アリスとテレス

法則を見出し豊かに生きるための知恵ブログ

冷静と欲望の間

2009-12-27 18:27:11 | 日常・体験・思うこと
30歳になった。とうとう30代だ。

自分が16歳位の時は30歳の自分がどんな人間になっているのだろう?

りっぱな大人になれているだろうか?とよく布団の中で想像した。

しかし、27歳くらいになっても子供の頃と何も変わりなく、

年をとったところで大きく変わるものでもないか。と思った。

しかし、30歳にもなると20代とあきらかに違う感情を

持っていることに気づいた。


一つ目は20代の部下を指導しているうちに自然と面倒見る立場となり、

責任が増えると同時に、10代や20代前半のように無邪気な心が薄れた気がする。


二つ目は世の中を俯瞰してみるようになり、自分のやりたい方向に

突き進むというより、周りを見て世の中とうまく折り合いをつけながら

調整しつつ自分の希望に近付けるようになったと感じることだ。


俯瞰という意味で特に感じるのは、


良いことは悪いことでもあり、悪いことは一方で良いこともあったりする。

そういう多面的な見方が身に付いたことだ。

良いことも悪いことも、見方によって物事が入れ替わったりするのだ。


例えば、年功序列はやる気のない使えない人が昇格してしまう可能性があり、

その人の部下になった社員は可哀そうだ。でも働く側にとっては安定感がある。

実力主義はきちんと機能していれば優秀な人が昇格し、組織のかたちが綺麗に

なるだろう。でも働く側にとっては不安定で、常に同僚と競争させられている

気になる。


儲かって売上を伸ばしている会社は凄い、顧客のニーズをとらえて、消費者や

クライアントにとってはありがたい存在だ。

でも一方で、それは他の会社のパイを奪っていることでもあり、

倒産や失業者を裏で増やしていることでもある。

利益拡大主義の会社は株主にとってはよいが、

実は社員や顧客、ひいては社会にとって本当に理想的な形ではないことも多い。


資本主義(特にアメリカ型)はこの流れを加速させる傾向にある。


先日テレビで、利益ゼロというのが理想だ。うちはノルマを出さない。

という経営手法で急拡大しているメガネの会社が紹介されていた。


ノルマがないので、社員は本当にお客さんのことを考えた営業ができ、

結果としてリピーターとなるお客さんが増える。

利益は社員に還元されるので社員も幸せになる。

それでも利益が残ったら値引きをしてお客さんに還元するのだそうだ。


これこそ社会の公器という理想的な姿だろう。

社会に害をなす会社はたとえ利益が出ていても本当はあってはいけないのだ。


ちなみにその番組を観ていた高齢の父親は、

「昔はみんなそういう考えが当たり前だった。今は利益第一で、利益が出れば

何でもやっていいという風潮になっている。おかしいよな。」

と言っていた。


社員重視から株主(利益)重視の会社へのシフトによる弊害は大きい。

株式会社という制度そのものが本当は見直されなければいけない。

いつかそういう時代もくるだろう。


会社というのは顧客⇒社員⇒株主 という順番で重視しなければいけない。

でないと社会がねじれてきてしまうよ。

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