政府・与党が燃油や食料の高騰などに対応する「安心実現のための緊急総合対策」をまとめた。その内容たるや、露骨なまでに総選挙を意識した当面の一過性の対応であり、将来的に国民に安心をもたらすものとはとてもいえない。「総合対策」は「改革」路線の継続と、社会保障の抑制路線を敷いた「骨太方針２００６」の「死守」（２５日の経済財政諮問会議、御手洗冨士夫キヤノン会長）を大前提にした対策だからである。大企業応援の「 . . . 本文を読む
文部科学省は２９日、全国の小学６年生と中学３年生計約２２４万人が４月２２日に受けた全国学力・学習状況調査（全国学力テスト）の結果を公表した（「読売」2008年8月30日02時46分）。調査結果の分析は全体として前年と大差なく、なぜ６２億円もかけて毎年、全国一斉に全員を対象に調査する必要があるのか、教育関係者の間から、実施に強い批判や疑問がでている。無意味な点数競争よりほかにもっとやるべきことがある . . . 本文を読む
グルジア紛争を巡る米欧とロシアの対立―目立つのは大国の勝手ばかりである。ＮＡＴＯのコソボセルビア空爆は正当化されている。だからロシアの対処も正当。グルジア問題でロシアが非難される筋合はない。しかも、今回のグルジア軍による南オセチア自治州攻撃は、共和党マケイン候補を押し上げるためのブッシュ政権の陰謀だ。これではいくら米欧とその追随勢力がロシアを批判してもロシアは動じない。救いは、ロシアが支持取り付け . . . 本文を読む
アフガンの復興を心から願い、そのために心血を注いだ「ペシャワール会」の伊藤和也さん（31）が拉致殺害された。何故これほどまでにアフガン情勢は悪化してしまったのか。民主党の前原誠司副代表は27日、都内の日本外国特派員協会で講演し、「ペシャワール会」の伊藤さんが拉致された問題について、「相当程度の警護のための自衛隊員を出さないと、民生支援を丸腰で出すというのは極めて危険だ」と発言した（「しんぶん赤旗」 . . . 本文を読む
北朝鮮外務省スポークスマンは8月26日、米国が北朝鮮をテロ支援国から解除する措置を延期していることを合意違反だとして、核施設の無能力化を中断すると表明した（「しんぶん赤旗」2008年8月27日）。「10月末までの北朝鮮非核化の第二段階の作業完了」を目指す６者協議のプロセスがいっそう難航するのは必至だ。来年1月に任期を終えるブッシュ米政権は、大統領選前の10月末までに寧辺核施設の無能力化作業を終え、 . . . 本文を読む
北京五輪開会式の少女の歌声の「口パク」、花火のＣＧ合成をやれ「偽装」と騒ぐ日本の大手マスコミ。しかし、日本政府が、駐留米兵犯罪の裁判権放棄を密約しておきながら、表の地位協定の条文で「偽装」している事実が次々明るみに出ても、まともに取り上げようとしない。日本国民にとっては、こっちの「偽装」の方がはるかに悪質だ。
北京五輪開会式の「偽装」については、それなりに意見があろうが、張芸謀（チャン・イーモー . . . 本文を読む
福田首相は8月19日夜、召集日や会期の幅を明確に決められなかったことについて首相官邸で記者団に「決められるものなら早く決めたいが、いろんな状況があって総合的に判断した」と説明した。首相は18日夕、召集日に関し「私にも考えはあります」と記者団に述べ、19日の政府与党連絡会議で決断を示す構えをみせた。ところが、18日深夜に及んだ自民、公明両党の幹事長、国対委員長会談も召集日、会期幅で合意できなかった。 . . . 本文を読む
グルジア側が、なぜ８月７日に南オセチアへの侵攻を始めたのかは謎である。グルジア・米側の読みが狂ったのは、ロシア軍の反撃が素早くしかも激しかったことである。プーチンは北京五輪の現場からロシア軍に反撃の指示を出し、ロ軍はすぐに南オセチアに越境進軍し、グルジア軍を撃退した。アメリカとしては、親米的な政権が今後、アメリカを当てにしなくなり、アメリカの言うことを聞かなくなる事態をなんとしても避けねばならない . . . 本文を読む
米海軍横須賀基地を母港にする予定の米原子力空母ジョージ・ワシントンが２１日、カリフォルニア州サンディエゴの海軍基地から出航した。火災事故、放射能漏れについて何のまとも説明もないまま、自分たちの都合だけを押し付けようとしている。さらに出港直前には、殺人事件の容疑者までが出ている。なぜ日本政府は、ちょっと待てと言わないのか！
５月の火災事故により米海軍横須賀基地(神奈川県)への配備が延期されていた米 . . . 本文を読む
国連安保理決議なしでイラクを侵略した米英。そのシッポにくっついている日本政府は、これまで自衛隊のイラク派兵を、安保理決議１４８３に基づく連合国暫定当局（ＣＰＡ）の要請やＣＰＡとの地位協定の一環として正当化し、イラク暫定政府成立後は、１５４６に基づく多国籍軍への参加として正当化させてきた。しかし、そもそも安保理決議１５４６は、侵略戦争を仕掛けた米英占領を戦争後に追認・容認するという矛盾に満ちたシロモ . . . 本文を読む
刑事裁判に一般の人が参加する裁判員制度を巡って７日、野党内で来年５月実施への慎重論が広がり始めた。共産党の市田忠義書記局長は同日、国会内の記者会見で「国民の理解が得られていない」と延期を求める方針を表明。社民党もこの日、「延期も含めて再検討すべきだ」との見解を発表した。民主党の鳩山由紀夫幹事長も横浜市内の記者会見で「もう一度、党内で議論する必要がある」と指摘した。臨時国会で論戦のテーマの一つとなり . . . 本文を読む
福島県大熊町の県立大野病院で２００４年、帝王切開手術を受けた女性（当時２９歳）が死亡した事件で、業務上過失致死と医師法（異状死の届け出義務）違反の罪に問われた産婦人科医、加藤克彦被告（４０）の判決が２０日、福島地裁であった。鈴木信行裁判長は、「標準的な医療措置で、過失は認められない」として無罪（求刑・禁固１年、罰金１０万円）を言い渡した（「読売」2008年8月20日）。日本には、医療事故をめぐる問 . . . 本文を読む
温室効果ガス削減を義務付けた京都議定書の目標達成が迫られているなか、東京電力の二酸化炭素（ＣＯ２）排出量（2007年度）が前年度の１・３倍に増加、国内の総排出量のほぼ一割に達したことがわかった（「しんぶん赤旗」2008年8月13日）。電力会社１０社では、１４・３％増えた。日本の排出量を約４％押し上げる要因になる（「日経」2008年8月13日）。京都議定書によって、温暖化ガス排出量を2008年―20 . . . 本文を読む
青年がまともに生活できる賃金と、人間らしく働ける労働条件を求めて、「全国青年大集会２００８」が１０月５日（日）、東京・明治公園で開かれる。この集会を成功させようと現在、全国各地でさまざまなプレ企画が取り組まれている（「しんぶん赤旗」2008年8月18日）。若者たちは「所得、雇用、社会保障」の三重の不安の中にあり、いわばどんづまりの中から立ち上がってきた。これまでの戦後労働組合運動とは無縁かつ異質の . . . 本文を読む
靖国神社問題は現在、「冬の時代」らしい。「靖国神社問題は現在、『冬の時代』にある。一気に『氷河期』に突入することも予想される。靖国の無視、ご英霊の否定にも発展しかねない事態だ」――神社境内で開催された戦没者追悼中央国民集会で、「英霊にこたえる会」の堀江正夫会長はこう指摘し、靖国不参拝を明言した福田首相を担ぎ、総裁に選んだ自民党に苦言を述べた（産經ニュース2008.8.15 21:07）。靖国神社の . . . 本文を読む