On the Corner

めぐりあいつむぎつづれおる日々を生きていく中で感じたことを

ReMEMBER(仮) @YOKOHAMA1st

2024-02-24 23:55:02 | Gospellers

北山さん、お誕生日おめでとうございます。同い年!

ふと、自分の誕生日より感慨深くなるのは
ここまで元気に歌い続けてくれて本当にありがとう、と
生命の力に想いをはせてしてしまうからだな。

あの日、ニュースを聞いて、血の気が引くとはこのこと、と、
4人で守り歌い続けるライブを観たときの「いない」という胸の痛みと、
(乗り切ろうと力を合わせたパフォーマンスはもちろん素晴らしかった)
復帰の笑顔に、それ以上に嬉しそうな4人の笑顔を見た安堵と、
感情ジェットコースターだったあの頃を、
ありがたいことに日常はすっかり忘れていられるけど、こういう節目にはやはり思い出すね。


さて、満を持して(ヤスに背中を押されまくって)
ソロデビューを果たした北山さんのライブで感じたことなどを。

2024年2月12日 billboard LIVE YOKOHAMA
1st 15:00~16:10




サービスエリアの席に着き、舞台上のピアノやマイクを眺めながら、
白ワインとチーズの盛り合わせで乾杯し、
開演を待つ間、naoちゃんのそわそわ感がどんどん増していく。

なんてったって、近い。



ご近所ながら初めてお邪魔したこちらの会場、
どこから登場するんだろうね、なんて話しているうちに
客電が落ち、拍手と歓声がわく中、そこからかー!と下手客席後方から北山さん登場。
はにかみ笑顔はいつものまま。

ホールライブではなく、この近さのライブハウスで会えると、それだけで嬉しい。

マイクをとるのかと思いきや、なんとピアノの前に座った北山さん。
やや下手寄りの我らの目の前でピアノに指を滑らせる。

…いつかのソロライブでもオープニングから歌わずトロンボーンだったことを思い出す…
と、同時に30周年め、ふりかえるようにFRANZYの「探る」CMを思い出す…

あのときもピアノと対話するような北山さんに射抜かれたものです。
(私が知ったのはオンタイムではないけれど)

心がざわつく、彼が奏でる音を固唾を呑んで見守るような時間。これはなんていう曲かしら。
重たい響きのタッチ、柔らかそうでいて硬質で、ざらつきも生むというか、
北山さんの音=いまこの時の心情のままのようで、それだけでも近さを感じるというかね。

…全裸でピアノだったら、ほんとにあるがままの音なんでしょうね……

・・・そんなどうでもよいことを北山さんの横顔、肩甲骨から脇にかけての腕の動きをぼんやり眺めつつ思う。


弾き終えて、あらためてのご挨拶。
衣装は、綿素材?のベージュのジャケット、くすみグリーンのTシャツに、黒のワイドパンツ。
合わせていたのはエナメルの靴だったかな?

北山さんちのホームパーティにお邪魔した感じで、というコンセプトだそうで
急にホストがピアノ弾き始めるようなパーティあるでしょ?と言われてもよくわからないけど、
まずこのソロライブは3部構成になっているとのこと。

ビルボードクラシックスをきっかけに、改めてクラシックと向き合う、ということで第一部はピアノソロ。

展覧会のゴスペラーズ、というコンセプトを思い出したけど、
ピアノを奏でる北山さんが展示されていて、それを心の中は自由に、
思い思いに眺めたり聴いたりする感じね。

後のMCでこのピアノ初めて弾いたけど、弾かせてくれるピアノだった、
と言っていたな。
リハのときにもう一番上手く弾けちゃった、なんてこことも。
さすが銘品、STEINWAY&SONS。

そして、呼び込まれた旅の友、柴田さん。
9年切ってないというサラサラの長い黒髪。
特別なことはしていない、とそんな美しさをキープしているのは
パンテーンとかLUXとか一般にもおなじみメーカーのシャンプーやトリートメントだそうで。

あ、でも旅に出たらホテル備え付けのシャンプーではなくちゃんと
一泊用のコンビニで売っているようなのを使っているよ、なんていう
気さくなトークでゆるゆると第二部
に入る。


ゴスペラーズの曲名が入った抽選箱から引いた曲を歌うコーナー。

やや緩やかな選曲ばかりだったところに、てつやが二日前に観に来て(東京公演ね)
グルーブの鬼のような柴田を捕まえてきてそんなまったりした曲ばかりで
どういうことだと箱のなかにぽんぽんっと二曲追加したらしい。

俺、やっぱり持ってるんだな、と引いたのがその一曲で「FIVE KEYS」。
(おおう、てつや鬼!てつや最高!もう一曲入れたの何!)

そして柴田さんがすごい。
いま楽譜ダウンロードするからちょっと待って、って初見で?!
ポケットから取り出したiPhoneから、ピアノの譜面台に置かれていたiPadに
同期しているのを観ながら、アーティストも色々使いこなせないといけない時代だな…なんて
アナログ全開なことを思いつつ。

どうやって歌おう、と少し考えた北山さんも自分のパートを歌います、とこれまた貴重。
そんな低いところから「右手ーっ!」高音行くんだというのが見えた。
柴田さんのピアノがこれまた音が華やかでシャープ!かっこいい!

そして、横浜は特別だった!
あまり引っ張ると嫌かな、と呟いて呼び込んだゲストはなんとリトグリのかれんちゃん!

抽選せず「Silent Blue」を彼女がリクエスト。
「(私も)キタマニなので、ここにいる皆さんも北山さんの高音聴きたいかな、と思って」

ベースつながりで仲良くなったとか、おもちとおかきも撫でてもらった家リハの
ほわほわエピソードからの、さすが聴かせるかれんちゃんもすごい。
やっぱり上手いな...と思うのは、正確かつ伸びやかな声もさることながら、
感と気配が絶妙なんだな。

そしてまさかの桑田さん「白い恋人達」、スウェーデンのシンガーソングライター
Benjamin Ingrosのなんて曲だったっけ…揉めたカップルの歌、と紹介された曲を
デュエットで。

北山さんも終始うれしそうに頬に微笑みが浮かんでいるし、
出会いは中学生だった彼女も今や25歳、感慨深いでしょうね。

なかなか自分では選ばない曲をリクエストしてくれてありがとう、という
北山さんと同じく、いろんな世界観を魅せてもらえて楽しかったです。

そして、第3部。

おもむろに紹介された、

北山陽一が歌い
柴田敏孝が奏でる
安岡優の世界

「ゴスマニア的に言うと“年少組の世界”ですよ」



悲しいせつない甘い、それが2分半のなかに…と紹介されるのを聞いて、
このコメントはきっと「エンドロール」だろうなと期待して待つ。
曲ができた背景を説明している北山さんにあわせるように柔らかく
奏でる柴田さんのピアノも心地よく。

川の雫

いつもてっちゃんで聴くその2番が北山さんで聴くと、熱い。
歌い手により温度感も変わるね。

それにしてもこの世界観大好き。
静かに熱い、そんな生き方、命の重み、激しさを、
歌声の緩急、それに呼吸するように合うピアノが凄かった。

大きな自然の力、宇宙の中のポツンとひとかけら、やはり北山ワールド。
そのなかで生きる儚くも、前をみつめる感じが北山さんなんだな。

そして「Remember」
生まれた子供を祝いたい、トシのことも祝いたい、一緒に曲を作りながら
そんな思いをヤスに伝えたところ、「3日前に生まれて…」と言いかけたら
「わかった。皆までいうな」と制したそうで。プロ、かっこいいな。

この曲が初めて披露されたときのライブを思い出しながら
その寿ぎを聴く。
聴いて衝撃を受けたつゆちゃんが、詩を忘れたくなくて終演してすぐに
テーブルにあったペーパーナフキンにその場でペンを走らせた、というのが
忘れられなくて。

柴田さんの間奏がまた凄かった。
川の激流に揉まれるような、その長さ、激しさ。
そして気づけば嵐が去ったような穏やかさ。
森を抜けた穏やかな川のせせらぎのような明るさが見えるように締めくくられる
その間奏は、毎回異なるそうで。

表現力の豊かさに脱帽でした。

北山さんも2番を歌うまでマイクをずっとおろしていてね。
その音色に聴き入っていました。

そして同級生と作った、と紹介された「月光」。
悲しみやせつなさを込めたその曲、ヤスが昇華させているな…と
もう20年以上も前の若さでこれを書き上げたのか、とあらためて
その内面や紡ぎだす言葉の才能にこちらも脱帽。

「・・・これから皆さんの記憶を捏造します」

という一言で、時間押したなとわかる(笑)

「アンコールありがとう!」という発声に、惜しみなく拍手喝采。
そのつもりだったので問題なしです。

まったりしそうな感極まる北山さんに、何するー?何やるー?と茶化して
引き締める柴田さん、さすが阿吽の呼吸。

そしてなんとなんと、「今日が終わる前に」
しかもマイクオフー!

まさか北山さんのリードで聴ける日がくるとは思わなかった。
大事な人を思う、柔らかくて、いい曲だよなあ。

久しぶりにソロを聴いて、北山さんの進化、深化を目の当たりにした
とてもよい時間でした。

50歳でも目の潤み度合いは変わらないけど、
いくつになっても、きっと挑戦を続けていくであろう姿に刺激をもらった。
ありがとうー!!健康第一でね!!



 

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