玉飛接近

右玉&左玉、ときどき詰将棋

中原の右玉(1)

2013年02月27日 | 右玉
今回は中原誠十六世名人の右玉を紹介。
中原十六世名人は本格派の居飛車党ですが、振り飛車や右玉も得意としていました。
右玉を得意とするプロ棋士は何人もいますが、卓越した大局観を背景にした指し回しは絶品で、私は中原十六世名人こそが最高の右玉使いだと思っています。
今回紹介する将棋は、現役最後の対局となった木村一基八段戦(2008年8月・王将戦二次予選2回戦)。


第1図は右玉の陣形が完成した局面。
陣形が完成した先手はここから動きます。

▲3八玉△1二香▲6六銀△1一玉▲5五歩△6三銀▲7七桂△7四歩▲5六銀△8六歩▲同歩△同飛▲8五歩(第2図)

戦いを始める前に玉を一路右に寄り戦場から遠ざけ、▲6六銀~▲5五歩と後手の銀を払います。▲5六銀は△3五歩と弱点の桂頭を狙われるのが怖いですが、▲7七桂と跳ねた時から先手にはある構想があり、戦えると踏んでいます。
一方、後手は穴熊に囲い直してから飛車先を切り、第2図の局面に。
次の手は当然△3五歩ですが、先手の対抗策は?(次回に続く)

2013年1月の詰将棋

2013年02月19日 | 詰将棋
前月に解いた詰将棋の中から気に入った作品を2,3作紹介する形で「詰将棋紹介」を再始動。
(本当はもう少し早くアップする予定でしたが、気付いたら2月下旬だった……。)

「詰将棋おもちゃ箱」で2013年の年賀詰62作が展示されていますが、その中で一番気に入ったのがこの作品(見事、第1位になりました)。長手数ですが難しくないので、ぜひ挑戦してみてください。
橋本孝治氏は「ミクロコスモス」の作者として有名。評論やフェアリー詰将棋の分野でも活躍されています。「イオニゼーション」「アルカナ」も忘れてはならない作品でしょう(氏のホームページ「橋本孝治 普通詰将棋」で鑑賞できます)。

「短大」入選作。まさに作ったような手順。心地よい捌きが堪能できます。
井上徹也氏は看寿賞作家の元アマ名人。「シンメトリー」「特異点」「涛龍」をはじめとする長編は素晴らしい作品なので、検索して鑑賞してみてください。

「詰将棋デパート」入選作。37手。○○○がメインなのはひと目で分かりますが、面白い展開が待っています。
武島宏明氏は現在高校生。『将棋世界』の「詰将棋サロン」で2012年度新人賞を受賞された期待の新鋭。

今後の更新予定

2013年02月11日 | 日記
今後の更新予定は下記の通り。

■右玉
 ・【実戦】中原の右玉(1)
 ・【実戦】米長の右玉(1)

■左玉
 ・【基本】基本手筋集

■詰将棋
 ・作品紹介(同様の連載をしている方と被らないようにしているので難しい(汗))
 ・作品集紹介(収録作品ベスト等をやりたいですね)

■将棋
 ・マイナー戦法・変態戦法 観戦報告(いろんな人の将棋を観戦中)
 ・マイナー戦法・変態戦法 実戦投入報告(戦法を物色中)

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実戦詰将棋(2)

右玉・次の一手(2)

2013年02月09日 | 右玉
『将棋世界』の別冊付録「次の一手 天国と地獄」で出題されていた問題。

正解は▲2九香。以下、△4四角▲4五桂△3二金引▲6三成銀(正解図)で先手よし。
△4八角成には▲同玉で、次の▲6四角が厳しいです。
冊子では▲3七銀との2択で出題されているのですが、▲3七銀だと△同角成▲同金△4五桂▲6四角△3七桂成▲同玉△5九角▲4八香△4五桂▲3八玉△5二銀打▲5一龍△3二金引(失敗図)で先手負け筋。