02月06日 19時14分 NHK関西 NEWS WEB
東京電力・福島第一原発の事故で放出された放射性物質を含む大量の木くずが3年前、滋賀県高島市に不法投棄された事件をめぐり、検察が市民団体に捜査資料を開示し、およそ5000トンの木くずが、少なくとも5つの県に運ばれていたことがわかりました。
3年前、滋賀県高島市の河川敷に原発事故で放出された放射性物質を含む大量の木くずが不法投棄された事件を受けて、市民団体の代表が、「放射性物質の拡散を防ぐため、全容を明らかにしたい」として、有罪判決が確定した業者が国内各地に運んだとされる木くずの捜査資料を開示するよう求めました。
最高裁判所は去年12月、風評被害などに配慮して木くずが運ばれた市町村名や関わった業者名を伏せた上で資料を開示するよう命じ、市民団体によりますと、大津地方検察庁が5日、捜査報告書を開示したということです。
それによりますと、福島県から搬出された5000トンほどの木くずが滋賀のほか茨城、栃木、山梨、それに鹿児島の少なくとも5つの県に運ばれていたことがわかったということです。
木くずは12のルートで運ばれ、その間、埼玉、千葉、群馬の業者が運搬などに関わっていたということです。
運ばれた木くずが最終的にどのように処理されたかは、捜査資料からは確認できなかったということです。
京都大学元教授で市民団体の石田紀郎代表は、「これまで搬出先がほとんど開示されないまま、各地で木くずが野ざらしになったり、土壌にまかれたりして放射性物質が拡散してしまった。経由地を含めて詳細が明らかになるよう、さらに取り組みたい」と話しています。
裁判の調書の開示も、もっと早くやってくれてたら、・・残念ですね
(木くずは)捨てられた可能性もあるし、燃やされた可能性もあるでしょうし、あるいは、まだそのまま野ざらしになって
あるいは、地面の上にほったらかしになってるやつも・・いろんなことが考えられますけども、今回の調書からでは、もうそれ以上のことは分からなかった。
毎日新聞 2016年2月7日 20時01分(最終更新 2月7日 20時01分)
計5300トン搬出 大津地検の捜査資料
東京電力福島第1原発事故で放射性セシウムに汚染された木くずが滋賀県高島市の河川敷に不法投棄された事件で、木くずが他に栃木、茨城、千葉、山梨、鹿児島の5県にも計約5300トン搬出されていたことが、大津地検の捜査資料で分かった。
木くずは福島県本宮市の製材会社が保管していた。東京のコンサルタント会社社長が処理を請け負い、うち約310立方メートルを高島市に捨てたとして廃棄物処理法違反罪に問われ、有罪が確定した。
捜査資料は市民団体が閲覧を請求。大津地検は不許可としたが、最高裁が昨年12月、搬出先の市町村名などを除く部分について開示するよう命じていた。
資料を閲覧した市民団体側弁護士によると、木くずは2012年12月〜13年9月に東京と群馬の二つの中間処理業者が搬出。その後、別の運搬業者が計18ルートで滋賀を含む6県に運搬した。内訳は▽栃木約3437トン▽山梨約1214トン▽鹿児島約344トン▽千葉約280トン▽茨城約10トン。
運搬業者は福島県の木くずとは知らされておらず、木くずは14年7月現在、チップとして敷設されたり、野ざらしで放置されたりしているのを確認したと記載されていたという。【森野俊】
(管理人より)
汚染木くずに関するNHKの報道の仕方がおかしかったので指摘しておきます。
まず、汚染木くずの第一報がNHKローカル扱いで、同時に首都圏、滋賀・茨城・栃木・山梨に流されていました。
ほぼ同じ文章のコピペですが、前橋のことが滋賀のニュースにだけ書かれています。 鹿児島には動画付きで時間差で流れ、NHK群馬には流れていません。(私が確認した限り)
NHK鹿児島に動画つきで出た時点で、その他の4県のニュースにも更新されて動画がつきました。
そして、そのあとNHK関西NEWS WEBにアップされました。 石田さんのインタビューシーンがそこだけに入っていました。
「少なくとも5つの県に運ばれていた」とNHKは報じているのに、そのあとにアップされた毎日新聞のネット記事を見ると「6県に運搬した」となっています。「千葉県」が増えています。
NHK首都圏NEWSWEBには、千葉県にも木くずを運搬したことが出ていません。
しかも、6県の中になぜ、群馬が入ってないのかという問題もあります。
2015年の9月16日に NHKでも報じているのにおかしな話です。
運搬ルートもNHKは12ルート、毎日新聞は18ルート に増えています
千葉県民は、NHKの報道では自分の県に搬入されたことを知らされていないということになります。千葉県の毎日新聞読者は気づくかもしれませんが・・・NHKしか見ない人は気づかないでしょう。
NHKと新聞の報道も一致していません。まあ今に始まったことじゃないですが。
普通NHKニュースは、自分が住んでるところのニュースをテレビで見て終わりですから、内容にこんな違いがあることなど気がつないでしょうね。
汚染木くずがどうなったのか、市民がしつこく情報公開請求して、3年もかかってやっとここまでわかったわけです。
それでもまだ全貌は明らかになっておらず、その間にも、汚染木くずの置き場所は不明のままですので、どうなっているのかわかりません。
そのニュースでさえ、それほど大きく扱われていないという有様。
これに関わる行政も、司法も、政治家も、メディアもそろって隠蔽してるわけですから、日本って国は隅から隅まで、きっちり腐っているなと感じます。
事件を起こし有罪判決を受けた個人ももちろんとんでもない悪党ですが、放射性廃棄物を、高汚染地域から低汚染地域に移動させて、うやむやにしてしまう官僚とか首長とか裁判所や業者も全部、環境犯罪の戦犯だと思います。
こうやって猛烈に汚染された木くずは行方不明になったということです。 あ~あ。
水も土も汚れ放題でしょう。愚かすぎますね、人間は。放射性物質の集中管理とまったく逆の方向になっています。 はっきり言います。絶望です。
以下まとめ。
栃木 約 3437トン
山梨 約 1214トン
鹿児島 約 344トン
千葉 約 280トン
茨城 約 10トン
木くずは2012年12月〜13年9月に、東京と群馬の二つの中間処理業者が搬出。 その後、別の運搬業者が計18ルートで滋賀を含む6県 に運搬した。
運搬業者=埼玉、千葉、群馬の業者
6県= 滋賀 栃木 山梨 鹿児島 千葉 茨城
運搬業者は福島県の木くずとは知らされておらず、木くずは14年7月現在、チップとして敷設されたり、野ざらしで放置されたりしているのを確認したと記載されていた
※群馬県 前橋市にも運び込まれているにも関わらず、今回の報道には入っていない不思議。
【汚染木くず関連報道 時系列 まとめ】
汚染木くずを不法投棄、コンサル社長に有罪判決 大津地裁 (産経新聞 2014.12.2 ) より抜粋 (青文字)
検察側は公判で、田中被告が、放射性物質に汚染された木くずを処理すると福島県の製材業者に持ちかけ、東電から処理費用約4億円を受領しながら除染作業せず、約1億円の利益を上げたと批判。
また、現在も関東や九州の自己所有の土地などに木くずを放置しているとも指摘していた。
滋賀・高島の汚染木くず、搬出先は前橋市 許可証を部分公開 (京都新聞2015年09月17日) より抜粋 (青文字)
部分公開された許可証の写しでは、施設は「木くずの破砕施設」となっている。業者名や詳しい所在地などは黒塗りされた。
前橋市廃棄物対策課によると、滋賀県から木くずが搬出されたとの連絡を受けたのは昨年12月ごろで、すでに別の企業に売却されていたという。
汚染木くずは前橋市に搬出判明-NHK滋賀 (2015年9月17日)
滋賀県は、「風評被害につながるとして公開しなかった判断は正しかった」と話している⇒ 滋賀県っておそろしいですね! 隠蔽したのを正当化!
汚染木くず 市町村名は閲覧できず 最高裁 (毎日新聞 2015年12月16日)
滋賀県の河川敷で放射性セシウムに汚染された木くずが不法投棄された事件に関連し、木くずの最終搬出先の自治体名が書かれた捜査報告書の閲覧の可否が争われた特別抗告審で、最高裁第3小法廷(大谷剛彦裁判長)は16日までに、閲覧できるのは報告書に記載された搬出先の市町村名などを除く部分と判断し、大津地裁の決定を一部取り消した。14日付。
決定理由で「搬出先が特定され、風評被害などで回復しがたい経済損害が発生する恐れがある」と指摘。地裁は都道府県と市町村を閲覧可能としたが、小法廷は市町村名を対象外と判断した。
事件では、東京電力福島第1原発事故で汚染された木くずを滋賀県高島市や関東などに放置したとして、東京のコンサルタント会社社長が廃棄物処理法違反罪で有罪判決を受けた。
事件を告発した男性が今年2月、木くずの移動経路や保管状況が分かる捜査資料の閲覧を地検に請求。不許可とされたため、大津地裁に準抗告し市町村名を含めた部分の閲覧が認められた。これに対し、大津地検が特別抗告していた。(共同)
追記
NHKで追加の報道がありました。
栃木、千葉、首都圏、関西のNHKの報道の画像です。コピペで同じ文章。
東京電力福島第一原子力発電所の事故で出た放射性物質を含む大量の木くずが滋賀県で不法投棄された事件をめぐり、検察が開示した捜査資料を市民団体が分析したところ、木くずは、茨城、栃木、山梨などの各県に加え千葉県にも運ばれていたことが新たに分かりました。
3年前、滋賀県高島市の河川敷で、福島第一原発の事故で出た放射性物質を含む大量の木くずが不法投棄される事件があり、有罪判決が確定した業者は、木くずを国内各地に運んだとしていました。
このため、市民団体の代表が捜査資料を開示するよう求め、大津地方検察庁は今月、木くずが運ばれた市町村名などを伏せた上で市民団体に開示しました。
市民団体は6日、福島県から搬出された木くずが、滋賀県のほか茨城、栃木、山梨、それに鹿児島の各県に運ばれていたと明らかにしましたが、さらに調べた結果、千葉県にも運ばれていたことが新たに分かったということです。
また、市民団体によりますと、あわせておよそ5000トンの木くずが18のルートで運ばれ、このうち半数以上の3000トン余りが、栃木県で屋外に積まれるなどしていたということです。
市民団体の共同代表を務める大阪市立大学の元教授、畑明郎さんは、「すべての木くずが最終的にどう処理されているかは確認できなかった。6つの県は、運ばれた場所を特定し、住民を汚染から守るよう対応してほしい」と話しています。