クラシック 名盤探訪

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とっておきの名盤 その83 ベートーヴェン 後期3大ピアノソナタ(第30番~32番)集

2007年04月18日 | とっておきの名盤「器楽曲」
バッハの平均率ピアノ曲集を旧約聖書にたとえるなら、ベート-ヴェンのピアノソナタは新約聖書と呼ばれている。
その32曲のピアノソナタの中でも、最後の3曲は精神的な深みが特に際立った味わいのある傑作群といってよい。
特に第30番ホ長調(作品109)は中でもとりわけ好きな曲で、前にこのブログでもとっておきの名盤としてアラウ演奏のものを取り上げている。
このゼルキンの盤はどちらかというと、好好爺のおじさんが、お気に入りの曲を弾くのが楽しくてしょうがないというような演奏。
全体的に明るいが、随所のフレーズに地味深い趣が散りばめられていて、聴いていて時々はっとさせられる。
深みのあるアラウの演奏とは趣が違うが、別の意味で強く惹かれるものがある。
ゼルキンは1991年に88歳の高齢で亡くなったが、若い頃からの長い録音活動の中でも、年をとるにつれてより味わいの深い演奏をしてくれる名ピアニストの一人だった。
この盤は1987年の演奏だが、ライブ録音とは思えないほどの鮮明さだ。
是非多くの人に聴いて欲しいとっておきの名盤。
これらの曲のベストファイブの名盤をあげると
・クラウディオ・アラウ(第30番)<PHILIPS>
・クラウディオ・アラウ(第31番)<PHILIPS>
・ルドルフ・ゼルキン <Grammophon>
・エミール・ギレリス <Grammoph9on>
・ウィルヘルム・ケンプ <Grammophon>
・ウィルヘルム・バックハウス <DECCA>
アラウの盤を第一位とするが、タッチの差でゼルキンの盤も推奨したい。

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