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備忘録 「病気のこと 本のこと 映画のこと」 

東野圭吾 「回廊亭殺人事件」 光文社文庫

2015年10月27日 | 
東野圭吾の20数年前の作品。

今でも十分楽しめる。

が、物語的には無理があるし結末もちょっとすっきりしない。
トリックというか小説的には面白いが。

30代なのに復讐のために老婆本間菊代に化けて旅館回廊亭に出向いた枝梨子の1人称で書かれている。

その半年前にそこで起きた無理心中と火災。殺されかけた枝梨子。
その真相を探り復讐するために菊代に化け回廊亭に。
そこでは一代で富を築き亡くなった高顕の遺言状が一族の前で公開されることになっていた。

遺産がらみと復讐の殺人事件が続く。
枝梨子の正体がばれそうになりながらも話は続く。

ミステリーのあらすじを詳細に書くのは面倒なので・・・

最後は枝梨子を殺そうとした弘美(枝梨子の恋人を偽装し遺産目当てに高顕の子供二郎に成りすましていた)に復讐を果たす。

ちょっと後味はわるい作品でした。

レミケード16回目

2015年10月21日 | 日記
もう2年になる。
ここの所、大きな変化なし。
体調も病状も。
血液の数値も。
この治療も。
薬の量も

だからあんまり書くこともないや。

強いて言えば体重の増加とともに血圧も上がってきたこと。
投薬の際に初期の40ml/hの時間が長くて後半の点滴ピッチを早めてもらったくらいかな?


書くことがないのは元気な証です。

神永学 「心霊探偵八雲 ANOTHER FILES 裁きの塔」 角川文庫

2015年10月10日 | 
山梨生まれの神永学の「心霊探偵八雲」シリーズ12作目。
僕にとってはシリーズ2作目。作家的には間に「イノセントブルー 記憶の旅人」を読んでいるので3作目となる。

前回読んだこのシリーズの「祈りの棺」より、この作品の方が好きだなぁ。
霊の存在を感じさせながらも、かかわりが少なく、主人公八雲をはじめ登場人物の内面を深く描き、リアルな物語になっている。
憑依してなにかしたりどこに霊の存在が出てくるのだろうと思ったくらいで、霊が登場しなくても成り立ってしまうのではないこと思ってしまう。
そうなると心霊探偵八雲シリーズ外になってしまいますね。

八雲たちが通うキャンパスの時計塔の中の鏡の前に立つと死者と再会できるという伝説。
八雲と仲のよい晴香が友人花苗から心霊現象の相談を受ける。
その花苗が殺害され晴香が容疑者として逮捕されてしまう。
晴香を信じて真実を突き止めようとする、八雲、刑事の後藤と石井それに新聞記者の真琴。

花苗と同じサークルで3年前前に時計塔で自殺した少女。
その少女の自殺の理由が事件の鍵となる。
少女らは交通事故を起こし、歩行者の母子を死なせてしまうが、偽装して別な犯人を仕立てあげ平然と生活していた。
その旦那である教授と妹である花苗、仕立てあげられた犯人も絡んでの復讐劇。

人を信じることの難しさ、大切さ。
「先の見えない未来を予測して悩むより、自分の信じる結果にたどり着けるように前に進む方が楽しいだろう」
いつもの通り八雲が謎解きをし真実を突き止め晴香の疑いが晴れる。

八雲と晴香の距離が縮まった作品。

シリーズ物ではあるが過去のものを読んでいなくても楽しめるものいい。