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不動産受験新報20078月号 楽学宅建サブノート 民法の基本その2

2007-08-13 22:51:45 | Weblog
特集1 宅建マン管短期決戦スタート号
楽学宅建サブノート
民法の基本その2
住宅新報社講師 十影 響

第4章 代理
1 代理とは pp.50-52
 代理とは,本人以外の者が,本人に代わって法律行為を行い,その効果を本人に帰属させる制度である。
 代理には,「法定代理」と「任意代理」がある。法定代理は,本人の意思ではなく,法律に基づいて代理人や代理権の内容が決められる(第2章1保護者参照)。それに対し,任意代理では,代理権の範囲は本人から代理権を授与されたとき※に定められる。
※任意代理は委任契約によることが多いが,雇用や請負契約などによる場合もある。
〈任意代理の場合〉
③代理行為の効果帰属(本人が相手方と契約したことになる)
       本人     相手方  
①代理権の授与
             ②代理行為
       代理人 (本人に代わって相手方に意思表示をし,相手方から意思表示を受ける。)
2 代理行為の瑕疵 pp.50-52
 代理では,代理人が意思表示を行うので,詐欺・強迫による取消し,錯誤・虚偽表示・心裡留保による無効については,原則として,代理人を基準に判断する。つまり,代理人の善意・悪意,過失の有無で判断される。
(1) 代理人が詐欺・強迫を受けた場合
 
取り消せる
 本人―― 相手方
 |    詐欺・強迫
 代理人
代理人がした行為は本人に効果が帰属し,本人がしたことになるので,代理人が詐欺または強迫を受けた場合は,本人が詐欺または強迫を受けて契約をしたものと扱われる。契約を取り消せるのは本人である。代理人ではない(代理人が取り消せるかどうかは代理権の範囲により決まる)。
(2) 代理人が相手方と錯誤(代理人に重過失がない)に基づく契約をしたとき
 
無効を主張できる
 本人―― 相手方
 |     錯誤・虚偽表示
 代理人
代理人が錯誤(代理人に重過失がない)や虚偽表示に基づく契約をした場合は,本人が相手方と錯誤や虚偽表示に基づく契約をしたものと扱われる。無効を主張できるのは本人である。
(3) 代理人が錯誤により契約し,第三者が現れた場合
 
第三者に無効を主張できる
 本人―相手方―第三者
 |   錯誤
 代理人
代理人が,錯誤(代理人に重過失がない)により契約をした場合は,本人が錯誤により契約をしたものと扱われる。@錯誤の無効は,第三者の善意・悪意を問わず,主張できるので,本人は,第三者に無効を主張できる。
(4) 例外・悪意または善意有過失の本人の指図により代理行為が行われた場合
 
悪意,善意有過失
 本人―― 相手方
 |
 代理人
善意無過失
代理人が,本人の指図に従って,特定の法律行為をしたときは,代理人が善意無過失であっても,本人が悪意または善意有過失のときは,代理人が善意無過失であることを主張できない。このため,無効の主張や取り消すことができない場合がある。
3 代理人が顕名しなかった場合 
 代理人は本人のためにすることを相手方に示さなければならない(顕名)。代理人が顕名しなかった場合は,原則として,代理人自身が契約したとみなされる。pp.54-56
 
代理人が本人のためにしていることについて,相手方が善意無過失のとき 相手方と代理人の間で契約成立
代理人が本人のためにしていることについて,相手方が悪意または善意有過失のとき 相手方と本人の間で契約成立
4 本人を害する代理行為の禁止
 自己契約(代理人自ら契約の相手方になること)や双方代理は,代理人が自分の都合のいいように契約をまとめ,本人の利益を害する可能性があるので,原則として禁止されている。自己契約や双方代理が行われた場合,無権代理行為として,本人にその効果は帰属しない。
 ただし,本人(双方代理では双方の本人)の承諾がある場合(事前でも,事後でもよい)や債務の履行(登記申請や公正証書の作成)の場合は,例外的に認められている。pp.56-58
5 代理人は行為能力者でなくてもよい
 代理人は意思能力さえあれば,行為能力者でなくてもよい。したがって,本人が,制限行為能力者を代理人にした場合は,行為能力の制限を理由にして,代理行為を取り消すことはできない。制限行為能力者を代理人にしたのは本人自身なのだから自己責任である。
 また,制限行為能力者が代理行為をするのに,保護者(未成年者の法定代理人,保佐人,補助人)の同意を得ていなかったとしても,代理行為は本人に帰属するのであって,代理人には帰属しないから,制限行為能力者である代理人の不利益にはならない。pp.58-59
6 権限の定めのない代理人 p.60
 代理権の権限が具体的に定められていない場合や範囲が不明確な場合,代理人は,①保存行為(修繕などの現状維持),②利用行為(家の賃貸などで収益を図る行為),③改良行為(価値を高める行為など)をすることができる。
 ただし,②③については,代理の目的物である物または権利の性質を変えない範囲内でという限定条件がついている。
7 代理権の消滅事由 pp.61-62
 本人に後見開始があっても代理権は消滅しないこと,法定代理では本人について破産手続開始の決定があっても代理権は消滅しないこと,この2つを覚えておけば十分。
 
死亡した 破産手続開始の決定 後見開始の審判
本人 消滅する 消滅する@(法定代理では消滅しない) 消滅しない
代理人 消滅する 消滅する 消滅する※
※この場合は,行為能力者である代理人が制限行為能力者になったときの規定である。任意代理の場合は,制限行為能力者でも代理人にすることができるが,このことと混同してはならない。
8 復代理 pp.63-66
 復代理人とは,代理人が自己の権限内の行為を行わせるために選任した代理人をいう。代理人に選任されたといっても,復代理人は「本人の代理人」であり,その代理行為の効果は本人に帰属する。
 また,復代理人を選任しても,代理人の代理権が消滅することはなく,代理人の代理権と復代理人の代理権が並存する。ただし,代理人の代理権が消滅すると,復代理人の代理権も消滅する。
 
復代理人の選任(代理人の責任)
任意代理の代理人 原則として,選任できない。ただし,本人の承諾がある場合ややむを得ない事情がある場合は,選任できる(代理人は,復代理人の選任・監督について,責任を負う)。
法定代理人 いつでも選任できる(法定代理人は,全責任を負う)。
9 無権代理 pp.66-71
 代理権がないのに代理行為をすることを無権代理※という。代理権がない以上,その代理行為の効果は本人には帰属せず,契約は成立しない。
※「本人から代理権を授与されていないのに代理行為を行う場合」だけでなく,「代理権の範囲を超えて,代理行為を行う場合」も無権代理である。
(1) 本人の取りうる手段―追認と追認拒絶 pp.66-67
 無権代理では,本人に効果が帰属しない(契約が成立していないので,その意味で,無効といわれることがある)ので,放置しておいても,当面,問題は生じない。
 しかし,本人が,効果を帰属させたい(有効なものにしたい)のであれば追認を,また,後々何か問題が生じると困ると思うのであれば,追認拒絶をすることができる。
①追認の効果
 本人が追認すると,別段の意思を表示しない限り,代理行為の効果は行為時に遡って本人に帰属し,契約は有効なものに確定する。
②追認拒絶の効果
 無権代理行為の効果が本人に帰属しない,つまり無効であることが確定する。
③追認,追認拒絶の方法
 本人が相手方に対してしなければ,その相手方に対抗できない(追認や追認拒絶したことを主張できない)。ただし,無権代理人に対してした場合でも,相手方がその事実を知ったときは,相手方に対して追認または追認拒絶の効果を主張することができる。
(2) 相手方の取りうる手段―催告,取消し,無権代理人の責任追及 pp.68-69
 相手方が,無効とも有効とも確定しない宙ぶらりんの状況から脱したいと思うとき,取りうる手段としては次の3つがある(このほかに表見代理がある)。
①催告
 相手方は,本人に対して,相当の期間を定めて,追認するか否かを催告することができる。本人から確答がなければ,追認を拒絶したものとみなされる。p.68
 
無権代理人の相手方の催告に,本人から確答がない。 本人は追認拒絶したとみなされる。
制限行為能力者の相手方の催告に,保護者から確答がない。 制限行為能力者側は追認したとみなされる。
 
②取消し
 相手方が無権代理行為について善意(過失の有無は問わない)であり,本人の追認がない間は,無権代理行為を取り消すことができる。p.68
 
本人の追認前 相手方は取り消せる。
本人の追認後 相手方は取り消せなくなる(本人が追認すれば,契約は有効に確定する)。
③無権代理人の責任追及
 相手方が無権代理行為について善意無過失であり,本人から追認が得られないとき(または追認拒絶があったとき)は,無権代理人に対して,履行または損害賠償請求をすることができる。p.69
 ただし,無権代理人が制限行為能力者のときは,無権代理人の責任を追及することができない。
 
相手方の要件
催告 善意,悪意を問わない。
 
取消し 善意であればよい(善意無過失・有過失)。
無権代理人の責任追及 善意無過失でなければならない。
※相手方が善意無過失のときは,取消しをすると無権代理による契約自体がなかったことになるので,無権代理人の責任を追及することはできない(通説)。
10 表見代理 pp.71-74
 無権代理行為であっても,相手方がその代理権があると信じ(善意無過失),それについて本人にも一定の帰責事由がある場合に,無権代理行為の効果を本人に帰属させることで,本人に責任をとってもらおうというのが表見代理である。
(1) 表見代理の主張 pp.71-73
 無権代理行為であっても,以下の場合,相手方は,表見代理を主張して,契約が有効に成立したと主張できる。
 
①権限外の行為の表見代理 代理人が権限外の行為をした場合に,その代理権があると信ずべき正当な理由が相手方にあるとき
②代理権消滅後の表見代理 代理人の代理権が消滅していたのに,相手方が代理権が消滅したことについて善意無過失のとき
③代理権授与の表示による表見代理 本人が代理権を与えた旨を相手方に表示(通知)していたが,実は代理権は授与されていなかった。相手方がこのことに善意無過失であるとき
※この3つの類型が組み合わさって,表見代理が成立することもある。
(2) 善意無過失の相手方の取りうる手段
 無権代理行為について善意無過失の相手方は,催告,取消し,無権代理人の責任追及,表見代理の主張の4つのうち,どれでも,自由に選択できる(判例)。p.74
〈相手方が無権代理行為についての善意・悪意で,取りうる手段の違い〉
 
催告 取消し 無権代理人の責任追及 表見代理の主張
善意無過失 ○ ○ ○ ○
善意有過失 ○ ○ できない できない
悪意 ○ できない できない できない
第5章 時効
 時効とは,長期間にわたる事実状態を法的に認めて,権利の取得や消滅について確定させる制度である。「誰の土地なのか分からない」,「債務があるのかどうか不明」では社会的に混乱も生じる。時効制度は,このようなときに,権利関係を確定させて,社会秩序の安定を図っているのである。
 時効には,「取得時効」(一定期間,占有などを継続すると,権利を取得する)と「消滅時効」(一定期間,権利を行使しないと権利が消滅する)の2つがある。
1 時効の援用と時効利益の放棄 p.76
 時効の利益を主張するか放棄するかは本人の自由である。
(1) 時効の援用
 時効の効果(権利の取得や消滅)は,単に事実状態が一定期間経過しただけでは発生せず,時効の援用※があってはじめて発生する(権利関係の変動が確定する)。つまり,時効により利益を得る者がその旨の意思表示をしなければ,時効の効果は生じない。
※時効は,当事者が援用しなければ,裁判所がこれによって裁判をすることはできない。
 
時効の完成(時効期間の経過)+当事者の時効の援用 ⇒ 時効の効果が発生
時効の起算点 時効期間の経過 時効の援用
 ○――――――○――――――○
       時効の完成   ↓
時効の効果が発生
(2) 時効利益の放棄
 時効完成後に,その利益を放棄することを時効利益の放棄という(この放棄は裁判外でもできる)。
 なお,時効完成前に時効利益の放棄をすることは禁止されている。
(3) 援用権の喪失
 消滅時効の完成後に債務の承認をした場合,相手方では,債務者が時効の援用をしないと期待するから,信義則上,もはやその債務について時効の援用をすることはできなくなる。
2 時効の遡及効 pp.77-78
 時効の効力は,起算日にさかのぼる。
 
取得時効 起算日にさかのぼって権利を取得したことになる。
消滅時効 起算日にさかのぼって消滅していたことになる。
3 時効の中断事由(時効を完成させない方法)pp.79-81
 時効の中断とは,一定の中断事由があると,これまでの時効期間はリセットされ,初めからやり直しになること(振り出しに戻る)をいう。つまり,中断事由の終了時を起算点とする新たな時効期間が開始されることになる。
 
         (1)請求〔裁判上の請求※1,催告※2(裁判上の請求以外のもの)〕
時効の中断事由  (2)差押え,仮差押え,仮処分
         (3)承認〔債務の承認※3〕
※1 裁判上の請求をして,訴えを取り下げたり,却下されると,時効の中断はなかったことになる(当初の起算点からの時効期間が進行していたことになる。以下,同じ)。
※2 催告は口頭でもよい。催告により,いったん時効は中断するが,催告後6カ月以内に裁判上の請求や差押えなどをしないときは,時効の中断はなかったことになる。
※3 承認とは,債務者が利息を払う,一部弁済をする,支払猶予を願い出るなどのことをいう。
〈被保佐人の場合〉
 
時効利益の放棄 処分に該当するので,保佐人の同意が必要。
債務の承認@(時効中断) 保佐人の同意がなくてもできるが,承認すると取り消せない。※
※未成年者が法定代理人の同意を得ずに承認したときは,後から取り消すことができる。
4 取得時効 pp.82-85
(1) 時効期間
 
短期取得時効 占有開始時に,善意無過失 10年
長期取得時効 占有開始時に,悪意または善意有過失 20年
(2) 起算点
 
所有権の取得時効の起算点 占有の開始時
所有権以外の権利※の取得時効の起算点 自己のためにする意思をもって財産権の行使を開始したとき
※地上権,地役権,永小作権,質権,不動産賃借権(転借権も含まれる)。
(3) 所有権の取得時効 pp.82-84
1) 時効によって所有権を取得するには,一定期間,①所有の意思をもって,②平穏・公然に占有を継続することが必要。占有を中止したり,他人に占有を奪われたときは,取得時効は中断する。
2) 善意無過失か,善意有過失・悪意かは,占有開始時点で判断する。(例)占有開始時点で善意無過失であれば,途中で悪意になっても,善意無過失の占有を継続していたものと扱われる。
3) 前の占有者(何人でもよい)の占有期間も合算して主張できるが,その場合,前の占有者の善意・悪意,無過失・有過失を引き継ぐ。
4) 賃貸借契約の目的物については,所有権を時効取得することはない。しかし,占有の性質の変更があった場合は,所有権を時効取得することがあり得る。
(4) 所有権以外の取得時効 pp.84-85
1) 時効によって,所有権以外の財産権を取得するには,一定期間,①自己のためにする意思をもって,②平穏・公然に権利を継続して行使(占有を伴う権利では占有)することが必要。
2) 地役権は,継続的に行使され,かつ外形上認識することができるものに限り,時効によって取得することができる。
3) 賃借権は,目的物の継続的な用益という外形的な事実が存在し,かつ,その用益が賃借の意思に基づいているものであることが客観的に表現されていて,賃料の支払いを継続しているときに,時効によって取得することができる。
5 消滅時効 pp.86-87
 
消滅時効(下記以外)@ 債権 10年
債権・所有権以外の財産権※1 20年
短期消滅時効 特に法令で定められた債権※2 (民法)1年,2年,3年のものがある。
※1 所有権は消滅時効にかからない。地上権,地役権,永小作権は消滅時効の対象になる。
※2 短期消滅時効が定められている債権も,時効消滅前に訴えて,確定判決が出た後は,時効期間は10年に延長される。
 
消滅時効の起算点 権利を行使することができる時から進行する。

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