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中田 宏 元横浜市長の隠れた「実績」

2012-01-31 21:13:45 | おかしな人たち
最近、橋下 徹大阪市長に気に入られ大阪市特別顧問の座を得てすっかり上機嫌の中田 宏 元横浜市長。
そんな中田 元市長が、横浜市長時代に行った財政赤字削減などによる「改革」の「実績」をアピールしていたのだが・・・。
・改革者の宿命(上)大阪市特別顧問・中田 宏(2012年1月31日 MSN産経ニュース)

上のインタビューの冒頭、中田 元市長は自身の著書『政治家の殺し方』(幻冬舎、2012)の宣伝を行っていた。
その件については放置(何)

で、その後、中田 元市長は横浜市長時代に行った「改革」の「実績」について触れていた。
以下、2012年1月31日分 MSN産経ニュース『改革者の宿命~』から中盤部分を(略
ただし、引用部分で記者の質問は斜文字にした。

---- 以下引用 ----
(中略)
--横浜市長時代はさまざまな改革に取り組み、実際に成果を挙げました

 中田 横浜市を根本から立て直そうと思いました。
市役所の経費の見直し、人員削減、手当、昇任のあり方、仕事のやり方などの見直しを行いました。
業界への補助金、入札制度のあり方とかの改革は、関係業界の反発にもあいます。
赤字だったバスや地下鉄も黒字にしましたが、そのためにはコスト削減だけでなく、路線の見直しもやらねばなりません。
すると市民からも反対を受けます。
財政の立て直しは好かれることではありません。
改革をつぶすための抵抗、妨害、あげくは誹謗(ひぼう)中傷。
それでもやらなければ将来がないからやりました。
そして何とか横浜市の財政を健全化することができました。

--改革は大変ですか

 中田 サービスを増やすとか施設を作るとかということは喜ばれます。
目に見えて恩恵がありますから。
しかし、市の借金を減らすというのは目に見えないし、実感がありません。
市民が感じるとすれば痛みです。
これはすさまじい抵抗にあいます。
今の人に評価されようと思ったら、改革はできません。
将来の世代に評価されればいいと腹をくくるしかないのです。
(以下略)
---- 引用以上 ----

財政の健全化、か。
参考までに、横浜市の2010年(平成22年)度時点における財政の状況を見ておく。
・ 横浜市の財政状況1(平成22年度(1))(city.yokohama.lg.jp;.pdfファイル)

以下は、city.yokohama.lg.jp『横浜市の財政状況1~』のP.9 にある横浜市の過去10年間における負債(市債)額の画面メモを(略

2001年度~2010年度における横浜市の負債(市歳)額

確かに負債(市債)の額は減少している。
その面だけとれば、上の引用部分における中田 元市長の発言は間違いとは言い切れない。

また、2008年(平成20年)度と 2009年(平成21年)度にかけて横浜市は地方交付税の1つである普通交付税を受け取っていない。
理由としては、財政力指数が1 を超えていたため。
参考までに、総務省の『財政状況等一覧表』内にある横浜市の 2005年(平成17年)度~2009年(平成21年)度における財政力指数を(略
・財政状況等一覧表(soumu.go.jp)

・2005年度:0.929
・2006年度:0.950
・2007年度:0.980
・2008年度:1.00
・2009年度:1.01

つまり、中田 元市長の「実績」としては、横浜市の財政状態を普通交付税を受け取らなくてもやっていけるレベルにした、って所か。


しかし、その一方で中田 元市長が横浜市長を務めていた時に悪化していたものがある。
経常収支比率だ。
ってことで、city.yokohama.lg.jp『横浜市の財政状況1~』のP.15 から、経常収支比率を説明してる部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
経常収支比率とは、経常一般財源(市税、普通交付税及び地方譲与税など、経常的な収入で、その使途が限定されていないもの)に占める、市が毎年、固定的に支出する経常的な経費に充当する割合を表しており、この値が高くなるにしたがって財政構造の弾力性が低くなっていくといわれています。

本市の経常収支比率は、平成16年度までは80%台で推移していましたが、平成17年度以降は90%台に上昇しました。
平成22年度は、人件費などに充当する経常的な経費が減少した一方で、市税収入の減少を補うために臨時財政対策債(7ページ参照)を増発したことにより経常一般財源等が相対的に増加したことなどから、94.1%となっています。
(以下略)
---- 引用以上 ----

財政構造の弾力性、か。
こいつが悪くなると、(景気変動や災害などに伴う)臨時の出費に対応しづらくなるという問題点もあるらしいが・・・。
以下は、city.yokohama.lg.jp『横浜市の財政状況1~』のP.15 の画面メモを(略

2001年度~2010年度における横浜市の経常収支比率

つまり、中田 元市長が市長の座にいた時期に、横浜市の財政は固定費の割合が少しずつ増えていったってことになる。
自身が主張する「実績」の裏で、横浜市の財政は弾力性を失っていったわけだ。
しかも、中田 元市長が横浜市長の職を辞した年度(2009年度)の経常収支比率は 95.8。
見事なまでの自己ベスト(?)更新だ。
この経常収支比率の悪化ぶりを見ると、中田 元市長が2009年に辞職したのは単に『開国博Y150』の失敗の責任逃れというだけじゃないと思えるくらいだ。
さながら、自らの「改革」の結末を予見したかのように・・・。


それはそうと。
『開国博Y150』の後で、横浜市は広告会社とかに払う契約金を一部減額(踏み倒しとも言う)してるんだよな。
そして、これと同じようなことを、2016年夏季五輪招致に失敗した東京都も行ってた。
しかし、これが思わぬリスクを招く、という指摘も・・・。
・「開国博Y150」「東京五輪招致」を巡る非合理な減額請求(2010年4月13日 bizmakoto.jp)

上の記事で中ノ森 清訓氏は、契約金の一部減額を取引先に対する「借り」を作る行為と述べていた。
その上で、横浜市と東京都の行為の問題点を・・・。
以下、2010年4月13日分 bizmakoto.jp『「開国博Y150」「東京五輪招致」~』から中盤部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
取引先に借りを作ることは癒着の温床に

 今回のケースは、取引先から見れば、相手につけ込む格好の機会です。
横浜市、横浜開港150周年協会、東京都、東京五輪招致委員会の当事者たちにしてみれば、自分たちの失敗をとにかくつくろいたい。
また、問題がこれだけ公になってしまえば、余計に何らかの成果をこれらの騒動から得られなければ、さらに責任を追及される。

 こんな時に、すっと相手方から「分かりました。今回はそちらの要求を飲みましょう。その代わり、次に予定されている●●については、よろしく頼みます」と言われて、その誘いに乗ったふりをして、後で踏み倒すだけの覚悟のある人間がどれだけいるでしょう。
まあ、こうした約束を反故にすると、後で徹底的につぶしにかかる相手との泥沼の戦いという別のいばらの道が待っていますので、たいていはここで絡めとられて、一生その取引先に頭が上がらないという状態を作り出してしまいます。
こうしたところから、取引先との癒着が始まります。

 個人対個人であれば、恩義に報いるというのは大切な事です。
企業間取引でも、借りをきちっと返していくことは、信頼関係を築いていく上で大切ですが、度を超した関係は癒着となり、公正な取引による適正な利益を失うもととなります。

(中略)
自ら優良取引先を退けることに

 横浜市や東京都は、たとえ今回の騒動でいくらかの損失を回収できたとしても、中長期的には、もっと大きな利益を失うことになりました。
それは、「こことは、まっとうな商売ができない」というイメージを、広く多くのサプライヤに広めてしまったことです。


 「あそこは、自分たちの失敗のツケをこちらに回してくる。」
 「あそこは、ちゃんと契約をしても、後で反故にする。」

 こうしたイメージが定着してしまうと、ほかに商売のある優良サプライヤであればあるほど、こうしたところとの取引に応じなくなります。

 結果として競争は減り、しかも近寄ってくるのは、ほかに商売のない二流のサプライヤばかり。
これでは、外部の専門企業を使うことで得られるはずであったメリットを失うばかりです。
(以下略)
---- 引用以上 ----

これも、中田 元市長の「実績」って奴だろうか?


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