ストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute:SIPRI)が、2009年度における軍事産業の状況に関する報告書を出していたのだが・・・。
・09年の軍需売上高、トップ100社で33兆円 シンクタンク報告書(2011年2月21日 afpbb.com)
2009年度と言えば、世界的には景気が落ち込んだ時期。
しかし、軍事産業は非常に好況だったとかなんとか。
以下、2011年2月21日分 afpbb.com『09年の軍需売上高~』を全文(略
---- 以下引用 ----
【2月21日 AFP】
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute、SIPRI)は21日、軍需企業の世界トップ100社(中国企業を除く)の2009年の売上総額を発表した。
トップは米企業だった。
SIPRIの報告書によると2009年の売上総額は、2008年比8%(148億ドル、約1兆2300億円)増の4010億ドル(約33兆3000億円)で、うち61.5%を米国の45社が占めていた。
2009年の売上総額は2002年比では59%増となった。
トップ10社のうち、ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)、ボーイング(Boeing)、ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)、ジェネラル・ダイナミクス(General Dynamics)、レイセオン(Raytheon)、L-3コミュニケーションズ(L-3 Communications)、ユナイテッド・テクノロジーズ(United Technologies)の7社が米国企業で、 ロッキード・マーチンが英BAEシステムズ(BAE Systems)をわずかに抜いて、世界の軍需企業のトップとなった。
また、軍需トップ100社のうち10社はアジアにあり、日本の企業が4社、インドの企業が3社だった。
中東の企業は7社がトップ100入りし、うち3社がイスラエルの企業だった。
中東とアジアを合わせた売上高は、世界市場の6%にあたる240億ドル(約2兆円)だった。
SIPRIは軍需産業の売上高を「軍への軍需物資やサービスの売上高で、国内調達分と輸出販売分の両方を含む」(注参照)と定義している。
中国は、正確なデータを取得できないために報告書から除外された。
---- 引用以上 ----
中国企業を除く、ね・・・。
実は、カザフスタンやウクライナの企業もランキングに入ってもおかしくない勢いだったらしい。
ただ、中国と同様の理由でランキングからは除外されたが・・・。
で、この報告書について少し触れておく。
報告書は↓
・The SIPRI Top 100 arms-producing companies, 2009(2011年2月21日 SIPRI)
ここでは、軍事産業に分類される商品(?)を以下のように分類している。
ただし、右側は略称。
・砲弾:A(artillery)
・航空機:Ac(Aircraft)
・電子機器:El(Eletronics)
・エンジン:Eng(Engines)
・ミサイル:Mi(Missile)
・軍事用車両:MV(Military Vehicles)
・銃火器と実弾:SA/A(Small Arms/Ammunition)
・サービス:Ser(Services)
・船舶:Sh(Ship)
・宇宙用:Sp(Space)
・その他:Oth(Other)
結構分野が広いのね・・・。
で、ランクインした日本企業は以下の4つ。
以下、2011年2月21日 SIPRI『The SIPRI Top 100』から、ランキングにいる日本企業の名前を(略
---- 以下引用 ----
77. NEC
59. 川崎重工(Kawasaki Heavy Industries)
44. 三菱電機(Mitsubishi Electric)
25. 三菱重工(Mitsubishi Heavy Industries)
---- 引用以上 ----
結構な規模の企業ばかりだな(苦笑)
で、以下、2011年2月21日 SIPRI(中略)から、軍事産業に分類される商品の売上高を(略
ただし、金額の単位は米国100万ドル、()内は総売上高に占める軍事産業に分類される商品の売上高の割合(単位 %)。
---- 以下引用 ----
77. NEC:770(2)
59. 川崎重工:1,110(9)
44. 三菱電機:1,950(5)
25. 三菱重工:2,810(9)
---- 引用以上 ----
まぁ、金額自体については、上位10社が突出している(子会社も含めると11社になるが)ので比較する意味もないが・・・。
俺が気になったのは、むしろ総売上高に占める軍事産業に(中略)売上高の比率か。
これが意味するのは、現時点では軍事産業に(中略)商品が日本の企業では総売上高に対しそれほど大きな割合を占めてないってことだ。
裏を返せば、今後日本の企業が軍事産業を「成長分野」と見込んで投資・拡大を図る余地が存在するってことだが・・・。
実際、2009年に米国政府が、武器輸出三原則の修正を日本政府に求めていたことが発覚したし。
それを受けたかどうかしらんが、DPJ 政権もそれに乗り気だったし・・・。
・「武器輸出三原則」見直しを検討 北沢防衛相が表明(2010年10月11日 asahi.com)
・武器輸出三原則見直し求める米公電暴露 ウィキリークス(2010年12月1日 asahi.com)
その上、一部の方々には、軍事産業を日本の「基盤産業」にするべき、なんて言う人もいるくらいだし。
・「子ども手当1年分で日本は空母を持てる」と櫻井氏指摘(2011年1月26日 NEWSポストセブン)
こういう人達の述べてることをそのまま実行した日には、日本が世界の危険要因になりかねないっつ~の。
多分、こうした人達は、企業や国が軍事産業に依存することのリスクについて無関心なんだろうな。
それで苦しむのは、たいてい国側なのだが・・・。
注:SIPRI の報告書では、日本の企業における軍事産業に分類される商品について以下の留保をつけている。
Arms sales figures for Japanese companies represent new military contracts rather than arms sales.
武器輸出三原則の建前上、日本の企業には国外で提供できる軍事産業に分類される商品に制限があるのを踏まえての留保だと思われるが・・・(適当)。
・09年の軍需売上高、トップ100社で33兆円 シンクタンク報告書(2011年2月21日 afpbb.com)
2009年度と言えば、世界的には景気が落ち込んだ時期。
しかし、軍事産業は非常に好況だったとかなんとか。
以下、2011年2月21日分 afpbb.com『09年の軍需売上高~』を全文(略
---- 以下引用 ----
【2月21日 AFP】
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(Stockholm International Peace Research Institute、SIPRI)は21日、軍需企業の世界トップ100社(中国企業を除く)の2009年の売上総額を発表した。
トップは米企業だった。
SIPRIの報告書によると2009年の売上総額は、2008年比8%(148億ドル、約1兆2300億円)増の4010億ドル(約33兆3000億円)で、うち61.5%を米国の45社が占めていた。
2009年の売上総額は2002年比では59%増となった。
トップ10社のうち、ロッキード・マーチン(Lockheed Martin)、ボーイング(Boeing)、ノースロップ・グラマン(Northrop Grumman)、ジェネラル・ダイナミクス(General Dynamics)、レイセオン(Raytheon)、L-3コミュニケーションズ(L-3 Communications)、ユナイテッド・テクノロジーズ(United Technologies)の7社が米国企業で、 ロッキード・マーチンが英BAEシステムズ(BAE Systems)をわずかに抜いて、世界の軍需企業のトップとなった。
また、軍需トップ100社のうち10社はアジアにあり、日本の企業が4社、インドの企業が3社だった。
中東の企業は7社がトップ100入りし、うち3社がイスラエルの企業だった。
中東とアジアを合わせた売上高は、世界市場の6%にあたる240億ドル(約2兆円)だった。
SIPRIは軍需産業の売上高を「軍への軍需物資やサービスの売上高で、国内調達分と輸出販売分の両方を含む」(注参照)と定義している。
中国は、正確なデータを取得できないために報告書から除外された。
---- 引用以上 ----
中国企業を除く、ね・・・。
実は、カザフスタンやウクライナの企業もランキングに入ってもおかしくない勢いだったらしい。
ただ、中国と同様の理由でランキングからは除外されたが・・・。
で、この報告書について少し触れておく。
報告書は↓
・The SIPRI Top 100 arms-producing companies, 2009(2011年2月21日 SIPRI)
ここでは、軍事産業に分類される商品(?)を以下のように分類している。
ただし、右側は略称。
・砲弾:A(artillery)
・航空機:Ac(Aircraft)
・電子機器:El(Eletronics)
・エンジン:Eng(Engines)
・ミサイル:Mi(Missile)
・軍事用車両:MV(Military Vehicles)
・銃火器と実弾:SA/A(Small Arms/Ammunition)
・サービス:Ser(Services)
・船舶:Sh(Ship)
・宇宙用:Sp(Space)
・その他:Oth(Other)
結構分野が広いのね・・・。
で、ランクインした日本企業は以下の4つ。
以下、2011年2月21日 SIPRI『The SIPRI Top 100』から、ランキングにいる日本企業の名前を(略
---- 以下引用 ----
77. NEC
59. 川崎重工(Kawasaki Heavy Industries)
44. 三菱電機(Mitsubishi Electric)
25. 三菱重工(Mitsubishi Heavy Industries)
---- 引用以上 ----
結構な規模の企業ばかりだな(苦笑)
で、以下、2011年2月21日 SIPRI(中略)から、軍事産業に分類される商品の売上高を(略
ただし、金額の単位は米国100万ドル、()内は総売上高に占める軍事産業に分類される商品の売上高の割合(単位 %)。
---- 以下引用 ----
77. NEC:770(2)
59. 川崎重工:1,110(9)
44. 三菱電機:1,950(5)
25. 三菱重工:2,810(9)
---- 引用以上 ----
まぁ、金額自体については、上位10社が突出している(子会社も含めると11社になるが)ので比較する意味もないが・・・。
俺が気になったのは、むしろ総売上高に占める軍事産業に(中略)売上高の比率か。
これが意味するのは、現時点では軍事産業に(中略)商品が日本の企業では総売上高に対しそれほど大きな割合を占めてないってことだ。
裏を返せば、今後日本の企業が軍事産業を「成長分野」と見込んで投資・拡大を図る余地が存在するってことだが・・・。
実際、2009年に米国政府が、武器輸出三原則の修正を日本政府に求めていたことが発覚したし。
それを受けたかどうかしらんが、DPJ 政権もそれに乗り気だったし・・・。
・「武器輸出三原則」見直しを検討 北沢防衛相が表明(2010年10月11日 asahi.com)
・武器輸出三原則見直し求める米公電暴露 ウィキリークス(2010年12月1日 asahi.com)
その上、一部の方々には、軍事産業を日本の「基盤産業」にするべき、なんて言う人もいるくらいだし。
・「子ども手当1年分で日本は空母を持てる」と櫻井氏指摘(2011年1月26日 NEWSポストセブン)
こういう人達の述べてることをそのまま実行した日には、日本が世界の危険要因になりかねないっつ~の。
多分、こうした人達は、企業や国が軍事産業に依存することのリスクについて無関心なんだろうな。
それで苦しむのは、たいてい国側なのだが・・・。
注:SIPRI の報告書では、日本の企業における軍事産業に分類される商品について以下の留保をつけている。
Arms sales figures for Japanese companies represent new military contracts rather than arms sales.
武器輸出三原則の建前上、日本の企業には国外で提供できる軍事産業に分類される商品に制限があるのを踏まえての留保だと思われるが・・・(適当)。