飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

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プーチン大統領は来年春の大統領選を乗り切れるのか?

2017年05月17日 13時40分00秒 | Weblog
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ロシアのプーチン大統領はこのところ、反プーチン派の相次ぐデモに見舞われ、足元が揺れ出しているように見える。来年3月の次期大統領選挙まで1年を切り、国民の間でプーチン大統領に、更に6年間国政を委ねることへの不安感がジワジワ広がっているのではないだろうか。

その大きなきっかけになったのは、メドベージェフ首相の豪勢な生活が暴露され、政府要人の異常な蓄財や腐敗が国民の怒りをかったことだ。この動画をネットで公表し、庶民の心に火をつけたのは、反プーチン派の野党指導者でブロガーのナバリヌイ氏だ。プーチン政権から執拗な攻撃を受け、何度も逮捕されているが、決して諦めない闘士である。

彼が呼び掛けてロシア各地で反政府デモが行われているうちに、これまで無関心だった若者たちをも巻き込んで、「新たな抗議の波」が起きている。その中には、十代の少年たちも含まれ、幅広い層の人たちが加わって雪だるま式に広がりつつある。

その背景には、原油の価格低下や西側の経済制裁による、経済の負のスパイラル現象があり、国民の間で所得格差がますます広がっていることが響いている。特に若者の間で「中東の春」の過程で起きたような、就職難など将来への不安が深刻化していることが挙げられる。

それにもかかわらず、プーチン政権への支持率が高いのは、日本の安倍首相と同様に、プーチン大統領に取って代わる指導者が出てこないからである。ロシアの場合は、プーチン氏に取って代わりそうな指導者が出てくると、あらゆる手段を使って政界から追放してしまう、あるいは刑務所に閉じ込めてしまうという手荒い手段を取ることが少なくない。

こうした政治家でプーチン氏に代わり得る人物がナバリヌイ氏以外にいるだろうか。その人物こそ、何年も刑務所に閉じ込められ、ようやく欧州に亡命したプーチン大統領の政敵、ホドルコフスキー氏である。彼は今も虎視眈々とロシア政界への復帰を狙っている。

こうした情勢にプーチン政権側も危機感を感じたためか、次期大統領選の投票日をクリミア半島のロシア編入記念日である3月18日にぶつけるよう画策している。4年前のこの日は、プーチン大統領が住民投票の結果を踏まえ、クリミア編入を内外に宣言した日である。この編入宣言でプーチン大統領の支持率が跳ね上がっただけに、この日を投票日にして大統領選を乗り切る構えとみられる。

その一方、反プーチン派のデモ攻勢が今後さらに強まれば、ホドルコフスキー氏がロシアに帰国し、ロシア革命時の「レーニンの帰還」のような状況が再び起こらないとも限らない。「なんでもあり」のロシアだけに、今後の成り行きをじっくり見守りたい。(この項おわり)
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