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島根県庁林業課林業普及スタッフからのお知らせ

四万十式作業路の講習会が開催されました 1

2007年06月29日 | 森林・林業関係者の皆さまへ
6月25日 高知県四万十町 田邊由喜男 林業政策監を迎え、四万十式道づくりの講演会を開催されました。
 島根県内においてもトータルコスト削減のため、作業の低コスト化のみでなく、作業路の低コスト化も課題となっており、今全国で注目を浴びている”四万十式道づくり”講演会ということもあり、県内から林業関係者95名が集まり注目の高さが伺われました。

   講師の高知県 四万十町 田邊林業政策監

 低コストで・自然災害に強く・維持管理費が安く・山を痛めない、4つのキーワードを道づくりの課題として、作業路を開設されており、比較的経験の浅い従業員でも作業が比較的取り組みやすい車両系のシステムで木材搬出を目指し実行しておられるようです。

当日の講演内容
  ・低コスト開設 → 切盛土量を抑える・狭い伐開幅等
●道づくりの課題 ・自然災害に強い → 水管理がポイント
・維持管理費が安い → 早期の植生回復
・山を痛めない
●悪い作業路の例:切り取り法面が長い →  山への進入がしずらい
土が乾燥する
勾配が一定勾配 → 水が1箇所に集中する
●目指している路網密度:200~250m/ha(道と道の間隔約40m)
路線形の取り方が課題では
●路線形を決定する時に心掛けていること
①上がったら下がる
②右に行ったら左に行く
③前に向かって路線決定するのでなく、後ろへ下がる
通らなければならない場所には目印のテープを
土は左右でなく前後に動かす
尾根を大きくカーブしながら距離を稼いで勾配を緩くする
目線を低くして路線決定
●水処理で心掛けていること
・ヒューム管・コルゲート等の構造物は使用せず洗い越しとする
← コルゲートは降雨の際、詰まって作業路が壊れる
水を受けるポイントと流すポイントをはっきりさせる
ため池にためて流れる部分に石積みをする
・カーブは外を低く内を高く(横断勾配をつける)
 ← 内が低いと水がたまる
・一定勾配としない(水切りをする・流速を早くしない)
●法頭・法じりに丸太を置いている(長材を横に並べる←転石の処理しやすい)
(ワイヤでアンカーに固定し、転圧している)
切株を30㎝程度の高さできることによって萌芽及び堀取り等が楽。

●盛土法面には、早期に植生を回復させるために表土や根株を盛る。

●町有林の作業
8人の作業員を以前は抱えていた。(内3名はチェーンソーも使ったこと無い)
    →誰にでも集材可能な車両系システムを目指す
 平成19年度からは森林組合従業員に雇用してもらってる(能力給)
市場との契約により、市場からトラックで作業道沿いに取りに来る。

年間22ha間伐(定性間伐30%間伐・40~45年生)
   +3ha群状択伐(尾根筋の台風被害地中心・50~60年生)
列状間伐取り組み無し(スイング・プロセッサ等導入できない)
高知の間伐 嶺北(H型集材) 香美森組(列状) 四万十(高密作業路網)

チェーンソ-伐倒・造材→グラップルウインチ(集材)→林内作業車(搬出) (AM2人)  (5tクラス) 2.5~3m3積み
年間3000m3/8人の生産を指示している。
 10m3/組・日の生産性を目指す。  4~6月実績 250m3/月

どんな機械をどんなシステムで使うかを考えて機械購入しなければ機械も動かない。今は町のシステムに合った機械を開発してもらっている。

作業路は10㎞/年・2セットを開設・2人組2セットの開設であり丸太組工法は人数的に困難。50~60m/日(最初は20~30m/日)
 開設コストは1700~2200円/m
    (S字カーブ・洗い越しの数が開設コスト増減の因子)
丸太組は1600円/㎡
現在は卵形の作業路の循環路となるよう森に道付けをしている。

木材市場2つ作った(管理は県森連)
所有者が軽トラで木材を持っていっても現金化できるシステムとしている。
(3m以下の木材も可)

作業路(森に近づく方法)を木材搬出だけの道でなく、1年間使える道へ
→森林を複合的に使う。森に入ってもらう。
グリーンツーリズム・木質バイオマス・森林セラピー等々

四万十式作業路≠道を張り巡らす
=森を作るための1つの手段
道づくり+搬出をどのような機械でどう出していくのか+市場でどのよ    うに売っていくかをトータルで考えること = 四万十式

大橋式丸太組作業路の取り組みはないのか?
四万十町においては、2人組で開設を行っており、山へ発電機や異形鉄筋を 持っていって作設することはほとんど無い。丸太組でなくても十分に強度は  確保できてると思っている。横木をワイヤで引っ張ることは行っている。

オペレーター・事前伐倒者の方へ
オペレーターと事前伐倒者との連携が重要。土の移動をどうするかを、オペ  レーターの人に地盤高の目印を示すようにして!

雨の日は作業路開設しない


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