プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

ビラ配布に不当判決 いまふたたび「反共は戦争前夜の声」を思う

2006-06-30 14:32:59 | 政治経済
最近、公安警察による特定のビラ配布活動にたいする政治弾圧事件が相次いでいます。小市民派からみれば、「いまどき、ビラまきなどダサイ、別の方法で言いたいことを言う自由があるではないか」ということになるかも知れませんが、憲法改定の一大政治戦を控えての活動家弾圧です。一部を見せしめにして全体を支配するのは支配階級の常套手段。故蜷川虎三京都府知事の「反共は戦争前夜の声」を思い出します。 立川防衛庁官舎イラ . . . 本文を読む

「何回行こうが自由」首相靖国参拝  米国の対応

2006-06-29 18:33:32 | 政治経済
小泉首相は27日、米国訪問前のカナダで同行記者団にたいし「(靖国神社参拝について)何回行こうが問題にならない。個人の自由だ」と語りました。かたくなに侵略戦争美化にこだわる一方で、ブッシュ大統領の前では、ちぎれるくらいにしっぽを振る小泉首相を米国はそれなりに接遇しました。 口の悪い「日刊ゲンダイ」(2006年6月27日)は、今回の小泉首相の最後の訪米について次のように書きました。 「世界の有力メデ . . . 本文を読む

歳出・歳入一体「改革」   階層分裂と社会統合の破綻

2006-06-28 18:51:26 | 政治経済
政府・自公与党は26日、「財政・経済一体改革会議」実務者協議会を開き、2011年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)を黒字にするため、07年度から11年度の今後5年間の歳出削減額を11・4兆―14・3兆円程度にすることを盛り込んだ削減案「歳出・歳入一体改革にむけた取り組み方針について」をまとめました。小泉「構造改革」は、多国籍大企業と一部の富裕層を除いて、労働法制の改悪、連続する増税と社会保 . . . 本文を読む

『靖国』初の最高裁判決 昭和天皇とともに過去の戦争を忘れた日本国民

2006-06-27 19:04:09 | 政治経済
小泉首相が2001年に行った靖国神社参拝が「政教分離の原則」を定めた憲法に違反するかどうかを問う訴訟で最高裁は憲法判断を示さないまま、原告の上告を棄却しました。歴代首相の靖国参拝をめぐる訴訟では初の最高裁判決として注目されたが、参拝が公的か私的かの区別にも踏み込まないままの、「憲法の番人」としての責務を放棄したなさけない判決といわざるを得ません。昭和天皇と戦前の支配勢力の”戦争責任追及を放棄した後 . . . 本文を読む

爆音被害の賠償拒否 傍若無人な米政府と卑屈な日本政府

2006-06-26 17:29:12 | 政治経済
横田、厚木、嘉手納各米軍基地の爆音被害にたいして日本政府は裁判所の命令に従い訴訟開始時からの遅延金をふくめて約34億4千2万円を支払っています。米軍基地の爆音被害ですから、米政府に支払い義務があるにもかかわらず、アメリカ政府は「日本政府が支払うべきもの」として、支払いをいっさい拒否しています。賠償は日本政府が立て替えています(「赤旗」2006年6月26日)。 横田、厚木、嘉手納各基地周辺住民は、 . . . 本文を読む

首相訪米 手土産3点セット 日本の異常な対米追随はなぜ

2006-06-25 18:18:51 | 政治経済
小泉首相は、27日から7月1日までの日程でカナダ、米国を歴訪します。29日のブッシュ大統領との会談後の共同文書では、「世界の中の日米同盟」を謳いあげ、対米追随外交の集大成となる見通しです。この機会に世界でも異常な日本の国家的対米従属はどこから生まれるのか、その歴史的背景を考えてみよう。 小泉首相の訪米に先立ち、政府は①在日米軍再編の閣議決定(5月30日)②イラクでの陸上自衛隊撤退と航空自衛隊の活 . . . 本文を読む

ハワイ出身日系2世の米軍現役将校 イラク行き正式拒否

2006-06-24 17:34:26 | 政治経済
ハワイ出身日系2世のエーレン・ワタダ(Ehren Watada)陸軍中尉が、イラクへの派遣命令に対して、戦争犯罪の片棒を担ぎに行くようなものだと、明確に反対の意思表明し注目されています。イラク戦争開始以来、約七千九百人の米兵が派遣命令を拒否し、「逃亡者」となっていますが、現役の将校がイラクへの派遣を拒否したのは、ワタダ氏が初めてです(「赤旗」2006年6月9日)。 現役将校として初めてイラク従軍 . . . 本文を読む

福井総裁は中央銀行総裁に不適格 即刻辞任を

2006-06-23 17:46:41 | 政治経済
日銀の福井総裁は「村上ファンド」に1千万円を拠出した理由について「利殖のためではない」「(村上世彰前代表の)志を激励、サポートする意味だった」といっています。しかし、日銀総裁になる人が、「村上ファンド」がどんなものか知らないわけはありません。そんな判断もできないような人が日銀総裁を務めること自体、不適格です。 福井総裁は、22日の衆院財務金融委員会で「村上ファンド」への投資で得た利益の概要を公表 . . . 本文を読む

C型肝炎訴訟  遅すぎる過失責任認定時期

2006-06-22 17:42:48 | 政治経済
汚染された血液製剤「フィブリノゲン」などの投与でC型肝炎ウイルスに感染させられたとして、近畿、中・四国地方の男女13人が国と製造元の三菱ウェルファーマ(旧ミドリ十字)など2社に総額7億5900万円の損害賠償を求めた薬害肝炎訴訟の判決が21日午後、大阪地裁でありました。原告13人のうち5人に国と製薬会社の責任を認定、4人については製薬会社のみの責任を認め、計2億5630万円の支払いを命じました。残り . . . 本文を読む

「日米同盟」の「米英同盟」化―条約を超えた攻守同盟

2006-06-21 19:05:30 | 政治経済
政府は、イラクのサマワから陸上自衛隊を撤退させるとともに航空自衛隊の輸送先を戦闘が続いているバグダッドや北部地域にまで広げることを決めました。米軍の軍事活動に直接、貢献しない陸自とちがって、拡大される空自の輸送支援は、米軍・多国籍軍の戦争継続におおいに役立つものと思われます。空自の撤退条件については、わからないということで、いまのところ米と有志連合が軍隊をひくまでは、空自はずっと米軍・多国籍軍の支 . . . 本文を読む

イラクの陸自撤退をどうみるか 対米従属路線に変化なし

2006-06-20 18:15:44 | 政治経済
小泉首相は20日、イラク南部サマワに派兵している陸上自衛隊部隊の撤退方針を決定しました。しかし、イラク情勢が安定し、自衛隊が撤退できる状況になったわけでもなければ、日本が「対米従属」から「自主外交」へ路線変更したわけでもありません。 イラクでは、暫定政権時代が終わり、5月下旬にマリキ首相を中心とする本格政権が発足しました。6月上旬には「イラクの聖戦アルカイダ組織」の指導者ザルカウィ容疑者が米軍の . . . 本文を読む

北九州市孤独死  生活保護行政はどうなってるの!

2006-06-19 16:16:54 | 政治経済
電気、水道、ガスを止められ二度にわたって生活保護を求めた男性(56)が餓死しているのが北九州市門司区内の市営住宅で5月23日発見されました。北九州市保護課は、「急迫した生活状態」とわかったうえで申請書さえ渡していませんでした。社会福祉分野に持ち込まれた新自由主義がなにをもたらすかを端的に示す事件でした。 亡くなった男性の住んでいた門司区の四階建て市営団地。子どもの姿はなく、独居老人が多く生活して . . . 本文を読む

日米安保条約を踏みにじる「世界の中の日米同盟」

2006-06-18 19:05:02 | 政治経済
今月下旬の日米首脳会談で、小泉首相は、共同声明の中で「世界のなかの日米同盟」を明確に位置づけると報じられています。「日米同盟」は安保条約に内容が規定された同盟ではありません。日米安保条約の条文規定を踏みにじる「同盟」です。 どんな軍事同盟も条約上の義務と権利でつくられています。しかし、小泉首相の「日米同盟」とは、条約上の根拠をもたない、不法なものです。日米安保条約によれば「日米共同対処」は第五条 . . . 本文を読む

上海協力機構会議  影響力増す巨大地域組織

2006-06-17 18:49:07 | 政治経済
中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタンで構成する上海協力機構(SCO)の第6回首脳会議が15日、上海で開かれました。「SCOは相互信頼を長年積み重ねて生まれた。この5年間で世界での存在感を増し、影響力ある地域組織となったのは当然だ」――首脳会議を前に5月30日、ロシアのプーチン大統領はこう語りました。 2001年6月に上海で創設されたSCOの前身には、1980代末から . . . 本文を読む

福井日銀総裁  問われるマネーゲーム参加資格

2006-06-16 18:17:11 | 政治経済
日本銀行の福井俊彦総裁が村上ファンドに1000万円を投資していたり複数銘柄の株式を保有していたことが問題になっています。日銀の仕事はインサイダー情報のかたまりといっても過言ではありません。問題は、勤労所得が軽んじられ、特権層が政治や行政をも個人的利得の手段とする社会的モラルの喪失が蔓延していることです。 小泉政権は「貯蓄から投資へ」をスローガンに政治や行政を通じて、特権層に投機的利得を得るチャン . . . 本文を読む