三多摩の鐘

The Bells of San Tama -関東のキリスト教会巡り-

聖公会の主日礼拝(聖餐式)

2012年12月21日 | 聖公会の礼拝
1918年竣工の立教大学モリス館
(住所:東京都豊島区西池袋3-34-1)

12月16日(日)、礼拝の厳かな雰囲気と、聖歌の魂を揺さぶる調べに惹かれて、今週も立教大学のチャペルで降臨節第3主日の聖餐式に参列した。大正時代に建てられた礼拝堂に入ると、まず中央に聖卓が見える。そこは聖所と呼ばれ、最奥に「聖障」のような装飾壁(Reredos)があり、十字架の左右に各3本の燭台が置かれている。聖卓正面の右に聖書朗読台、左に説教壇、礼拝堂の後方には洗礼盤がある。荘重な空間の中で、私は心を静かに整えた。

午前10時、入堂が厳かに始まる。乳香の煙が漂う。福音朗読(ルカ3・7-18)の前に、聖歌「おいでください、世の救い主」を歌う。マルティン・ルター作の讃美歌である(『讃美歌21』では229「いま来たりませ」)。八木正言司祭(立教大学チャプレン)は、「御降誕を待ち望むのに、なぜ祭服が紫色なのでしょうか。それは悔い改めと関係があるようです。悔い改めは、私たちと共に歩まれる神へ心を移すこと。その御方が地上に来られる喜びへの招きと言えます」と話された。

懺悔(回心)の後、聖餐となった(注)。司祭がパンと聖杯を奉挙する所作は、カトリックの「聖変化」の瞬間に酷似する。「聖公会における聖餐とは、極めて論ずることの困難な主題」というが、そこには「パンとぶどう酒の『実体変化』によるキリストの臨在」が含まれているのだろうか。機会があれば、チャプレンにお尋ねしたいと思う。なお、この日の聖餐式ではハンドベルの美しい音色が花を添えた。立教大学の学生団体ハンドベルクワイアの礼拝奉仕である。


礼拝堂内観


礼拝堂外観

◆聖餐式で歌われた聖歌:
ミサ曲譜3-a(キリエ、サンクトゥス、アニュス・デイ)、入堂聖歌:236「あけぼのを知らせる」、59「おいでください、世の救い主」、奉献聖歌:62「谷間にとどろく」、派遣聖歌:65「ああイマヌエルよ」。(番号は「日本聖公会聖歌集」による)

◆主な参考文献など:
・「聖公会の礼拝と祈祷書」 森紀旦編(聖公会出版・1989年)

(注):もちろん、未受洗者は陪餐(拝領)できない。ただし、「祝福の祈り」を受けることは可能である。
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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2013-01-21 16:37:44
聖公会のミサは化体説(実体変化)ではないです。様々な考えを持つ人が混在するという聖公会の特徴に従い、あえて特定の考えは示されませんが、それでも宗教改革を経た教会なので、ルター派同様の共在説を取るのが一般的です。ご聖体がキリストの肉に変わるのではなく、聖別と同時にご聖体を依り代にしてキリストの霊が完全に顕現するという考えです。
はじめまして。 (エウティコ)
2013-01-23 20:49:36
ご教示、誠にありがとうございました。

実は今週(1/20)も立教大学チャペルで主日礼拝に参列したのですが、聖餐の考えが分からなかったので、「参列」とは言い難く、「見学」だったかもしれません。

礼拝後、チャプレンにアタックしようとしたのですが、何となくタイミングを逸してしまった次第です。なお、この日の聖餐式の印象は、明日(1/24)公開の記事で取り上げる予定です。

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