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帝政ロシアを倒し、人類史上初めて社会主義政権を樹立した1917年11月7日から今年で100年。これを記念して様々な書籍や論文が出ているが、ロシア人自身はどう考えているのか。それに応える世論調査の結果が10月12日付けのコメルサント紙に掲載された。
この調査は、全露世論調査機関が行ったもので、まず「革命は誰の利益になったのか」との質問を問いかけている。回答は「ロシア社会の多数の人の利益になった」という意見と、「少数派の人たちの利益になった」という意見がともに46%で、見方が真っ二つに割れている。無回答は8%だった。
続いて、革命の主な原因は何か、という質問に対し、①「国民が苦しい状況にあった」が45%②「政権が弱いから」が20%③「ロシアの敵国の陰謀」が12%の順だった。この後、革命の評価を質問したのに対し、積極的に評価している人が61%。このうち「社会的経済的発展に刺激を与えた」と評価している人が38%だった。それに対し、「発達にブレーキをかけた」が14%、「国家が悲惨な状態になった」が13%だった。
最後に、現在、ロシア人の92%が「国内で革命は決して容認しない」と答えており、63%が「国家には安定が必要だ」としている。そして国家の安定はプーチン大統領が守れると考えている人が90%に達していて、「安定を守れない」と見ている人は7%だけだという。
この結果についてコメルサント紙は「100年経ってもロシア革命に対する評価は真っ二つに割れていて、国民の和解には至っていない」と総括している。
プーチン大統領の支持率が依然として高いのも、社会の安定を維持してくれることへの国民の信頼感が強いからだろう。そのためには、強権的な政治もやむを得ないというのが国民の本音かもしれない。100年経っても、革命のトラウマは消えていないということだろうか。(この項終わり)
帝政ロシアを倒し、人類史上初めて社会主義政権を樹立した1917年11月7日から今年で100年。これを記念して様々な書籍や論文が出ているが、ロシア人自身はどう考えているのか。それに応える世論調査の結果が10月12日付けのコメルサント紙に掲載された。
この調査は、全露世論調査機関が行ったもので、まず「革命は誰の利益になったのか」との質問を問いかけている。回答は「ロシア社会の多数の人の利益になった」という意見と、「少数派の人たちの利益になった」という意見がともに46%で、見方が真っ二つに割れている。無回答は8%だった。
続いて、革命の主な原因は何か、という質問に対し、①「国民が苦しい状況にあった」が45%②「政権が弱いから」が20%③「ロシアの敵国の陰謀」が12%の順だった。この後、革命の評価を質問したのに対し、積極的に評価している人が61%。このうち「社会的経済的発展に刺激を与えた」と評価している人が38%だった。それに対し、「発達にブレーキをかけた」が14%、「国家が悲惨な状態になった」が13%だった。
最後に、現在、ロシア人の92%が「国内で革命は決して容認しない」と答えており、63%が「国家には安定が必要だ」としている。そして国家の安定はプーチン大統領が守れると考えている人が90%に達していて、「安定を守れない」と見ている人は7%だけだという。
この結果についてコメルサント紙は「100年経ってもロシア革命に対する評価は真っ二つに割れていて、国民の和解には至っていない」と総括している。
プーチン大統領の支持率が依然として高いのも、社会の安定を維持してくれることへの国民の信頼感が強いからだろう。そのためには、強権的な政治もやむを得ないというのが国民の本音かもしれない。100年経っても、革命のトラウマは消えていないということだろうか。(この項終わり)