プロメテウスの政治経済コラム

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鳩山「抑止力は方便」発言 「よくぞ本当のことを言った」 一番困っているのはジャパン・ハンドラーズ

2011-02-15 18:46:04 | 政治経済

鳩山前首相が、沖縄県の米軍普天間飛行場の「県外移設」を断念した理由として海兵隊の抑止力を挙げたのは「方便だった」と発言したことが、波紋を広げている。一番困っているのは鳩山・小沢を引き摺り降ろした日米安保で飯を食っているジャパン・ハンドラーズであり、ジャパン・ハンドラーズに加担した外務官僚、防衛官僚、そして財務官僚(菅を焚き付け、消費税に話題を逸らした)、さらに恥を晒した大手マスメディアや御用評論家たちであろう今、鳩山は無責任などと鳩山叩きに出ている政治家、評論家、マスメディアの連中は、すべてジャパン・ハンドラーズの手下、手先であったことを自ら証明しているようなものだ。あゝ、実に愉快だ。

鳩山氏は首相在任中の昨年5月28日、沖縄を訪問した際に、「学べば学ぶにつけて、海兵隊のみならず、沖縄に存在する米軍全体の中で抑止力が維持できるとの思いに至った」と記者団に語った。鳩山氏に期待していた沖縄の人びとが怒ったのは当然である。しかし、鳩山・小沢氏が引き摺り降ろされた経緯を知る者にとっては、“鳩山さん、最後に、言うじゃない”と思ったものである。東大教授の小森陽一さんは、これを早くから「イタチの最後っ屁」と喝破されていた。ジャパン・ハンドラーズと彼らに加担した外務官僚、防衛官僚、大手マスメディアや御用評論家たちに対し、追い詰められ、首相を追い出されることになった人間として、最後に嫌味を思いっきり吐き出したのだ。だから鳩山氏は、沖縄地元紙(13日付)などのインタビューで、民主党の政権公約の一つだった米軍普天間基地の「県外・国外移設」を断念した理由として在沖縄米海兵隊の「抑止力」の重要性を挙げたことについて、「方便だった」と本音を漏らした。もともと、沖縄の海兵隊に「抑止力」があるなんて、思っていなかったのだ。

 

自公政権を倒した小沢・鳩山両氏はどこまでやりきる覚悟があったかは別として、ただ米国に隷従するだけの日米安保体制は、果たしてこのままでいいのか疑問をもっていた。鳩山首相は、就任直後の国連演説で、温室効果ガスの25%削減目標とともに、北朝鮮について「六者会合を通じて朝鮮半島の非核化を実現するために努力を続けます。日朝関係については、日朝平壌宣言に則り、拉致、核、ミサイルといった諸懸案を包括的に解決し、不幸な過去を誠意をもって清算して国交正常化を図っていきます」と言った。小沢氏は200912月、600名を超える大訪中団を組織し、胡錦濤国家主席など中国要人と会見した。

これらの動きに怒り、焦ったのは日米安保体制で飯を食っている連中である。冷戦によって生まれた日米安保体制を維持する根幹は、東アジアに冷戦を維持し続けることである。中国、北朝鮮の脅威を煽ることが、米国の日本、韓国支配の根幹である。だから、安倍、麻生など歴代の自民党政権は、嫌中、嫌朝を政権浮揚の基本としてきた。鳩山・小沢は、この根幹を揺るがしかねない動きに出たのだ。安保で飯を食っているマイケル・グリーンやロバート・キャンベルなどのジャパン・ハンドラーズは、早速、反撃に出た。

 

鳩山・小沢叩きのために、大手マスメディアはもちろん、検察庁が狩り出され、天皇と中国の習近平副主席の会見を巡っては、宮内庁長官まで片棒を担いだ。鳩山・小沢はマスコミの大宣伝に徐々に追い詰められ、国外・県外移設の交渉を担うべき外務官僚・防衛官僚と、岡田、北沢のサボタージュによって昨年62日、ついに辞任に追い込まれた。このとき、鳩山氏は、「イタチの最後っ屁」を忘れなかった。

6/2から7/11の参院選挙まで、このままいけば、「米海兵隊の『抑止力』」とは、どういうこと?そもそも沖縄の米軍基地はどうして、何のためにあるの?ということが問題とならざるを得ない状況がつくられたのだ

これは、ジャパン・ハンドラーズにとってはまずい。財務大臣の菅を首相に据えるにあたって動いたのは、財務官僚である。外務・防衛に協力する形で、菅に「消費税増税」を唐突に言わせた。こうなると消費税は大問題だから、国民は沖縄の基地問題に目が向かない。沖縄の人たちが歯ぎしりしても、マスコミは一生懸命、普天間問題を決着済みであるかのように忘れさせた。

 

沖縄の人びとは、以前から米軍基地を「抑止(ヨクシ)力として理由付けするのはユクシ(ウソの方言)」として批判してきた。だから、今度の鳩山発言は、「抑止力に立脚した日米共同声明の虚構性が交渉当事者によってあばかれた」ということになる。沖縄の人びとが鳩山氏の軽さを責める気持ちはよく理解できるが、「よくぞ本当のことを言ってくれた」と歓迎すべきだろう。私たちが今、考えなければならないのは、東アジアに冷戦を維持し続けることで、日本を収奪している日米のジャパン・ハンドラーズの黒い企みである。冷静に考えて、中国が日本企業や日本市場をどんなに頼りにしているかにちょっと思いを致せば、中国が日本に攻めてくることなどありえない。北朝鮮の日本の原発を狙った破れかぶれの不意打ちは確かに脅威だが、不意打ちの後を考えれば、北朝鮮は、日本や韓国の敵ではない。米軍がいなくても負けることはない。国力の差があまりにも歴然としているからである。ジャパン・ハンドラーズに踊らされるのは、政府とマスコミだけで十分である。国民は、もっと賢くならねば。


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1 コメント

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Unknown (応援してます)
2011-04-15 16:54:50
一般的には常識とされている普遍的なテーマ、例えば

 真実は一つだけ
 怒りは自然な感情
 戦争は無くならない
 死刑に殺人の抑止力はある
 虐められる側にも虐めの原因がある
 自己チューな人間ほど自己愛が強い

といった命題の間違いとその論拠を解説しています
義務教育では殆ど教えない(本来教えるべき)哲学です

感情自己責任論 http://sky.geocities.jp/dwhsg178/
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