プロメテウスの政治経済コラム

プロメテウスは人間存在について深く洞察し、最高神ゼウスに逆らってまで人間に生きる知恵と技能を授けました。

公共施設に企業・商品名 「財界が主人公」の政治を象徴しているかのようで気分が悪い

2009-08-03 15:14:05 | 政治経済
私が時々訪れる大阪ドームは、いまは「京セラドーム大阪」である。なんで京都の京セラが大阪なのか! 常々、気分悪いと思っていたら、今日の「しんぶん赤旗」が“列島だより”で全国各地の状況をレポートしている(「列島だより どう考える? 公共施設に企業・商品名 ネーミングライツ」2009年8月3日)。今度の選挙で日本共産党は、「『国民が主人公』の新しい日本を」と題する総選挙政策を発表している。「国民が主人公」のこころは、いうまでもなく、日本の政治が長い間、憲法では「主権在民」とされながら、内政では“主権財界”、外交では“主権アメリカ”となってきたということだ。全国各地の公共施設が、その地域の住民となんの縁も所縁もない企業名や商品名を冠しているのをみると日本は本当に「財界・大企業が主人公」の国だナアと思う。地方自治体の財政難へ、どの程度、寄与しているのか詳細はわからないが、住民がその名前に本当に納得しているのだろうか。大方の人は、気分が悪いにちがいない。
 
 「しんぶん赤旗」2009年8月3日より

公共の施設に企業名や商品名などをつける施設命名権、いわゆるネーミングライツ。最初はスポーツ施設が主であったが、いまや音楽施設から公衆のトイレにまで広がっているという。私が、だいぶ以前に利用していた渋谷公会堂は、いまや「C・C・Lemonホール」らしい。渋谷区は、伝統の宮下公園を「ナイキ公園」とすることを進めているという。赤旗記者が、仮に契約企業が不祥事を起こした場合などはどう考えるのか、と問うたところ、同区土木部公園課の小林稔係長は、「どんな企業でもたたけば一つや二つボロはでてくるもんです。出してきた条件に合えばいいんです」と涼しい顔だそうだ。
 ネーミングライツで迷走したことで有名なのは、東北楽天イーグルスの本拠地の宮城県の県営宮城球場である。人材派遣のフルキャストと契約して「フルキャストスタジアム宮城」と命名したが、フルキャストが違法派遣で業務停止処分を受け、2007年8月に契約解除。そのあと製紙会社の「日本製紙」が引き継いだものの、同社も再生紙の古紙配合偽装を告発され、そのため社名を削っていまや「クリネックススタジアム宮城」である。
「名古屋市民会館」は中京大学文化市民会館となり、ほかの学校関係者が利用するのに戸惑っているという。大分県立総合文化センターを利用する子どもたちは、iichiko、iichiko、と言っているそうだ。

 いくら貧すれば鈍するとはいえ、住民の公平な利用に供するために公の財政によって設置したものを、特定の大企業や商品の宣伝のために用いるのはいかがなものか。歴史や伝統を刻み、親しまれてきた施設を、こうも簡単に企業宣伝の場にしてしまっていいのか。なぜ地方財政がこうまで悪化したのか。無駄な公共事業や大企業への補助金のせいではないのか。『国民が主人公』の立場から、政治の総点検が求められている。

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