蝉時雨

2012-08-30 08:55:30 | 自然&いきもの+ゾウのはな子


 友人のF医師が言ってましたが、今年は蝉の当たり年でした。少し前まで、国立の大学通りでも、やかましいほど蝉が鳴いていました。それも深夜過ぎまで! 羽化したばかりの蝉が鳴いているのか、それともまだ鳴き足らない(メスを見つけられない)蝉が夜遅くまで粘って鳴いているのか・・・。
 夜聴く蝉の音は、夜風がいささか涼しくなった頃からあちらこちらから聴こえてくきた虫の声(今も鳴いてます)とは全然趣が異なるのですが、とても新鮮で、涼風を運んでくれているような気もします。しかも昼とは違ってどこか不思議な感じもして、しばし佇み頭上を見上げてしまいました。真夏の夜の蝉の音は、ソロで聴くのも悪くないし、フルオーケストラの大編成で聴くと木全体が揺れ動く感じで、実に壮大です!

 一方、朝五時くらいから鳴き出す早起き蝉は、クマゼミでしょうか? ニイニイ蝉の鳴き声はどこかおっとりしているというか、上品ですね。一番暑苦しい鳴き声は油蝉だと思いますが、私自身はミンミン蝉の声の方が暑さを感じます。じりじり焼かれて、じわ~と汗が噴き出してくる感じ・・・。
 土地柄にもよるのかもしれませんが、私の場合は「ミンミン蝉=夏休み」でもありました。虫かごをたすきがけにして、片手には捕虫網、もう片手には早くも溶け始めたをかき氷のアイスバー、というのが、少年時代のニワトリさんの定番スタイルでした・・・(捕中網は、ときどき述べ竿や水中用の網に換わりました)。

 真夏の盛りに、例えば神社の境内や雑木林にいると、凄まじい数がいるのでしょうか、無数の矢が放たれたかのように蝉の音が頭上に降り注いできます。暑いものだから額や背中は汗でびしょびしょだったりして、だから最初のうちは蝉の声も実に暑苦しく感じたりするのですが、蝉時雨とはよく言ったものだと感心している間に汗もひいてきて、気持ち涼しくなってくるから不思議です。森の中は2~3℃は温度が低いから、蝉時雨を聴きながら昼寝でもしたら気持ちいいだろうなあ~なんて思うのですが、まだ実行したことはありません。

 まだまだ猛暑が続いていますが、お盆の頃から蜩の声が混じるようになりました。夕暮れどきに「カナカナカナ・・・」と、少し物悲しい蜩の調べが聴こえてくると、まだまだ暑いけれど夏が終わり始めたと、いつも思います。暑さを和らげてくれる夕暮れの調べとも言えますね。日本の風物詩には欠かせない蝉です。
 夏の後半に差しかかると、ツクツクボウシがミンミン蝉や油蝉に交じって鳴き出し、ツクツクボウシの声が聴こえてくると、条件反射的に(少年時代なんかとっくに終わったのに)、夏休みの宿題をやらなければ・・・という焦燥感と、先ほどの蜩とは違って確実に夏が去っていくことを宣言されているような、一抹の寂しさと覚えるのですが、と同時に、まだ夏休みは残っているのだから悔いのないように遊びなさいと、言ってくれてるような気持ちにもなります。というわけで、夏休みの宿題は九月になってから???
 
 今日は8月30日です(ここから朝書いています)。ツクツクボウシはどこ行った? 猛暑のせいなのか(だからまだ出てこないのか)、それとも例外的にツクツクボウシの数が少ないのか、どっちなんでしょう?
 連日の猛暑とツクツクボウシの不在・・・夏の終わりの寂しさを感じないでいられるのは、考えようによっては良いことかもしれませんが、ツクツクボウシの声を聴かないまま秋になってしまうのも考えものですは。
 このところ雨が全く降らないせいか、日に日に太っていく月の様子を毎晩見られます。もう数日で、満月ですね! 九月の月は、中秋の名月より、実は好きなんだなあ~♪


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