スピーチ

ニュースのテロップを読んで想像したのとは全く違う
それは静かに語りかけるものだった。

メリル・ストリープのスピーチ。

それが説得力に満ちたものだと言うことが
ニュース用に編集されていたとしても、
会場の人々の表情から十分わかるものだった。

そして翌日は、その対極にあるスピーチ。

かつて小渕と言う首相がいた。
初めはどうでもよい首相だったが、
あるパーティの席で登壇した彼のスピーチを聞いたとき、
私はすっかり魅せられてしまった。
何百人もいる参加者の一人一人の顔を見るように語りかけていく。
妙に引き込まれていったのだ。
それ以来私は、舞台で話すときそれを意識している。
その後ブッチホンしていると聞いた。
彼は聞き上手でもあったのだ。

それに引き換え今の首相は、と思う。
野党の質問に、揚げ足を取る、まぜっかえしする、
論点をずらしてはぐらかす、
まともに語ろう、説得しようとする気持ちが全くない。
さらに悪いことに、他人の意見をまともに聞こうとしない。
だからそのしっぺ返しが来るのだ、例えばプーチンによって。
いいように経済協力を約束させられて
経済制裁したいオバマに慌てて弁解に行く。

外交力を強調しているが、それはお金をばらまいての話。
どこにそんな金があるのだろうと不思議なのだ。

まずは聞き上手になろう。
その上でちゃんと相手の目を見て、語りかけよう。
これは彼だけの問題ではなくて、
我々一人一人の問題でもあるのだ。