ブルーベリー狂想曲

岩手県紫波郡という寒冷地でノーザンハイブッシュを中心としたブルーベリーを育てています。

摘み取り園への道 ~その8~

2017-04-16 | 摘み取り園への道
それは取引先の方からの連絡だった。

取引先「知り合いの農家で土地貸したがってる人いるよ。1回見に行ってみる?」

場所を聞くと紫波町だったので、早速一緒に見に行く。
距離は自宅から7.5㎞。許容範囲内だ。
農家のお父さんが出迎えて土地まで連れて行ってくれる。

その土地を見た瞬間、ビビっと来た。良い感じ!

地主さん「もう畑もやってね~から、自由に使え」
ちけぞう「良いんですか?見た感じ300坪位ありますよ」

そこは雑草一つ生えていない、立派な畑だ。
トラクターで耕してはいるものの、何も植えていないらしい。

地主さん「良いよ。他にもこことここと(複数の土地紹介される。雑草生えているけど、耕せば使えそう)自由に使え」
ちけぞう「ありがとうございます!」
地主さん「トラクターも使って良いから」
ちけぞう「マジすか?トラクター運転できないけど・・・」
地主さん「地元の産直にも登録してるから、収穫出来たら俺名義で出品しても良いし」
ちけぞう「マジすか?(それ多分違反かも・・・でも小作人契約なら可能か?)」
地主さん「もうこの土地の周りは皆高齢で畑辞めちゃってな。。。あんたみたいな人、珍しいよ」
ちけぞう「よく言われますwww」

この後、紹介してくれた人にお礼を言ってその場を離れる。
雰囲気はタダで貸してくれる感じだったけど、それは俺が嫌なので年間2万でどう?と聞いてみる。
即OKの返事が。
後は自分が土地賃貸借契約書を作って持って行くだけ。

なんか少し見えてきた!!


つづく(次回更新不定期)。

摘み取り園への道 ~その7~

2017-04-16 | 摘み取り園への道
考えた末、俺は520坪400万の土地を断った。
また振り出しだ。


この頃から、仲の良い取引先の人にも「良い農地貸したい人居たら教えて下さい」と声掛ける。
まあ期待はしないけど。

ブローカーである居酒屋店長は土地を断っても親身だ。

店長「もうさ、俺の姉の土地で栽培するか?」
ちけぞう「えっ?どんな土地ですか?」
店長「矢巾町で300坪(俺の家から7.5㎞)だけど、杉の根があるから抜根費用が70万前後かかる」
店長「これをちけぞうさんが払うなら年間3万で貸すよ」
ちけぞう「借りる土地に70万か・・・」
店長「他には建設会社の社長の庭先に使っていない畑がある(200坪)。ここもOK出てるよ」
店長「建設会社だからトイレあり、駐車場あり、重機もある。年間5万ほどで貸してくれるかも」
ちけぞう「おおっ!今までで1番良い話ですね」
店長「最初は土地買わないで借りて、規模を大きくしたくなったら買って移植するのもアリだぞ」
ちけぞう「すぐに社長に挨拶に行きます!!」

もうここで決まりかな。
時間も無いし。。。

そう思った矢先に別の案件が急浮上した。


つづく。


摘み取り園への道 ~その6~

2017-04-16 | 摘み取り園への道
とにかく土地探しでつまずく俺のブルーベリー園計画。

2017年も4月になり、同時並行で他の事も進めなければ実現は難しくなる。
それは
・苗木の準備(全て接木で栽培)
・樹皮チップの準備(もし旧地目が「田」だった場合、土壌改良がかなり大変と思われる)
・重機の準備(横120㎝、深さ30㎝程掘り返し、そこに全面チップを埋めようと考えている)
・網を張る為の準備(これは3年後でも構わないので急がない事にする)
である。

妹の旦那さんの実家がブルーベリー園をやっていて、ティフブルー(岩手でも枯れない比較的寒さに強い品種)が沢山あるというので、100本送ってもらう。これで苗木はOK。
チップは盛岡の実家が農家がチップ業者を探してくれている。これもOK。
重機は兄貴が重機会社に勤めている。掘るのだけはOK。トラクターは実家から持ってくるしかない?
網は後回しだ!!


ブローカーである居酒屋店長から連絡入る。
店長「土地が2つ見つかったぞ。520坪で250万と山1つで100万だ」
ちけぞう「やっす!!なんで?」
店長「どっちも杉林なんだよ。。。お勧めは520坪250万だ。知り合いの業者使って立木処理30万、抜根90万、手数料30万の計400万で何とかする」
店長「100万は山なんだけど・・・向かいにもう1つ大きな山があって正直日当たりが良くない。お勧めしない」

520坪400万は家から4.5㎞程。一緒に見に行く。
土地の真ん中に小屋があり、両脇に杉が沢山生えている細長い土地。
正直「ビビッ」とは来ない。

店長「一部を駐車場、一部を抜根した根と杉の葉を捨てれば350~400坪程ブルーベリー栽培可能だ」
ちけぞう「考えます・・・」


400万を払ってまでブルーベリー園をやりたいのか、俺?
俺はどこへ向かって進んでいるんだ?
この頃から頭がぐっちゃぐちゃになる。なんか良く分からん・・・。

つづく

摘み取り園への道 ~その5~

2017-04-16 | 摘み取り園への道
<ここまでのおさらい>

俺は摘み取り園を開園したいんだ!
でもリーマンは農地を手に入れる事が出来ない!
農地を貸したいと思う人は居るかもしれないが、知り合いがいないんだ!


ここまで来て思ったこと。
・・・農地を借りる事は諦めよう。
宅地を買うんだ!!

矢巾の農地を紹介してくれたブローカー(本業は居酒屋店長)に相談。

店長「何も農地にこだわることはねぇ」
店長「安い土地はなんぼでもある。地目が「原野」とか「森林」とか「雑種地」とか、な」
店長「杉林を買って木を切って抜根して整地する方法だってある」
店長「問題は抜根費用だ。根処理は金が掛かるから大きな土地買って、一角に根を捨てるんだ」

とにかくこのブルーカーは親身になって聞いてくれる。
引き続き良い土地無いか探してもらう。


自分でも土地を探します。
石鳥谷町に300坪300万の土地発見!地目が「雑種地」だ。制限も無い!
すぐに不動産屋に電話。

不動産屋「あ~、今そこ太陽光の商談が入ってて、いつ融資の許可出るか分からないからそれが決まってからだね」

・・・なかなか上手く進まない。
同じく石鳥谷町に250坪350万の土地発見!しかし地目は「畑」・・・。
とりあえず不動産屋に電話。俺の思いを伝える。

不動産屋「宅地に変更する為に何かしないとダメだね。建物建てるとか」
ちけぞう「そんなん不要です。他に方法は?」
不動産屋「以前全面に砂利巻いて「駐車場」ってしたことあるけど・・・」
ちけぞう「せっかくの土地がダメになるばい・・・」


つづく。

摘み取り園への道 ~その4~

2017-04-16 | 摘み取り園への道
農業委員会、JAからは良い返事を得られなかったちけぞう(当然です)。
ここでコネを使った2つからそれぞれ進捗報告がありました。

盛岡の実家が農家:矢巾町に600万の土地あり(古民家、2反の田付き)
花巻の祭り好き:石鳥谷町に500坪の休遊地あり(ただ先方は貸したがってはいない)

まず盛岡の土地から。
これは土地ブローカーからの紹介という事。
矢巾町は紫波町より農地少なくても農家なれるという事。
でも農業委員会を通さないと当然ダメ。
・・・検討したけど難しい。。。

石鳥谷町の土地。
最高!ただ少し広過ぎる。
先輩が地主さんにまだ電話レベルでしか確認できていない。今度飲むからもう少し待って!と言われる。
・・・こっちが何とかなれば
先輩に「今度会う時に美味しい酒持って行って下さい!」とお願いする。




・・・石鳥谷の土地は結局地主さんがNGとの事で無くなります。
また振り出しだ(笑


つづく

摘み取り園への道 ~その3~

2017-04-16 | 摘み取り園への道
農地法で農地が持てないと初めて知ったちけぞう。


しかし懲りません。
次に行ったのは「コネを使う」です。

実家が盛岡市で農業を営む同僚に「なんか土地無い?」と相談。
花巻市のお祭りが大好きな先輩に「土地貸したい知り合いいませんか?」と相談。

同時並行でJAに突撃。
肥料(IB化成S1)を買うついでに「JAで農地とか貸してませんか?」と聞く。

JAの人「農業委員会に行くしかないね」
ちけぞう「やっぱり?」

農業委員会・・・。ネットで最近存在を知ったものの、正直敷居が高いイメージがありました。
だって収支計画書とか出さないとダメっぽいんだもん。

しかし、ここでくじけたら何も始まらない。
農業委員会に突撃。

ちけぞう「農地貸して欲しいんですけど」
農業委員会「新規で就農を考えているんですか?」
ちけぞう「いえ、リーマンやりながら小さなブルーベリー園やりたいんですよ」
農業委員会「(軽く鼻で笑いながら)紫波町で就農するには0.5ha必要ですよ」
ちけぞう「そんなに要らないです。150坪前後で」
農業委員会「(イタい人が来たな~って目で見ながら)難しいですね。ルールですから」
ちけぞう「やっぱり?」


これが2017年3月のやりとりです。
つづく。

摘み取り園への道 ~その2~

2017-04-16 | 摘み取り園への道
実家の地植えブルーベリー栽培が成功し、庭の鉢植え栽培も順調に育っている状況下で、(自分でブルーベリーの摘み取り園をやりたいな)という思いが次第に芽生えてきました。

とは言え、自分には何もありません。

ブルークロップ(後にレカと判明www)を購入してブルーベリーを育て始めた頃はペーペーだった自分も、今や管理職になり、息子2人も育てなければなりません。嫁もフルタイムで勤務しており、ただでさえ趣味の釣りやマラソン、トレイルランで迷惑を掛けているのにここにきて摘み取り園かよ!!と自分でも思います。

しかし、私は思ったら行動してしまう人間なのです

とりあえず適当にネットで土地を探していると「150坪 80万円」という土地がヒットしました。
自宅からは7㎞程離れていましたが、全然OK!と思い、早速不動産屋に突撃!!


ちけぞう「すみません、土地欲しいんですけど」
不動産屋「あ~、あの80万の土地ね。お宅農家?」
ちけぞう「いえ、リーマンです(きっぱり)」
不動産屋「じゃ、ダメだね(きっぱり)」
ちけぞう「えっ?なんでですか?」
不動産屋「あのね、この土地は地目が「畑」でしょ。「畑」「田」は農家さんしか持てないの」
ちけぞう「うそ~~~ん


つづく

摘み取り園への道 ~その1~

2017-04-16 | 摘み取り園への道
ここ何年もブログ放置していました。が、ブルーベリーは普通に育てています。
お久しぶりです、ちけぞうです。

普通どころか、相変わらずブルーベリーに没頭しています。
10年育ててこんなんだから、楽しい趣味と言えそうです。


しかし・・・趣味と言えなくなる日も近いかもしれません(笑


時々記事にもしていたのですが、実家のブルーベリーも管理しています。
実家のブルーベリーは全て地植えです。
親父が趣味で植える苗は、くそ不味いラビットアイ系(岩手県では本来の味が出ないと思われます)か、近所のホームセンターで買ってきたノーザンハイブッシュ系。
で、ラビットアイ系はほぼ元気に育ちます。ピートモスほとんど入れてないのに・・・強いね

それに対し、ノーザンハイブッシュ系はほぼ枯れます。
枯れないにしても、成長止まります。
そりゃそうだ、粘土状の土にピートモスほとんど入れずに育てようとしてもノーザンハイは育ちません。
唯一元気に育つのがウェイマウス。
なので、私が管理するまでは
・品種不明のラビットアイ系・・・約30本
・ウェイマウス・・・6~7本(立派に育ってました。ウェイマウス、美味いよ)
・枯れ木・・・10本
こんな感じでした。


自分が管理に携わるようになって、最初に行ったのはきちんと剪定する事でした。
するとラビットアイ系からは元気なシュートも出るようになり、ウェイマウスは小粒から中粒へと格上げになりました。

※ちなみにこの経験から、私の家の接木苗は全てウェイマウスが台木です。鉢栽培のラビットアイ系は根が寒さにさらされて死んでしまいますが、ウェイマウスは大丈夫です。レカより強いです。

次に行ったことは、ある程度土壌改良して新しい品種を植える事でした。
枯れている樹を掘り返し、ピートモス、樹皮チップ、もみ殻を入れてノーザンハイ系のレカを植えました。
しかし、大して大きくはなりませんでした(枯れはしないけど)。毎年500g程の収穫を今でも楽しんでいる、というレベルです。
(強健品種レカの成長不良を見て「地植え=ラビットアイ系の接木」以外生き残る道は無いと確信しました)


レカを植えたのと同時に、ラビットアイ系に接木をしていきました。
品種はアーリーブルーのみ。理由は晩生品種だとスズメバチが来るからです。

これが大成功!!
1本から数kgの大粒のアーリーブルーが取れるようになりました。
親父大喜び
「もっと接木してみるべ」と言われ、スパルタン、ハンナチョイス、キャラチョイス、オニールを接木しました。

これは成功と失敗が!!
ハンナチョイスは成功!!すんげー大きくなりました(樹高3mとか)。家族大喜びです。
スパルタンは普通!!正直アーリーブルーに劣ります。選んだ台木が悪かったか?
オニールは大成功!!甘くてねっとり。親父「これもっと増やそう!」
キャラチョイスは失敗!!大きくなったけど、完熟待たずに収穫するので「酸っぱい!!」と言われるwww
(摘み取り園はエリザベスやキャラチョイスのような「完熟=美味い」品種は向かないと悟りました)

こんなん繰り返す内に、実家のブルーベリー畑はアーリーブルー、ハンナチョイス、ウェイマウス中心の立派なブルーベリー畑になりつつあります。
今年もオニール、アーリーブルー、ペンダー、デニースを接木しました。
実家に摘み取りに来る人も出てきて、くそ不味いブルーベリー畑が見事に再生です。

そして思いました。
鉢栽培、地植えどちらも経験した自分なら小さなブルーベリー園を作れるんじゃないか、と。


つづく