プロメテウスの政治経済コラム

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与党が予算案強行採決 国民の生活や暮らしはそっちのけで改憲・タカ派の本性を露にする安倍首相

2007-03-03 18:28:51 | 政治経済
今国会の予算審議は、柳沢発言をめぐり冒頭から不正常な状態で出発した。衆院事務局によると、予算案が午前0時を超えて未明に衆院本会議で採決される事態は、池田内閣時の1961年以来46年ぶりの異常事態ということである(Asahi.com 03月03日10時04分)。
安倍首相が就任後初めて編成した予算案の審議時間が昨年の四分の三の短さのまま、強引に採決された今回のこの事態は、改憲・タカ派以外には主張すべき確たる政治理念を持たない安倍政権の本質を改めて浮き彫りにしたといえる

「貧困と格差」の問題では、空前の利益をあげる大企業には減税をおこなう一方、所得減、負担増にあえぐ庶民には増税と負担増の上乗せでは、逆に貧困・格差を拡大させるということが問題となったが、安倍政権は財界の「成長底上げ戦略」をオウム返しにいうだけであった。大企業がもうかれば労働者の所得も増え、家計も潤うというトリクルダウン理論の破綻は、大企業が「急成長」したこの5年間で、逆に年収2百万円以下の労働者が157万人も増え、ワーキングプアが大問題になったことだけ見ても明らかである。それは、野党が一致して要求した、日本経団連の御手洗冨士夫会長の参考人招致を政府・与党が最後まで拒否したことにも表れている(「「しんぶん赤旗」2007年3月3日」)。

「政治とカネ」問題では、事務所費疑惑を伊吹文明文科相と松岡利勝農水相は制度の問題にすり替え、具体的な中身の公表を拒否して居直り続け、安倍首相はそれをかばい続けた。辞任した佐田玄一郎前行革担当相は、証人喚問要求に応じようとしない。
「閣僚の思想・モラル」問題では、安倍首相は、「女性は産む機械」「(工場労働者は)労働時間だけが売り物」などと、人間を道具扱いした柳沢伯夫厚労相の罷免要求もかたくなに拒否した。

野党の合意なく与党が突っ走り予算審議を一方的に進めるなか、安倍首相は2月26日の自民党役員会で、改憲手続き法案を5月3日までに成立させるよう指示し、国民生活をそっちのけで、憲法改悪の野望実現にひた走る執念を改めて示した(「しんぶん赤旗」同上)。
かねてから安倍首相は、政権運営で行き詰まり支持率が低下すれば、その改憲・タカ派の本性を剥き出しにしてくるだろうというのが、大方の予想であった。いよいよその予想が的中する雲行きである。朝日新聞」(3月3日付14版)も一面トップで「首相『改憲』あらわ」として、その危険性(腰が引けた姿勢ではあるが)を報じている。

この緊迫した情勢をうけて、「2007年5・3憲法集会実行委員会」は2日夜、「STOP!改憲手続き法案」を掲げた集会を東京・日比谷野外音楽堂で開いた「憲法改悪のための国民投票法案はいらない」のプラカードを手に憲法団体や市民・女性・宗教団体の2千人が集まった。日本共産党の笠井亮衆院議員、社民党の福島瑞穂党首が国会報告。情勢は緊迫しているが、同時に改憲を望まない国民の声は強く、矛盾も深まっていると指摘。手続き法案が、二割程度の賛成で改憲でき、テレビやラジオの広告も大金を使える側が有利になるなど、改憲派に都合のいい内容となっているとのべ、ひどい中身を国民に知らせていこうと訴えた(「しんぶん赤旗」2007年3月3日)。

安倍改憲論の最大の弱点は、自主憲法といいながら、その本質は、アメリカ軍産複合体に全面屈服することだと私は思っている。いかにもアメリカによって命を救われたA級戦犯の孫らしいではないか。自主憲法をいうなら、なによりも米国の属国から独立することが先だ。
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