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マイナーな話題を扱うことが多いかもしれません。

先月の震災で発生したのは海洋ゴミも含まれるが

2011-04-02 19:43:30 | 時事ネタ(海外)
先月の20日~25日にかけて、ハワイはホノルルで『第5回国際海洋ごみ会議(5th International Marine Debris Conference)』が行われていたのだが・・・。
・NOWPAP Hilights(NOWPAP@UNEP)

こういう会議が行われていたこと自体を無視していた俺(馬鹿)
しかし、その内容は結構深刻なものだったようで・・・。
以下、NOWPAP『NOWPAP Hilights』から、『第5回国際海洋ごみ会議』に関して触れてる部分を(略

---- 以下引用 ----
世界中から400名以上もの参加者が集まった第5回国際海洋ごみ会議が2011年3月20-25日にハワイで開催され、NOWPAP RCUとMERRACから職員が参加しました。
この会議は米国国立海洋大気圏局(NOAA)とUNEP共催で開催され、海洋ごみの防止・減少・管理に関するホノルル公約とホノルル戦略という2つの重要な文書が採択されました。
NOWPAPは他の地域海行動計画(OSPAR、COBSEA、カリブ海、SPREP)と共に、この会議の開催前から開催期間中にわたりホノルル戦略の策定に積極的に参加したり、NOWPAP地域内の海洋ごみに対するNOWPAPの取り組みを紹介するなどにより会議の成功に寄与しました。
ホノルル公約や戦略は、海洋ごみに関するNOWPAPの海ごみに関する地域行動計画(RAP-MALI)の実施にも将来的に反映されます。
NOWPAPのNGOパートナーである日本のJEANや韓国のOSEANも、地域での国際海岸クリーンアップ(ICC)キャンペーン開催や普及、海洋ごみに関するNOWPAP地域行動計画の実施への貢献など、それぞれの活動を発表しました。
また、この会議はNOWPAPにとってUNEP、オーシャンコンサーバンシー、NOAAなど主要な団体との協力関係を強化する良い機会となりました。
---- 引用以上 ----

ホノルル公約(The Honolulu Commitment)の原文は↓
・The Honolulu Commitment(2011年3月25日 unep.org;.pdfファイル)

海洋ゴミって普段はあんまり注目されない存在(俺も忘れがち)なのだが、それによる被害はかなり深刻だったりするらしいのよね。
とりわけ深刻なのは、海洋生物が海に浮かんでるプラスチックごみを誤食して餓死(消化しない上体外に排出されないので・・・)するという被害だったりする。
それ以外のゴミによっても(釣り針や投網など)海洋生物が被害を受けてるのだが・・・。

とはいえ、今回の公約の採択でこの問題が「マシ」になるとは、会議に参加した人達は思ってない模様。
・A Fatal Addiction to Plastic(2011年4月1日 IPSNEWS)

というのも、今回採択されたホノルル公約では、海洋ゴミを減らす方法や目標を何にも定めてなかったからだ。
以下、2011年4月1日分 IPSNEWS『A Fatal Addiction to Plastic』からこの会議の主催者である国連環境計画(UNEP)ナイロビ事務所所属 David OSBORN 氏の発言部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
"We are all in personal agreement to reduce the amount of marine debris," conference co-organiser David Osborn of the United Nations Environment Programme (UNEP) in Nairobi said at the conclusion of the conference Mar. 25.

Everyone was prepared to meet the targets and goals in the Honolulu Commitment, Osborn said.

However, there are no specific targets or goals.
Among other things, the document invites stakeholders to "commit to" sharing information and to setting targets for reducing marine debris.

The next international meeting to presumably set the detailed targets of the Honolulu Strategy is at least four years in the future, say conference organisers.
(以下略)
---- 引用以上 ----

う~ん。
この手の話ってのは、どうしても各国の利害(金銭面での負担とか)が絡むからな~。
具体的な目標とかを定めるのが先送りになるのは(各国の意見をまとめる必要がある以上)止むを得ないことかもしれんけど、その間にも海洋ゴミは放出され続けるわけで・・・。
4年後と言わず、来年にでもこの会議の続編をやっていただきたいものだ。


一方、先月の会議には、日本から大城 智氏が参加を表明していた。
↓の記事は先月初旬なので、実際に大城氏が参加したかどうか不明だが・・・。
・大城 智さん(54歳)/「ゆうやなうれ宮古島プロジェクト」代表(2011年3月5日 宮古毎日新聞)

参考までに、2011年3月5日分宮古毎日新聞『大城 智さん(54歳)~』から大城氏の発言部分を(略

---- 以下引用 ----
(中略)
海洋ごみには5つの大きな問題があるという。
まず、プラスチック原料には、人体や生物に有害な物質が含まれている。蓄積することで、海の生き物やサンゴ、海岸線の植物などに対する影響。
外国語で中身が確認できない危険物や環境汚染物質が漂着する恐れ。
清掃作業に多大な労力が必要となること。
有害な漂着物を安全に処理するための方法など、地方行政単位では負担が大きすぎると話す。

 漂着ごみの中でも、波に運ばれて浮遊するプラスチックの原料ヌードルが海の生態系に影響を及ぼすのではないかという考えの上で、狩俣地区や白川田の浜できめ細かい調査を行っている。
「今後ますます増えるであろう海洋ごみは、小さな島々や海岸地域に住む人々が大きな影響を受けると思う。低コストの処理方法を開発するなど、世界中で応用できるシステム作りが急務だ
(以下略)
---- 引用以上 ----

四方を海に囲まれてる日本にとっては重要な問題だと言えるのだが・・・。

また、大城氏以外では、鹿児島大学水産学部所属藤枝 繁教授もこの会議に参加する予定だった。
が、諸般の事情(おそらく先月の震災が原因か)で参加をキャンセル。
結局、展示予定だったポスターだけが会議に参加することに・・・。
・5IMDC参加取り止め(2011年3月16日 海から来ました)
・5IMDC in Hawaii/ Use of disposable lighters as an indicator item to monitor marine debris, S.Fujieda(2011年3月16日? 鹿児島大学水産学部海ごみ研究室)

このポスターは、北太平洋諸国の沿岸で10年以上に渡って回収したポケットライター(言うまでもなくプラスチック製)が捨てられた国や地域別の割合と、海に捨てられたポケットライターの「流れ」についてまとめている。
その過程では、アホウドリの死骸(ポケットライターなどを誤食した)からポケットライターを回収したなんてことも結構あった模様・・・。
で、このポケットライターを捨てた国や地域の割合がまた素晴らしい結果となった。
以下、2011年3月16日分鹿児島大学(中略)『Use of disposable lighters~』から、2010年7月に米国はミッドウェー諸島で回収したポケットライター(全部で1,400本)の捨てられた国や地域の割合を(略

---- 以下引用 ----
・韓国:8.1%
・中国:6.8%
・台湾:14.1%
・その他国や地域:1.4%
・不明:21.6%
・日本:48%
---- 引用以上 ----

半数近くが日本で捨てられたブツか・・・。
しかも、1998年~2010年にかけて鹿児島の吹上海岸など九州西部の海岸で回収したポケットライターの捨てられた元となった国と地域は、1998年(中国で大洪水が発生したため一時的に中国からの流出量が増加した)を除いて11年連続日本がトップというオチが。
ポケットライターの件に関しては、日本は他の国とかを非難できない気がするぞ。

つーか、藤枝氏達が行った調査では災害によって流れたポケットライターもきっちりカウントしてるんだよな。
ってことは、今後の調査では、先月の震災で日本から流れた思われる大量のポケットライターが北太平洋諸国や地域で発見される可能性もあるってことか。
来年の調査結果が少し怖い・・・。

というか、先月の震災では、木材とか車など各種ゴミが海に流れ大量の海洋ゴミを生み出したのだが。
現状では、被災地での瓦礫やゴミ処理、福島第一原発から漏れ出した放射性物質の処理などに目が集まってるけど、長期的には先月の震災で発生した海洋ゴミの処理に関しても、日本政府は何らかの対応を求められるのは必至だ。
そうでなくても、長年日本からは大量の海洋ゴミが流れてる可能性が非常に高い(ポケットライターは氷山の一角かと)。
「震災は天災だから・・・」という言い訳が成立する余地があるとはいえ、海洋ゴミの処理に関しては今回の震災が過去のことまで免責しないのを(俺含め)自覚する必要があるのでは?
いや、本当の話。


なお、藤枝氏などが作成したポスターによると、ポケットライター(というか海洋ゴミも?)は実は流れた元となった国や地域が一番影響を受けるという・・・。


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