-196℃の部屋

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チョコレートの科学~カカオ豆に潜むアイツ~

2011-02-09 22:56:57 | なんとなく有機化学がわかった気になる
さぁ、2月14日と言えば! そう! バレンタインデー!
片思い中の男の子がいる女の子は勇気を振り絞って

「あ、あのこれ…!」「え? チョコ? じゃあ…」「その…先輩のこと、ずっと前から好きでした…! もしよかったら、受け取ってくださいっ!」「実は俺も…」「えっ!?」

なーんてやりとりがあったり、すでに恋人同士な二人なら

「なぁなぁ。今日バレンタインだろ? チョコとかくれねーの?」「チョコなんてあげないわよ」「えー」「…か、代わりに今夜はその、わ、私をあげるから、さ…」「えっ!?」

なーんてやりとりがあったりするのでしょう。

そんなおまいらみんなしんでしまえ!!!!ヾ(>д<)ノ


さておき、日本化学会のいn…会員になると、毎月「化学と工業」という冊子が送られてきます。
その冊子の今月号には「知られざるチョコレートの科学」なる記事がありました。
読んでみたら少し面白かったので、今回はそこら辺を題材に書いてます。

さて、皆さんは「テオブロミン」という化合物をご存知だろうか?
てかボクも読んでみるまでよく知りませんでした(ぉ

ではテオブロミンを知らなくても「カフェイン」ならご存知の方も多いのでは。
カフェインってのは所謂、コーヒーやお茶なんかに含まれている対眠気物質です。
化学ぽく言うなら覚醒作用を持つアルカロイド(窒素を含み、塩基性を示す天然由来の有機化合物)。
融点は238℃で、白色の結晶。また、緩やかに加熱していくと昇華もします。
うちの大学では3年の学生実験でお茶っ葉からクロロホルム使ってこのカフェインの単離精製をやったりします。
いや、今思うと仮にも天然物を学生実験で扱ってたんだなぁw
どうでもいいけど、カフェインは英語で書くと“caffeine”となるけど、実はこれ“coffee”からきてるんだぜ。

で、さっきの「テオブロミン」という化合物だけど、こいつはこの「カフェイン」とすごく似た構造をしているのです。
こんな感じに↓


左がカフェインで真ん中がテオブロミン。
何が違うかと言うと、青っぽくしたところだけです。
すなわち、六員環にある2つのN原子のうち、カルボニルに挟まれたN上が、カフェインではメチルが付いてるのに対して、テオブロミンはHが付いてるだけという。
ついでに、カフェインやテオブロミンの基本骨格となっているのは「プリン」と呼ばれる右に囲ったやつ。
よくビールとか飲んでばかりいるとプリン体で痛風が云々かんぬんなんてのを聞くかもわからんけど、そのプリン体ってのはこの「プリン」を主骨格に持つような生体物質の総称だったりするんだぞ。
断じて食べ物のプリンや、FFに出てくるようなスライムモンスターじゃないぞ(`・ω・´)

面白いのは、たったこれだけの違いなのに、テオブロミンはほぼカカオ豆にしか含まれていないというところ。
カフェインなんて学生実験で使われるほどあちこちにあるのにねー。
特性としては、カフェインよりも覚醒作用が弱く、集中力や記憶力を高めたり、リラックス効果があったりするらしいぞ。
つまり今みたいな受験シーズンはチョコ食っとけってわけだな。
そりゃ彼女からこんないい成分含んでるものプレゼントされたら喜ぶわな(そっちかい
でも、テオブロミンはわんちゃんとかには毒になるらしいから、あまりチョコとか食べさせちゃダメよ。

さらに言えば、チョコレート自体にはポリフェノールが多く含まれていて、カテキンなんかはお茶の4倍、さらにはポリフェノロールの抗酸化作用によって動脈硬化や癌、アレルギーなんかを抑えることもできるんだとか。
さらにさらに、生野菜や果物なんかはるかに多くの食物繊維も豊富に含まれているらしいんだから驚きだ。

他にもプラス効果があるスーパー嗜好品チョコレート、是非バレンタインデーにはこの素晴らしいアイテムを可愛いおにゃのこからもらいたいものですね。

はぁ…(´=ω=)y―-~~

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