KAAT神奈川芸術劇場での舞台「アドルフに告ぐ」を観て…
ネタバレがありますので、見たくない方は避けてください。
そして、なかなかまとまらず、とりとめなく書いてしまうので、すみません。
ものすごく重い、でも、ものすごく大切なテーマの舞台。
原作である、手塚治虫氏の漫画を読んだときは、正直ものすごく時間がかかりました。
だって、あまりにつらいシーンがたくさんあるので…。
でも、舞台を観る前に読んでいてよかった、と思いました。
そして、ものすごく生意気なことを言っている自覚はありつつ…
舞台は、「伝える」という意味で、また、「わかりやすさ」という意味で、
原作の更に更にその上をいっていた気がしました。
だって、壮大なストーリー。
多くの人たちが、この「大河ドラマ」のようなストーリーを、
いったいどうやって「舞台」にするのか…と言っていた、このお話。
そして、あの舞台…
本当にすごいと思いました。
たくさん心が震え、たくさん感じるところのある舞台でしたが、
私は、カウフマンとカミルが互いに銃を向けあい、殺し合うシーンが、一番哀しかった。
人間は、個々に思いがあり、人生があるのに、
戦争は、それらをすべてまるで初めからないものみたいにしてしまう。
すべての人間が感情を殺して、自分を殺して、国のため、民族のためと、
命を、人生を、大切な人を、犠牲にさせられてしまう。
戦争とは、人間が人間らしく生きる権利を奪ってしまうもの。
人と人を憎しみ合わせるもの。
それが最大の悪だと思った。
カウフマンは、最期、カミルに殺されることを選んだ。
ただもうすべてを終わらせたかっただけではなく、
もしかしたら、あれは、カウフマンなりの償いでもあったのかなと思った。
そして、最後のシーン、
「アドルフの娘マリア」が両肩に銃弾をかけているのに、2回目にやっと気づいた。
カウフマンは、子どもに戦いを教えるべきではない、世界中の子どもたちに殺しは正義だと教えたら、
人類はあっという間に絶滅するだろう、と言った。
カウフマンもまた、1人の「被害者」。
(でも、同時に、あまりに冷酷で残虐な「加害者」でもあるのが哀しい。)
幼い頃にまわりの大人たちに載せられたレールの上で、生きるしかなかった人生。
その中で、これが彼が最後に掴んだ答え、というのが、これもまた哀しい、と思った。
でも、アドルフ・カミルの娘マリアは、パレスチナで、子ども戦士となって、
自分たちがやっと手に入れた国を守るために戦うのだろう。
だって、それは、国を持たないがゆえに迫害され続けてきた彼らにとっての「正義」だから。
終わらない戦い、憎しみの連鎖、そして、それぞれの正義。
哀しい、哀しい、「負の連鎖」。
いつの時代にも大切なことを伝えているこの舞台。
でも、「今」演じられていることには、偶然を超えた、大きな大きな意味があるような気がしました。
すべての大人に、子どもたちに、ぜひ観てほしいと思いました。
そして、役者さんたちやスタッフの方々の熱い、熱い思いが、
ものすごい熱量となって伝わってくる、最高に幸せな舞台だと思いました。
この舞台に洋さんがご出演されていること、だからこそ、この舞台に出合えたこと…
心から感謝しています
ネタバレがありますので、見たくない方は避けてください。
そして、なかなかまとまらず、とりとめなく書いてしまうので、すみません。
ものすごく重い、でも、ものすごく大切なテーマの舞台。
原作である、手塚治虫氏の漫画を読んだときは、正直ものすごく時間がかかりました。
だって、あまりにつらいシーンがたくさんあるので…。
でも、舞台を観る前に読んでいてよかった、と思いました。
そして、ものすごく生意気なことを言っている自覚はありつつ…
舞台は、「伝える」という意味で、また、「わかりやすさ」という意味で、
原作の更に更にその上をいっていた気がしました。
だって、壮大なストーリー。
多くの人たちが、この「大河ドラマ」のようなストーリーを、
いったいどうやって「舞台」にするのか…と言っていた、このお話。
そして、あの舞台…
本当にすごいと思いました。
たくさん心が震え、たくさん感じるところのある舞台でしたが、
私は、カウフマンとカミルが互いに銃を向けあい、殺し合うシーンが、一番哀しかった。
人間は、個々に思いがあり、人生があるのに、
戦争は、それらをすべてまるで初めからないものみたいにしてしまう。
すべての人間が感情を殺して、自分を殺して、国のため、民族のためと、
命を、人生を、大切な人を、犠牲にさせられてしまう。
戦争とは、人間が人間らしく生きる権利を奪ってしまうもの。
人と人を憎しみ合わせるもの。
それが最大の悪だと思った。
カウフマンは、最期、カミルに殺されることを選んだ。
ただもうすべてを終わらせたかっただけではなく、
もしかしたら、あれは、カウフマンなりの償いでもあったのかなと思った。
そして、最後のシーン、
「アドルフの娘マリア」が両肩に銃弾をかけているのに、2回目にやっと気づいた。
カウフマンは、子どもに戦いを教えるべきではない、世界中の子どもたちに殺しは正義だと教えたら、
人類はあっという間に絶滅するだろう、と言った。
カウフマンもまた、1人の「被害者」。
(でも、同時に、あまりに冷酷で残虐な「加害者」でもあるのが哀しい。)
幼い頃にまわりの大人たちに載せられたレールの上で、生きるしかなかった人生。
その中で、これが彼が最後に掴んだ答え、というのが、これもまた哀しい、と思った。
でも、アドルフ・カミルの娘マリアは、パレスチナで、子ども戦士となって、
自分たちがやっと手に入れた国を守るために戦うのだろう。
だって、それは、国を持たないがゆえに迫害され続けてきた彼らにとっての「正義」だから。
終わらない戦い、憎しみの連鎖、そして、それぞれの正義。
哀しい、哀しい、「負の連鎖」。
いつの時代にも大切なことを伝えているこの舞台。
でも、「今」演じられていることには、偶然を超えた、大きな大きな意味があるような気がしました。
すべての大人に、子どもたちに、ぜひ観てほしいと思いました。
そして、役者さんたちやスタッフの方々の熱い、熱い思いが、
ものすごい熱量となって伝わってくる、最高に幸せな舞台だと思いました。
この舞台に洋さんがご出演されていること、だからこそ、この舞台に出合えたこと…
心から感謝しています