幕時からタイヤの使い方で苦労しており、現在もその問題を多少引きずっています。
金曜日に3台目を走らせられるホンダはタイヤの面でも有利なはずなのですが、基本的に今年のマシンは今年のミシュランタイヤと相性が悪いのかもしれません。
今後もブリヂストン勢の優勢が続くなら、ホンダは厳しい戦いを強いられることになりそうです。
また、来年は自動的にタイヤがブリヂストンへと変更されます。
2003年まではブリヂストンを使っていたとはいえ、当時のデータはそれほど役に立ちません。
来年もタイヤとのマッチングに苦労するかもしれないという不安を抱えている状態です。


はたしてホンダはこの窮状を脱することができるのでしょうか。
全ての面で最高のものを揃えないと勝てないと言われるF1において、今年のホンダには多くのものが欠けているのかもしれません。
もはや今年は捨てて、立て直しをはかるべく来年の準備に集中すべきなのでしょうか。
今後のホンダの復活に期待したいところです。

スーパーアグリ・SA06登場

2006-07-20 00:52:42 | F1
昨日スーパーアグリF1チームは、新車SA06のシェイクダウンをシルバーストーンで行ないました。
出る出ると言われ続けて時間だけが過ぎていたSA06が、ついに実際に走る姿を披露しています。

さてシルバーストーンに姿を現した新車SA06は、SA05と比較するとリア周辺が大幅に変更されていました。
フロント部分はSA05やベースとなったA23の面影をまだ残していますが、リアのエンジンカウル部分は明らかに低くなるなど大幅な進化が感じられます。
サイドポンツーン周辺からリアにかけても、SA05とは比較にならないほど絞り込まれています。

佐藤琢磨のコメントによると、フロント部分も変更されたフルパッケージのSA06が登場するのは第14戦トルコGPのようです。
ですが今回披露されたSA06を見る限りでも、それなりに期待できそうな見た目となっています。


さて、そんな中で不安点を挙げるとすれば、やはり信頼性確保が問題になると言えるでしょう。
今年開幕直前に完成したSA05は、中身がほぼA23だったため初期的なトラブルがそれほど発生しませんでした。
しかしSA06は、同じA23ベースとはいえ新しい部分が非常に多いマシンです。
新たに作られたF1マシンが全て完璧に動作するまでには、どんなチームでも初期的なトラブルが発生してそれを潰していくものです。
ですがスーパーアグリはこのSA06を今回のシェイクダウン後、テストもそこそこに一気に次戦ドイツGPで投入する予定となっています。
信頼性を確保するまでには、少し時間がかかかる可能性もありそうです。


次戦ドイツGPは新車SA06と、山本左近のデビューレースとなります。
両者とも過度の期待をすべきではありませんが、どの程度の速さを見せられるかに注目です。


今日はここまでです。それではまた明日。

上昇気流

2006-07-19 00:16:23 | F1
第11戦フランスGP。好調を維持しているトヨタは、このレースでも速さを見せました。

予選ではミシュランのトップチーム勢と互角のタイムを記録し、トゥルーリが4番手、ラルフが5番手と2台揃って好位置につけました。
今回のトヨタは上位グリッドのチームの中では最も燃料を積んでおり、その中での4・5番手は素晴らしい結果です。
もちろん優勢だったブリヂストンタイヤの恩恵を受けたのは確かですが、TF106B投入によりタイヤとのマッチングが向上しているだけでなく、空力や足回りなど細かい部分を意欲的にアップデートしてきた成果が出ていると言えるでしょう。

そして迎えた決勝。第1スティントは4位5位のポジションをキープしたまま進み、19周目までに上位陣がピットインを終えるとトヨタは一時ワン・ツー体制となりました。
もちろんそれは見た目上の順位でピットインにより後退するのですが、開幕時点では不可能だったこの状態を見せる事ができたというだけでもその進化が覗えます。
今年まだ2台同時入賞がないトヨタは、ここでそれを達成するかと思われました。
ですが、39周目にトゥルーリがブレーキトラブルでリタイアを喫します。
そしてその前のラルフのピットイン時には、タイヤの装着に手間取り10秒ほど失いました。
結果的にこのタイムロスが無ければ表彰台の可能性もあっただけに、手痛いトラブルとなりました。
しかしそんな中でもラルフはブリヂストンの安定性を武器に2ストップを敢行、3ストップのライコネンを抜いて見事4位フィニッシュを果たしています。

これによりトヨタはコンストラクターズ・ランキングで、一気にBMWザウバーを抜いて5位に上がりました。
ミシュランを履くBMWそしてホンダに対し、ブリヂストンを履いているのは状況次第で大きなアドバンテージとなります。
一気にホンダも射程圏にとらえたと言えそうです。

今季からタイヤをブリヂストンにスイッチしたトヨタは、序盤こそそれが原因で苦しみましたが結果的にはアドバンテージも得ました。
来年以降はブリヂストンのワンメイクになるため、すでにその特性を知っているというのは将来的にも多少有利に働きそうです。

当面の課題は信頼性ですが、2台とも完走するようになれば手強いチームとなるでしょう。

次戦はドイツGP。
ドイツにファクトリーを構えるトヨタF1チームにとっては、このレースもホームグランプリのひとつとなります。
彼らの速さは本物なのか、ホッケンハイムでの戦いに注目です。

仕事人デラロサ

2006-07-18 00:00:54 | F1
第11戦フランスGP。モントーヤにかわってマクラーレンのシートに座ったペドロ・デ・ラ・ロサは、このレースを7位でフィニッシュしました。

彼にとって15ヵ月ぶりの実戦となったこのレースですが、初経験となった新方式の予選を無難にこなしました。
ブレーキングに苦しんでいた事もあって予選最後のアタック時にタイムロスしたものの、ライコネンに対してはコンマ3秒程度の遅れとまずまずの数字をマークしています。

その結果決勝レースを8番グリッドからスタートすることになったデラロサでしたが、彼にとってはそのスタートが誤算でした。
ロズベルグの降格により10番グリッドとなったマーク・ウェバーが、スタートで前に出たのです。
その後デラロサは幾度となくオーバーテイクのチャンスをうかがいますが、あと一歩の所で抜けずに最初のピットストップまで抑えられました。
その間にデラロサと上位のマシンとの差が開いてしまい、ピットでウェバーを抜いたあとは特に目立つこともなく結局7位でチェッカーを受けています。
ただ久しぶりの実戦で、現状のマクラーレンの戦闘力を考えれば、デラロサは十分な結果を残したと言えるでしょう。
ラップタイムも決して悪くなく、ライコネンと同様のペースで周回を重ねました。
やはり、第1スティントでウェバーを抜けなかったのが非常に大きかったと言えます。

昨年のバーレーンGPでも感じられましたが、デラロサはオーバーテイクを仕掛けるタイミングの見切りがやや甘いように見えます。
今回も明らかに彼のほうが速かったものの、ウェバーに揺さぶりをかけようとしてレーシングラインを外れているうちに抜くタイミングを失ってしまいました。
もしかするとデラロサの頭の中には昨年のレースの事があって、逆に慎重になりすぎていたのかもしれません。
デビュー以来下位チームでの戦いが多かったデラロサは、遅い車をオーバーテイクしていくという経験がそれほど多くはありません。
オーバーテイクが難しい現在のF1では、前のマシンを抜くにはそれなりのテクニックが要求されます。
そういった細かい部分でもしっかりとアピールできなければ、レギュラーシート確保も難しくなってしまう筈です。

さて今回のデラロサの走りを総括するとすれば、可もなく不可もないといった所でしょうか。レギュラーシートに座るのに十分な速さを持っていることを示しましたが、特別突出した能力があるというわけでもないという印象でした。
急な出場でもしっかりと結果を残す仕事人としての評価はもちろん高いのですが、彼をレギュラードライバーにしたいと思わせるような魅力が足りないのも事実です。

現時点で来週の出場は発表されていませんが、次こそはさらに高い次元の走りを見せたいところです。
苦労人のサクセスストーリーはここから始まるのか、今後もベテランドライバー・デラロサの挑戦に注目です。

第11戦フランスGP決勝

2006-07-17 00:53:59 | F1
第11戦フランスGP決勝は、ポールポジションからスタートしたミハエル・シューマッハが快勝しました。
これでUSGPに続く2連勝、アロンソとのポイント差は17に縮まっています。

今回のブリヂストンタイヤは、ミシュランと比較するとアドバンテージがあったのは明らかでした。
ミハエルはスタート直後からじわじわとリードを広げ、終盤にはクルージングに入れるほどになりました。
彼は完璧にレースを支配したままフィニッシュ、皇帝の横綱相撲というレースを見せつけています。
今回のミハエルに関しては、文句のつけようがないレースだったと言えるでしょう。

ただ唯一惜しむべきなのは、マッサが2位をキープできずアロンソに8ポイント獲得を許した事でしょう。しかし最近のマッサはチームの指示を確実に実行する素晴らしい仕事をしており、速さもしっかりと示しています。
やはり今回は、アロンソとルノーのしたたかな強さを褒めるべきだと言えるでしょう。

ルノーは今回のレースでミハエルを追えないことを悟ると、落ち着いてターゲットをマッサに絞り結局2ポイントを上乗せしました。
これが昨年からの彼らの強い部分のひとつであり、ミハエルの逆転タイトル獲得を難しいものとさせています。

今年ミハエルが奇跡の逆転劇を見せるには、チームの全ての面が常に最高の状態を維持していなければなりません。
マシンの基本的な性能、信頼性、タイヤのアドバンテージ、そしてミハエル自身の完璧なドライビング。どれかひとつが欠けるだけでルノーに簡単に引き離されてしまいます。

常識的に考えればここからの逆転チャンピオン獲得は非常に厳しいのですが、その可能性を期待しながらレースを見続けられるのは素晴らしい事です。
できるならば、この先もシューマッハ・フェラーリ・ブリヂストンに粘ってもらいたいところです。


今日は短めですがここまでとさせていただきます。明日以降もフランスGPについて書きたいと思います。それではまた明日です。