飯島一孝ブログ「ゆうらしあ!」

ロシアを中心に旧ソ連・東欧に関するホットなニュースを分かりやすく解説します。国際ニュースは意外に面白い!

ロシア革命100年、今ロシア人は革命をどう評価しているのか?

2017年10月14日 16時38分12秒 | Weblog
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帝政ロシアを倒し、人類史上初めて社会主義政権を樹立した1917年11月7日から今年で100年。これを記念して様々な書籍や論文が出ているが、ロシア人自身はどう考えているのか。それに応える世論調査の結果が10月12日付けのコメルサント紙に掲載された。

この調査は、全露世論調査機関が行ったもので、まず「革命は誰の利益になったのか」との質問を問いかけている。回答は「ロシア社会の多数の人の利益になった」という意見と、「少数派の人たちの利益になった」という意見がともに46%で、見方が真っ二つに割れている。無回答は8%だった。

続いて、革命の主な原因は何か、という質問に対し、①「国民が苦しい状況にあった」が45%②「政権が弱いから」が20%③「ロシアの敵国の陰謀」が12%の順だった。この後、革命の評価を質問したのに対し、積極的に評価している人が61%。このうち「社会的経済的発展に刺激を与えた」と評価している人が38%だった。それに対し、「発達にブレーキをかけた」が14%、「国家が悲惨な状態になった」が13%だった。

最後に、現在、ロシア人の92%が「国内で革命は決して容認しない」と答えており、63%が「国家には安定が必要だ」としている。そして国家の安定はプーチン大統領が守れると考えている人が90%に達していて、「安定を守れない」と見ている人は7%だけだという。

この結果についてコメルサント紙は「100年経ってもロシア革命に対する評価は真っ二つに割れていて、国民の和解には至っていない」と総括している。

プーチン大統領の支持率が依然として高いのも、社会の安定を維持してくれることへの国民の信頼感が強いからだろう。そのためには、強権的な政治もやむを得ないというのが国民の本音かもしれない。100年経っても、革命のトラウマは消えていないということだろうか。(この項終わり)
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「安倍首相がビザなし訪問簡素化を大感謝」とロシア側が報道!

2017年09月08日 14時46分33秒 | Weblog
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 安倍首相とプーチン大統領は7日、ウラジオストクで首脳会談を行い、そのあと共同で記者会見した。タス通信はこの会見について「安倍首相は北方四島へのビザなし訪問の手続きの簡素化をロシア語で大感謝した」と伝えた。国営通信社のタス通信が北方領土返還問題については触れず、ビザなし訪問の手続きに特化して大きく報道した裏には、領土問題を意図的に小さくしようというロシア政府の狙いと、それにやすやすと乗っかった首相の安易さが感じられる。

 この記事は、記者会見で発言している安倍首相の写真をアップにし、「首相はプーチン大統領に対し、ロシア語で『ウラジーミル、大変ありがとう』と感謝」の見出しをつけている。さらに、この記事によると、首相は「これは旧島民からの感謝の言葉である」と旧島民自身がそう言って感謝していることを示唆。さらに、首相は手続きの簡素化について「120%満足している」と述べたとされる。

 記事では続けて、8月30日に旧島民57人が歯舞諸島の一部の島をビザなしで訪問したことを報じ、「以前のビザなし訪問に比べ、行程が6時間も短縮された」と強調している。だが、これは船の航路の問題で、手続きの簡素化の一部に過ぎない。それを誇張して伝えると同時に、日本全体がロシア側にこの件で感謝しているような表現になっているのは解せない。

 安倍首相はプーチン大統領が昨年暮れ、訪日し、北方領土での共同経済活動を提案、事実上、北方領土問題を先送りにして以来、北方四島へのビサなし訪問の簡素化をしきりにロシア側に要求しているように感じられる。そのため、会見の席でロシア側に簡素化について感謝の言葉を述べたのだろうが、これではロシア政府の意図をそのまま認めたように受け取られても仕方がない。あくまで北方領土返還を要求している旧島民に対して、どう説明するのだろうか。

 今回の首脳会談では、北朝鮮の相次ぐミサイル発射、さらには6回目の核実験に対し、日本とロシアがどう対応すべきかを協議するのが主要議題になったのは止むを得ない。だが、肝心の国民の悲願である領土問題を軽視するばかりか、間違ったサインをロシア側に与えるような行動は許されない。この件に関して安倍首相は国民に対し、どう釈明するのだろうか。この問題を曖昧にせず、真摯に答えてほしい。そうでないと、安倍首相への信頼はますます低下するのは間違いない。(この項おわり)
 
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河野新外相は北方領土問題で活躍が期待できるのか?

2017年08月03日 11時55分00秒 | Weblog

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安倍首相のおそらく最後の内閣改造で、河野洋平元衆院議長の息子の太郎衆院議員が外務大臣に就任することになった。北方四島のうち、2島返還を盛り込んだ日ソ共同宣言締結の立役者である河野一郎氏の孫だけに、領土交渉解決への期待がかかるが、期待に応えることができるだろうか?

河野一郎氏は1956年当時、農林大臣で、毎年のようにソ連側とサケ、マスなどの漁獲量を巡って激しい交渉を展開していた。それだけにソ連側の交渉の厳しさや、手口の老獪さに慣れていたはずだが、ことは領土のやり取りだけに並大抵の苦労ではなかったに違いない。そうした話は祖父から漏れ聞いていただろうから、太郎氏も身が引き締まる思いをしているだろう。

今の北方領土交渉は、ロシア側の頑な態度により、事実上とん挫していると言っても言い過ぎではない。日本側は仕方なくロシア側の共同経済活動の提案に付き合っていると言うのが実情である。そんな中で日本側が領土交渉で活路を開くにはどうしたらいいだろうか。開けるとすれば、太郎氏の北方領土問題への柔軟さに期待を賭けるしかないだろう。

太郎氏は若い頃、青年会議所に関係していたこともあって、北方領土の原点ともいえる根室市の青年会議所の人達と交流がある。太郎氏個人のブログ「ごまめの歯ぎしり」(2006年12月)によると、根室市青年会議所や住民との話から「日露を動かそうというなら、四島でなくても良いという立場を取る人が多いのではないか」と書いている。その後、自民党の中でもすでに面積2等分案や、3島返還論も出ており、柔軟派の太郎氏が積極的に「解決可能な案」をロシア側に提案することも不可能ではない。

とは言え、領土問題は国際情勢と離れては机上の空論に過ぎない。米露関係が悪化し、安倍首相がトランプ大統領に首根っこを押さえられている状況では、独自外交はあり得ない。とくに領土解決に前向きと見られていたプーチン大統領がトランプ大統領の“変節”に憤慨し、対米強硬派に戻ってからは、領土問題と絡めて日米同盟に表立って異議を唱えだしている。このため、当面、新外相に期待できるとすれば、党内や政府内に現場の真の声を伝え、問題解決への機運を広げることだろう。(この項終わり)




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ロシアの民主系メディア総支配人、四半世紀前の市民権はく奪される!

2017年07月22日 15時09分28秒 | Weblog
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タス通信は7月22 日、ロシアの民主系メディア総支配人、デミヤン・クドリャフツェフ氏が裁判所の決定で市民権をはく奪されたと伝えた。連邦移民局へ提出した書類に不備があったためと信頼すべき筋が述べたとされる。来年春の大統領選に向け、民主系メディアを締め付けるのがプーチン政権の狙いとみられる。

タス通信によると、クドリャフツェフ氏は民主系経済新聞「ベードモスチ」と英字新聞「モスコー・タイムズ」の総支配人を務めている。1992年2月、旧ソ連からロシアに国名が変わる際、ロシアに在住していた国民は自動的にロシアの市民権を受けたが、同氏は当時イスラエルの市民権しか所持していなかったという。

新生ロシア誕生から四半世紀も経ってから市民権をはく奪されたのは異例で、プーチン政権が政治的な意図を持って摘発した可能性が高い。

クドリャフツェフ氏は旧ソ連崩壊後、新興財閥になった一人で、2011年には経済新聞「コメルサント」系の雑誌「ブラスチ」(権力)編集長としてプーチン首相(当時)を中傷する写真を掲載、解雇処分を受けている。

「ベードモスチ」「モスコー・タイムズ」とも民主系の新聞で、プーチン大統領への批判を強めていることから、政権側は市民権はく奪の強硬手段に出たとみられる。信頼すべき筋によると、市民権はく奪により半年間に90日以上、ロシアに滞在できなくなるという。

一方、プーチン大統領は若者との対話集会に出席し、来年3月に予定される次期大統領選への立候補について「まだ決めていない」と述べている。だが、プーチン政権内では立候補は既定方針とされており、早くも反プーチン派への締め付けが始まったと言える。(この項終わり)
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日露共同経済活動にロシア側が不熱心な理由は?

2017年07月01日 23時55分04秒 | Weblog

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北方領土での日本とロシアの共同経済活動の実現に向けた、長谷川栄一首相補佐官を団長とする官民現地調査団は6月下旬、北方3島での調査を終え7月1日、根室港に戻った。調査はロシア政府の消極的姿勢が響き、十分な成果が得られないまま終了した。今後もこの状況が変わらない限り、調査は中途半端に終わる可能性が強い。

今回の調査は今年4月、モスクワで開かれた安倍首相・プーチン大統領の首脳会談での合意を受けて行われたが、ロシア政府側の調整がつかないなどの理由でサハリン州での調査を“見切り発車”することになった。このため、調査開始が6月にずれ込んだ上、渡航手段が限定され、調査団の人数も縮小された。

さらに予想外だったのは、地元ともいうべき根室市の長谷川俊輔市長が現地調査に同行できなかったことだ。外交筋の話では、長谷川市長がロシア側に批判的なためというが、長年北方領土問題に取り組み、事情に詳しいだけにロシア側が煙ったい存在として敬遠したらしい。日本の外務省もこの件については「調整の結果」として拒否理由を明確にしていない。

また、視察予定に入っていた国後島の地熱発電所や燃料保管施設が直前にキャンセルされた。その理由として地元当局は、ロシア国境警備隊の立ち入り制限区域付近を通る行程だったことを上げているが、それらは事前に分かっていたことで、ほとんど嫌がらせに近いものだ。同島の地熱発電所はエネルギー資源に関係する重要な施設であり、ロシア側の共同経済活動に対する「やる気のなさ」を象徴する出来事といえよう。

振り返ってみれば、ロシア側の北方領土問題に対する潮目が変わったのは、米国大統領に選出されたトランプ氏の対露政策が迷走し、強硬姿勢に転じてからだ。対シリアや対欧州政策を巡って米露が対立を深め、世界大戦の可能性さえ論じられるようになったためだ。最近はプーチン大統領自身が北方領土を日本に返還すれば、日米同盟により北方領土に米軍基地ができる危険性に言及するようになっている。そうなれば、ロシアの原潜基地であるオホーツク海の抗たん性が損なわれ、ロシアとしては絶対認められない。

こうした中、トランプ大統領とプーチン大統領の初の首脳会談が7月のG20で行われることになった。この会談結果いかんによっては緊張緩和の可能性がゼロとは言えないが、両首脳の性格からしても楽観は許されない。安倍首相としても、これまでのような“擦り寄り外交”ではプーチン大統領の岩盤に穴を開けることは不可能だ。事態打開のためには根本的な対策が必要だ。(この項終わり)




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プーチン大統領、北方領土問題で最大の懸念に言及

2017年06月02日 11時28分01秒 | Weblog
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プーチン露大統領は6月1日、世界の主要通信社代表との会見で、北方領土について「日本の主権下にはいれば、これらの島に米軍の基地が置かれる可能性がある」と発言した。大統領が北方領土問題で米軍の配備に関し、公式に懸念を示したのは初めて。日米安保条約が存在する限り、北方領土の返還は困難との見方を示したもので、安倍政権の北方領土返還戦略は大きな壁にぶち当たったと言える。

プーチン大統領の発言は、サンクトペテルブルグで開催中の経済フォーラムの会見で出た。北方領土の非武装化についての質問に答えたもので、北方四島でのロシアの軍備増強方針について「米軍への必要な対抗措置だ」と述べた。さらに、大統領は「米国のミサイル防衛システムが配備されるかもしれない。ロシアとしては受け入れられない」と断固反対する姿勢を示した。

ロシアは、極東のオホーツク海に核弾頭搭載の原潜を配備し、米国を睨んだ安保戦略の生命線にしている。北方四島はそのオホーツク海を囲む防衛拠点であり、北方領土問題と安保問題は切り離せない関係にある。大統領は昨年12月に日本で行われた首脳会談後の記者会見でも、日米安保条約に関して「日本の友人たちがこの問題(日米同盟)に関するロシア側の懸念を考慮するよう望む」と述べ、間接的な表現ながら安保問題を重視する姿勢を示していた。

今回、大統領が米軍基地が北方四島に配備される可能性に言及したのは、トランプ米大統領の北朝鮮などへの強硬姿勢を受けたものとみられる。プーチン大統領は現在のような厳しい米露関係が続く限り、北方領土の返還はないとの考えを内外に示したとも言えそうだ。

安倍政権も、こうしたロシア側の考えを十分知っていて、領土返還を要求する交渉から、北方領土での共同経済活動に方針転換した可能性がある。だが、ここでも北方領土の主権問題が存在する限り、ロシア側にメリットがあっても、日本側からすれば「やらずぶったくり」に終わる恐れが強い。政権側が元北方四島島民にプーチン大統領への手紙を書いたことにした「手紙ヤラセ事件」のような、姑息な手を使わず、問題の難しさを率直に国民に明らかにすべきだろう。

元々安倍首相は、北方領土問題を自らの政権浮揚に役立てようと取り組み始めたのではないか。真摯にこの問題を解決しようとするなら、政府、民間がこぞって返還運動を盛り上げるような方策を取らなければならない。今のように、政府内でも経産省ばかりが熱心で、外務省などがそっぽを向くようなやり方では成功するはずがない。今こそ、安倍政権は北方領土問題を一から洗い直し、出直すべきだ。今のままでは国民を欺くだけに終わってしまうのは火を見るよりも明らかだ。(この項終わり)
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プーチン大統領は来年春の大統領選を乗り切れるのか?

2017年05月17日 13時40分00秒 | Weblog
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ロシアのプーチン大統領はこのところ、反プーチン派の相次ぐデモに見舞われ、足元が揺れ出しているように見える。来年3月の次期大統領選挙まで1年を切り、国民の間でプーチン大統領に、更に6年間国政を委ねることへの不安感がジワジワ広がっているのではないだろうか。

その大きなきっかけになったのは、メドベージェフ首相の豪勢な生活が暴露され、政府要人の異常な蓄財や腐敗が国民の怒りをかったことだ。この動画をネットで公表し、庶民の心に火をつけたのは、反プーチン派の野党指導者でブロガーのナバリヌイ氏だ。プーチン政権から執拗な攻撃を受け、何度も逮捕されているが、決して諦めない闘士である。

彼が呼び掛けてロシア各地で反政府デモが行われているうちに、これまで無関心だった若者たちをも巻き込んで、「新たな抗議の波」が起きている。その中には、十代の少年たちも含まれ、幅広い層の人たちが加わって雪だるま式に広がりつつある。

その背景には、原油の価格低下や西側の経済制裁による、経済の負のスパイラル現象があり、国民の間で所得格差がますます広がっていることが響いている。特に若者の間で「中東の春」の過程で起きたような、就職難など将来への不安が深刻化していることが挙げられる。

それにもかかわらず、プーチン政権への支持率が高いのは、日本の安倍首相と同様に、プーチン大統領に取って代わる指導者が出てこないからである。ロシアの場合は、プーチン氏に取って代わりそうな指導者が出てくると、あらゆる手段を使って政界から追放してしまう、あるいは刑務所に閉じ込めてしまうという手荒い手段を取ることが少なくない。

こうした政治家でプーチン氏に代わり得る人物がナバリヌイ氏以外にいるだろうか。その人物こそ、何年も刑務所に閉じ込められ、ようやく欧州に亡命したプーチン大統領の政敵、ホドルコフスキー氏である。彼は今も虎視眈々とロシア政界への復帰を狙っている。

こうした情勢にプーチン政権側も危機感を感じたためか、次期大統領選の投票日をクリミア半島のロシア編入記念日である3月18日にぶつけるよう画策している。4年前のこの日は、プーチン大統領が住民投票の結果を踏まえ、クリミア編入を内外に宣言した日である。この編入宣言でプーチン大統領の支持率が跳ね上がっただけに、この日を投票日にして大統領選を乗り切る構えとみられる。

その一方、反プーチン派のデモ攻勢が今後さらに強まれば、ホドルコフスキー氏がロシアに帰国し、ロシア革命時の「レーニンの帰還」のような状況が再び起こらないとも限らない。「なんでもあり」のロシアだけに、今後の成り行きをじっくり見守りたい。(この項おわり)
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米韓日は北朝鮮を力の論理で刺激し過ぎるな!

2017年04月27日 13時48分05秒 | Weblog

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北朝鮮の核実験を巡る米国、韓国などとのにらみ合いは、牽制の域を超え、いつ暴発してもおかしく無い状況になりつつある。トランプ大統領は勿論、安倍首相らは、直ちに力による圧力をやめるべきだ。

ここ数日、北朝鮮は核実験や長距離ミサイルの行使に言及し、世界を震えあがらせている。特に米国などを怒らせているのは、核実験の再三にわたる脅しである。この手口は、1994年に北朝鮮が国際原子力機関(IAEA)の査察を拒否、同機関からの脱退を主張した「第一次核危機」を思い起こさせる。その挙句、脱退はせず、韓国などから原油などを手に入れたもので、各国から「瀬戸際政策」と批判を浴びた。

今回は、米国の大統領が強硬派のトランプ氏に代わり、「北朝鮮の横暴を許さない」と気色ばんでいる点が異なっている。直前にシリアへトマホークを打ち込み、テンションが上がっているので、こちらも降りそうもない。さらに、世界に先駆けてトランプ大統領に会っている安倍首相も、森友事件から国民の目をそらそうとトランプ大統領の尻馬に乗っている。

相手はなにしろ、政治経験が少ない上にガムシャラに自らの権威を守るため、叔父さんばかりか、兄弟まで暗殺する人物である。歯止めが効かなくなっていると思わざるを得ない。今のような神経戦が続けば、ソウルばかりか、東京まで攻撃しないという保証はない。その場合の被害は計り知れないだろう。

我が国が海外の政治勢力に侵害される危機に陥るのは、元寇と第二次世界大戦後の米国に次いで3回目と言ってもいいだろう。こういう状態に陥った責任の一端は、トランプ政権に追随している安倍政権にもあると言っても言い過ぎではない。安倍首相は一刻も早く、この状態を改善させるべきだ。
(この項おわり)
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ハルピン学院の廃校から70年余、生存者は卒業生の6%に!

2017年04月15日 16時53分47秒 | Weblog

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  <出席者と一緒に寮歌「松花の流れ」を歌う麻田平蔵さん(左端)>

ロシア語のスペシャリスト養成学校として旧満州(中国東北部)のハルピンに創立されたハルピン学院の記念碑祭が4月15日、東京・八王子の高尾霊園で開かれ、卒業生やその遺族が出席した。終戦で廃校になってから70年以上たち、卒業生1412人のうち生存者は全体の6%に減り、この日出席したのはわずか7人だった。

高尾霊園は都内の桜に比べ、開花が遅く、まだ八重桜などが咲いていて春爛漫の状況。気温も上がり、めっきり春らしくなったこの日、高齢の卒業生や遺族らが三々五々、霊園内の特設テントに集まった。11時すぎ、全員が学院記念碑前に集合し、まず昨年亡くなった物故者17人に黙祷を捧げた。

このあと、卒業生の現状が報告され、生存者は17期から26期まで合わせて91人と、100人を切った。最終学年の26期でも19人に止まっている。このところ、毎年のように年間10人以上が亡くなっている。この1年間に亡くなった17人の中には、記念碑祭で毎年のように司会を務めていた藤木伸三さんや、廃校になる際、燃え残った校旗の一部を日本に持ち帰り、記念碑の中に収納した佐藤タカ男さんもいる。このあと姉妹校の富士高等女学校の卒業生が校歌を合唱、続いてハルピン学院寮歌「松花の流れ」を全員で合唱した。

最終学年の26期代表、奥田哲夫さん(88)が閉会の挨拶で「同期で100人入学したが、4ヶ月経ったら終戦になった。一旦停戦にしてまた戦争をやろうと思っていたら、校長らが自決してして終わってしまった。結局、我々が最後の後始末をして帰国した」と語った。続けて奥田さんは、3年後にハルピン学院創立100周年を迎えることを明らかにし、「私もサプリメントを飲んででも生きて、その日を迎えたい」と言って笑わせていた。

最後に、24期生の麻田平蔵さん(92)が挨拶し、お互いに元気で頑張ろうと呼びかけた。ハルピン学院の卒業生は戦後、全体で同窓会を開いていたが、1999年を最後に幕引きした。その後、麻田さんは高尾霊園の一角を購入して記念碑を建立、記念碑祭を主宰している。「私がいなくなっても息子や孫に引き継いでもらう」と宣言していて、ハルピン学院の卒業生がゼロになっても“ハルピン学院精神”は遺族に引き継がれていくに違いない。

ハルピン学院は当初、専門学校としてスタートしたが、1932年にハルピン学院に改称。満州国建国後は国立大学としてロシア語のできる官僚や商社マンを育てた。卒業生には翻訳家の工藤精一郎氏、文学者の内村剛氏がいるが、2人とも故人になっている。(この項終わり)
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「六本木の赤ひげ」院長の開業していたインタナショナル・クリニックが解体!

2017年03月24日 13時38分35秒 | Weblog

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        <インタナショナル・クリニックが解体され、残されたブロック塀と看板>

<六本木の赤ひげ」と呼ばれ、在日ロシア人らに信頼されていた白系ロシア人医師、エフゲーニー・アクショーノフさんが院長を務めていたインタナショナル・クリニックがとうとう解体された。東京・港区の飯倉片町交差点角地に半世紀以上も開業し、ロシア人だけでなく、海外からの賓客や観光客の診察も行ってきたが、2014年8月5日、90歳で他界し、その後は事実上、クリニックは閉鎖されていた。

先日、知人から「インタナショナル・クリニックの敷地にブルドーザーが置いてあった」と聞き、出かけてみると、二階建ての洋館はすでに解体され、後は整地を待つばかりになっていた。正面のブロック塀と、英語で書かれた「インタナショナル・クリニック」の看板だけが残っていて、表通りからは隣の区立麻布幼稚園が直接見えた。樹木が何本か残っているが、寄りかかる物もなく、寂しげだった。

塀に張ってあった管理会社に電話して聞くと、「解体後の更地にオフィス系のビル建設を検討しているが、まだ決まっていない」との返事だった。アクショーノフ院長の死後、病院の関係者はクリニックの存続を模索したが、叶わなかった。アクショーノフ院長が守ってきたクリニックは一代限りで終焉を迎えた。

アクショーノフ院長は、ロシア革命後、中国東北部のハルピンに逃げた白系ロシア人家庭の一人っ子として生まれた。馬の牧場を経営していた父の元に日本から馬を見に来た津軽義孝伯爵(常陸宮華子妃殿下の父)と知り合い、それが縁で太平洋戦争中の1943年に来日した。苦学しながら医師国家試験に合格、戦後、米軍陸軍病院勤務などを経て1953年、クリニックを開業した。満州国崩壊後、無国籍になったが、旧ソ連に帰らず、無国籍のまま、一生を日本で過ごした。

冷戦時代はソ連のスパイとみなされ、警察の調べを受けるなど、苦境に陥ることもあったが、持ち前の才覚と人懐こい性格で生き抜いた。ロシア語のほか、中国語、フランス語など6ヶ国語を話せるうえ、貧しい外国人には無料で診察し、在京の大使館などから頼りにされた。プーチン大統領と何度も懇談するなど、日露友好にも大きな役割を果たしたが、日本政府からは感謝の言葉もなかった。(この項おわり)
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北方四島元島民のプーチン大統領への手紙はヤラセだった?

2017年03月17日 13時36分45秒 | Weblog
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昨年12月の日露首脳会談で安倍首相がプーチン大統領に手渡した北方四島元島民の手紙が大統領を感激させ、四島への自由往来をさらに進めるきっかけになったとされているが、その手紙がヤラセだった疑惑が浮上している。もし本当だとすれば、大統領ばかりか、国民まで愚弄する行為である。真相解明を急ぐべきだ。

問題の手紙は、首脳会談の3日前の12月12日に首相が千島歯舞諸島居住者連盟の脇紀美夫理事長ら元島民7人に会い、首脳会談に備えて彼らの意見を聞いたことが発端。元島民は連名で首相に大統領へ渡すための手紙を託したとされる。首脳会談の直後、首相はテレビ各局の取材を受けた際、会談でこの手紙を大統領に渡すと、その場で手紙を読んで感銘し、元島民がもっと自由に故郷の島に往来できるよう道を開くことを約束したと力説していた。

首相としては、北方領土返還交渉自体の成果はなかったので、元島民の自由往来のさらなる前進をアピールして会談の成果を少しでも大きくしたかったのだろう。
ところが、肝心の手紙が未だに非公開になっている上、手紙にサインしたはずの元島民たちの多くは手元に持っていなかったという。しかも、あろうことか、元島民団体の千島連盟を含む多くの関係者が手紙の存在すら事前には聞かされていなっかったというのだ。一体何が起こったのだろうか。

この問題については、北方領土問題の研究者として知られている岩下明裕・北海道大教授が雑誌「マスコミ市民2月号」で詳しく書いているので、それを参照したい。
幻の手紙となった元島民の手紙は、その後のメディアの取材により、以下のように書かれていたとされる。元島民たちの願いとして「生きているうちに故郷に帰りたい。島で朝を迎えたい。いつでも墓参りしたい。自由に島に行きたい」と書いたという。だが、念願の北方領土問題の解決については「プーチン氏こそが北方領土問題を解決してくれるものと確信しています」とあるだけで、北方領土の返還については具体的に言及すらしていないとされる。

この内容から岩下教授は「この手紙がある種の狙いを持って書かれているのは明らかだろう」と指摘し、「元島民たちのこれまでの闘いを少しでも知る者からすれば、このような手紙が島民全体の気持ちを代弁することはありえない」と断言している。

この手紙についてはNHKが何度か報道していて、児玉泰子・千島連盟理事が元島民たちに手紙と思われる紙を配っているシーンが流されている。実は首相と会う前日に元島民たちがホテルに呼び集められ、この手紙を見せられて同意を求められたという。その場にロシア語に翻訳された手紙も用意されていたとされ、手紙を準備する過程でNHKの関係者が深く関わっている可能性を示唆している。

この問題で北海道新聞は2月7日付け社説で「この手紙は、官邸主導で元島民7人が集められ、用意された文書をもとに作られた。千島連盟の役員も同席したが、組織として意見集約する余地はなかった」と指摘し、事実上ヤラセだったことを認めている。

官邸がこの手紙の作成を仕組んだとすれば言語道断だ。また、NHKが手を貸していたとすれば、メディアの倫理が問われる。双方ともこうした疑問にきちんと答えるべきだ。(この項終わり)
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プーチン政権は次期大統領の任期が切れる2024年まで続く!

2017年03月01日 00時43分39秒 | Weblog
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ロシアの次期大統領選は来年3月に行われる見通しとなり、プーチン大統領の事実上の4期目当選が確実視されている。当選すればさらに6年、つまり2024年5月まで大統領として君臨することになる。今の情勢では、プーチン政権が次期大統領の任期が切れる2024年まで続くのは間違いないだろう。

プーチン氏は2000年に初当選し、47歳で大統領に就任して以来、大学後輩のメドベージェフ大統領時代を含め、すでに16年間、実質的な最高指導者を続けている。さらにもう1期務めれば年齢は71歳となり、最高指導者の在籍年数は20年を超え、ソ連・ロシアを通じて異例の長期政権となる。

大統領サイドは次期大統領選にプーチン氏が立候補するかどうか明言していないが、側近らによると、過去の選挙より透明性があり、過去最高の得票率を目指す考えを示している。いわば、次期大統領選を信任投票とみなしているわけで、それだけ4選に自信を持っているのである。

それというのも、プーチン氏と対等に戦える有力な対抗馬がいないからである。逆に言えば、政権側が対抗馬になりそうな政治家をそれ以前に徹底的に潰してしまうからだ。その具体例としては、プーチン大統領の政敵とみなされ、長期間刑務所に押し込められていた元石油王、ホドルコフスキー氏があげられる。

次期大統領選に立候補を表明している政治家を見ると、与党側からは極右政党「自由民主党」のジリノフスキー党首だけで、残る2人は野党側のナバリヌイ氏と、ヤブリンスキー氏である。自民党党首は毎回立候補しているが、党勢拡大が目的で、プーチン氏に対抗する意欲は感じられない。

一方、野党側は若手のナバリヌイ氏と、ベテランのヤブリンスキー氏で、共に大量得票は期待薄である。ナバリヌイ氏は都市部のインテリ層に人気があるが、政権側に汚職事件を徹底追及され、今回も有罪判決が出され、立候補は厳しい状況である。彼も、強敵になりそうな人物を事前に潰す政権側の犠牲者といえる。

今後、国民に広く支持される期待の新星が現れないとも限らないが、プーチン氏が政権を禅譲する形でないと事実上、当選は不可能である。そういう意味では、共産党政治局が権力を掌握していたソ連時代と変わらない。政治局がプーチン氏に変わっただけとも言える。プーチン氏はその次の選挙には憲法の「連続2期まで」の規定により、立候補できない仕組みになっているので、今の政権が変わるとすれば2024年以降となろう。(この項おわり)
     
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北方領土交渉は主権決定方式から国際法的枠組みでの合意に様変わり?!

2017年02月05日 21時27分34秒 | Weblog
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安倍晋三首相とプーチン大統領の昨年末の首脳会談後、両国政府が合意した北方4島での共同経済活動を巡って国内で未だに議論が続けられている。合意を評価しようという容認派と、懐疑的な批判派の意見をまとめ、判断の参考にしたい。

両国政府のプレス向け声明によると、日露が択捉島、国後島、色丹島、歯舞群島での共同経済行動に関する協議を開始することが平和条約の締結に向けた重要な一歩になりうるという。そこで両国首脳は関係省庁に漁業、海面養殖、観光、医療、環境などをあげ、共同経済活動の条件、形態、分野の調整などの問題を協議するよう指示するとしている。その上で、調整が済んだ分野に応じて国際的約束の締結などの問題を検討するよう指摘している。

この合意について下斗米伸夫法政大教授は「安倍首相の『新しいアプローチ』で問題解決の現実的過程が始まった」と評価している。さらに、一歩踏み込んで「共同経済活動次第では、平和条約へと進展する可能性が深まっている」と分析している。

下斗米教授によると、これは北方領土の主権の解決以前に四島で旧島民など両国民が共存するという理念で、国際約束(あるいは国際条約)という特別な枠での合意、つまりは一種のコンドミニアム「共同管理」的な解決枠に踏み出したと捉えている。このモデルになっているのは、2010年にロシアとノルウェーの国境問題を解決したスピッツベルゲン島のケースだ。ノルウェーの主権下にあるが、スバーバル条約でロシア国籍の住民数百人がこの島で暮らしている。これにより、両国は海の最終的な国境画定に成功したのである。

下斗米教授は以上のことから、今後の北方領土交渉は「これまで日露間で繰り返された一回の交渉で四島の主権を決める方式」から、共同管理などの「国際法的な枠組みで問題を解決する」仕組みに変わると述べている。つまり、共同経済活動への国際約束の模索は「一種の中間条約、ミニ平和条約でもある」と断じている。

これに対し、対露強硬派の袴田茂樹新潟県立大教授は首脳会談の結果について「経済協力合意のみで(これも実質は小さいが)、領土交渉の進展は全くなかった」と断言している(産経新聞2月3日付け「正論」)。さらに、注目の共同経済活動の合意について「官邸はあたかも成果のごとく宣伝している」と言い切っている。

こう決めつける理由として袴田教授は、ロシア側が共同経済活動を「あくまでロシアの法律下で行うとの主張を譲っておらず、首相や外務省が合意したと主張する『特別な制度』 を認めていない」からだとしている。

この論争の決着はまだついていないが、袴田教授のように全面的に切り捨ててしまえないのは、すでに日露政府が共同経済活動を基軸にして協議を進めていく方向に舵を切っているからだ。日本外務省も国際法の専門家である秋葉剛男外務審議官を対露交渉の正面に立てている。この公式協議は3月に東京で両国の関係省庁が参加して行われることになっており、この協議の行方をじっくり見守りたい。(この項おわり)
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トランプ米大統領は取引上手な不動産屋タイプ!

2017年01月26日 13時34分07秒 | Weblog

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オバマ氏に代わって米大統領になったトランプ氏は、就任から1週間たっても、選挙当時からの「スタイル」を変えていない。ツイッターや演説でズバッと要点を言うやり方だ。だが、これはガツンと言って相手を脅す不動産屋の手口である。こんなやり方をいつまで続けるつもりだろうか。

米国親日派のアーミテージ氏(元国務副長官)は,トランプ氏のスタイルを不動産屋的だと喝破している(26日付け日経新聞)。ビジネスマンなら相手の立場も考えるが、彼はガツンと言って取引するタイプだと言う。政治家の経験がないだけに、対話が苦手なのだろうか。こういう人が世界をリードすべき米国の大統領なのだから、先が思いやられる。

日本が一番心配しているのは、米国が保護貿易主義に徹することと、アジアの安全保障を日本に肩代わりさせようとすることだろう。前者については、既にTTPからの撤退を宣言しているので心配が現実になった。今後クルマの輸出規制なども迫ってこよう。後者についてははっきりしないが、当面は駐留米軍経費の負担増が焦点になろう。

一方、中国に対しても強気な発言を繰り返しており、米中戦争を懸念する声さえ出ている。特に東シナ海、南シナ海での中国軍のプレゼンスに対しては、厳しい姿勢を取っている。対北朝鮮についても同様で、こうした姿勢が日本の安保問題に跳ね返ってくる可能性は十分ある。

では、ロシアに対してはどうだろうか。これまでのところ、オバマ政権時代の米露対立を緩和しようとしている感じがする。だが、ウクライナ紛争に絡む経済制裁や軍事力の優位性を変更するようなことは当面考えられない。ここでも「米国ファースト」を主張するに違いない。ロシアのプーチン大統領も当分はトランプ大統領の言動を注意深く見守ることになろう。

トランプ新政権のスタートも遅れていて、全容が明らかになるのは春先になるかもしれない。安倍首相はまたしても先走って2月にトランプ大統領との首脳会談を画策しているが、あわてて手の内をさらけ出すのは相手を利するだけだ。今はじっくり構えて対応すべき時ではないだろうか。(この項おわり)
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トランプ次期米大統領、対露関係の改善問題でトーンダウンか

2017年01月13日 10時16分10秒 | Weblog

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ツイッターで世界に言葉の爆弾を投げ続けてきたトランプ次期米大統領が当選後、初めて記者会見に応じた。予想通り、大手メディアを罵倒したり、対メキシコ強硬策を繰り返したり、相変わらず言いたい放題の「トランプ流」会見だったが、対露関係では選挙中のロシアのサーバー攻撃を認めるなど、トーンダウンした印象だ。一方で、親露的な人物を政府などに登用しており、今後どういう政策を進めるのか、注目したい。

会見では、のっけからロシアが握ったとされるトランプ氏のスキャンダルに絡む質問が出され、トランプ節が爆発した。スキャンダルとは、トランプ氏が2013年に訪露した際、売春婦と関係したことを示すメモに関するものだが、トランプ氏は「情報はフェイクニュース(ニセのニュース)だ。インチキだ。病的な人々がクズのような情報をつなぎ合わせたものだ」と言い切った。その上、質問しようとしたCNN記者に対し、「フェイクニュースを流した」として質問を封じた。

民主主義国家を標榜する米国ではありえない対応だが、その後の選挙中のサーバー攻撃についてはこれまでの発言を撤回し「ロシアの仕業だったと思う」と容認。さらに、今後の米露関係について「プーチンがトランプを好きならそれは負債ではなく、財産だ。プーチンと気が合うかはわからない。そうあってほしいが、そうでないかもしれない」と答えた。これまでの発言に比べるとトーンダウンした感じがする。周辺の人々から吹き込まれたのかどうかわからないが、今後の政策で判断する必要がある。

対外関係では、中国に対し「経済的にも、南シナ海の巨大な要塞建設によっても我々に完全につけ込んでいる」と敵意をむき出しにしている。続けてトランプ氏は日本、メキシコを名指しして「私が国を率いれば、過去の米政権下より、はるかに我々を尊敬するようになる」と暗に脅している。日本もオバマ政権時代の「蜜月気分」でいると、飛んだとばっちりを受けないとも限らない。

以前、トランプ氏はツイッターでロシアでのスキャンダル絡みで「私たちはネチス・ドイツに住んでいるのか」とつぶやいたが、メディアに対する対応や記者会見をせずにツイッターで一方的に相手を攻撃するような手法は、かつてのナチスそのものと言っても言い過ぎではない。今後、日本もこういう大統領を相手に付き合っていかなければならないだけに、よほど腹をくくって対応しないととんでもないことになりかねない。世界に先駆けて、わざわざ自宅にまで会いに行ったどこかの首相で本当に大丈夫なのだろうか。(この項終わり)
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