プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

現代の「政商」 宮内オリックス会長

2006-07-15 17:13:12 | 政治経済
村上ファンドの「生みの親」で、イカサマ・マネーゲームに寄生して大儲けをした宮内義彦オリックス会長。10年を超えて規制緩和組織のトップに居座り、「改革」利権をほしいままにしてきました。「自分で枠組みをつくりながら、自社で利益を享受」(経済小説家・杉田望さん)する宮内会長は、小泉構造改革が生んだ現代の「政商」です。

杉田さんは言います。「規制緩和から発生する新しい利権で大もうけをした人たちがたくさんいます。オリックスの宮内さんは、もっとも巧みにやってきたひとりだと思います。」(「赤旗日曜版」2006年7月16日号)

宮内・オリックス会長は、96年に行政改革委員会規制緩和小委員会座長に就任以来、現在の「規制改革・民間開放推進会議」議長まで、「規制緩和の旗手」として一貫して規制緩和組織のトップに就いています。この間、オリックスは規制緩和ビジネスに対応しながら業態を変えて利益をあげてきました。規制緩和の裏で苦しむ人々を尻目にオリックスの純利益は10年で約5倍に急成長しました。

96年に宮内氏がまず手掛けたのは、トラック事業者が新規参入する際、車両をリースでもよいとすることです。運送業界に過当競争を持ち込み、運転手が長時間労働で苦しむなか、オリックス自動車は、リース料をがっぽり稼ぎました。
98年には耐震偽装で問題となった建築確認を民間検査会社に開放。オリックスはその民間会社に出資、マンション開発に便宜をはかりました。さらに今回問題となった村上ファンドのような私募ファンドの設立を可能にしたのも98年でした。オリックスは村上ファンドの胴元として資金集めの手数料2%を稼ぎながら、自らも200億円の投資をして、二重の“うまみ”を得ていました。

金融機関の不良債権を譲り受けて回収する民間会社の設立を可能としたのも98年でした。99年にはオリックス債権回収が設立されます。01年にはノンバンクからの買取りも可能なように規制緩和しました。金融債権を安く買い叩く“ハゲタカ”商法でオリックスの債権回収会社はグングン業績を伸ばしました。

全労連「もうひとつの日本」闘争本部の西川征矢全労連副議長らは12日、規制改革・民間開放推進会議の宮内議長が会長を務めるオリックスが村上ファンド設立時からかかわり、規制改革で利益を得る当事者であることは許されないとして、議長を辞任するよう申し入れました。
「利害関係者が自分のもうけのために規制緩和をやるようなものだ。その規制緩和で安全・安心を壊し、格差拡大と地方切り捨てなど認められない」とのべ、(1)宮内氏は利害関係者と規制改革のかかわりを明らかにし、責任をとって辞任する(2)利害関係者による規制改革の答申作りを中止し、国民や労働者の意見を聞く―ことを求めました

規制緩和を国策にする仕掛け人が、自作自演で利権を得る一方で、トラックやタクシー業界のように苦しむ国民が生まれる―それが政商・宮内氏を押し立てて規制緩和を進めた小泉政治の正体です。


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1 コメント

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最近「赤旗」TOP記事受け売りでは? (JUNSKY)
2006-07-15 23:41:22
毎日のブログタイトルが、赤旗日刊紙や日曜版のTOP記事とほとんど一緒ですね。

論調も。

私も『赤旗』読んでいますが、そのまま引用は、表現上明記していますし、できるだけ避けています。

北朝鮮問題では明確な引用をしましたが・・・

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