玉飛接近

右玉&左玉、ときどき詰将棋

角換わり右玉・先手(2)

2017年05月17日 | 右玉
今回は対飛先不突の先手番角換わり右玉の将棋です(24段位者の将棋から取材)。


第1図は▲6六銀に△6五歩とした局面。
ここからの右玉の指し方が(ほぼ一本道ですが)素晴らしいのでご覧ください。

▲5七銀△3三桂▲2五歩△4五歩▲同歩△同桂▲同桂△同銀▲5五角△9二飛(第2図)

▲5七銀は必然手。
後手は△3三桂~△4五歩と玉頭を攻めてきますが、素直に応じて▲5五角の返し技が決まりました。

▲4六歩△5四銀▲1一角成△3三銀▲1五歩△同歩▲同香△2二銀▲1二馬△1一歩▲2二馬△同金(第3図)

▲4六歩と銀を追い返してから▲1一角成と香を取ります。
馬を殺す方針の後手に対し、右玉側は端を破る方針。
第3図は、右玉良しの局面です。

▲1九香△1二歩▲1三歩△同歩▲同香成△3三金上▲4五桂△同銀▲同歩△5四桂▲5五歩△4六歩
▲3八銀△4七角▲同銀△同歩成▲同金△4六歩▲3七金△4七銀▲同金△同歩成▲同玉(第4図)

▲1九香~▲4五桂までの流れは一本道でしょう。
△5四桂に対して本譜は▲5五歩ですが、▲2三成香の方が勝っていたと思います。
第4図以降、右玉側の方針が拙く逆転しましたが、再逆転して右玉が勝ちました。


<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △8八角成 ▲同 銀 △4二銀 ▲7八金 △6二銀
▲3八銀 △6四歩 ▲4六歩 △6三銀 ▲4七銀 △5二金右 ▲5八金 △7四歩
▲3六歩 △3二金 ▲1六歩 △1四歩 ▲3七桂 △5四銀 ▲2九飛 △4一玉
▲4八玉 △3一玉 ▲7七銀 △4四歩 ▲5六歩 △4三金右 ▲6六銀 △6五歩
▲5七銀 △3三桂 ▲2五歩 △4五歩 ▲同 歩 △同 桂 ▲同 桂 △同 銀
▲5五角 △9二飛 ▲4六歩 △5四銀 ▲1一角成 △3三銀 ▲1五歩 △同 歩
▲同 香 △2二銀 ▲1二馬 △1一歩 ▲2二馬 △同 金 ▲1九香 △1二歩
▲1三歩 △同 歩 ▲同香成 △3三金上 ▲4五桂 △同 銀 ▲同 歩 △5四桂
▲5五歩 △4六歩 ▲3八銀 △4七角 ▲同 銀 △同歩成 ▲同 金 △4六歩
▲3七金 △4七銀 ▲同 金 △同歩成 ▲同 玉 △6三桂 ▲6四銀 △5五桂
▲同 銀 △4六歩 ▲同銀引 △同 桂 ▲同 銀 △5六銀 ▲同 玉 △3八角
▲4七銀 △2九角成 ▲5八銀打 △5九飛 ▲6八金 △4八金 ▲3八桂 △4七金
▲同 玉 △4九銀 ▲4八金 △3八銀成 ▲同 金 △3九飛成 ▲2二銀 △4一玉
▲4九銀打 △2六桂 ▲5七玉 △3八桂成 ▲6三角 △5二金 ▲8一角成 △4九成桂
▲6九金 △5九成桂 ▲9二馬 △5六銀 ▲6八玉 △6九成桂 ▲7七玉 △3二金
▲2一飛 △4二玉 ▲2三成香 △2二金 ▲同飛成 △5一玉 ▲8三馬
まで127手で先手の勝ち

角換わり右玉・後手(3)

2016年06月18日 | 右玉
今回は後手番角換わり右玉・33銀44歩型の将棋です(24有段者の将棋から取材)。


第1図は▲3七桂に△4四歩とした局面。
私はこの形で△4四歩とは突かないのですが、以前からどういう展開になるのか気になっていたので取り上げることにしました。

▲4八金△4二銀▲2四歩△同歩▲同飛△4三銀▲2九飛△2三歩▲4五歩△同歩▲同銀△4一飛▲5六銀△5五歩(第2図)

▲4八金は後に▲2九飛と引くためには必要な一手。割り打ちのリスクがありますが、この手は外せません。
△4二銀は△4三銀への組み替えを目指した手ですが、隙を見せて先手に▲2四歩とさせるための手でもあります。
▲4五歩△同歩▲同銀に△4一飛と回ったのはちょっと珍しい手。4八金を間接的に睨んでいます。

▲6七銀△5四銀左▲4七歩△3三桂▲3五歩△4四飛▲7五歩△同歩▲8六銀△3五歩▲7五銀△7四歩▲8四銀△3六歩
▲2五桂△4五桂▲3三桂成△同金▲2二角△4三飛▲3三角成△同飛▲4四金△3七歩成▲3三金△4八と(第3図)
 
本譜は△5五歩(第2図)に▲6七銀と引きましたが、▲同銀も有力でしょう。
▲同銀以下、△5四銀左▲同銀△4八飛成▲6三銀成△同玉▲6一銀△6二金(変化図)の進行が予想されます。形勢判断は難しいところでしょうか。
56手目△3三桂。こうしたい気持ちも分かりますが、私だったら△6二金と陣形整理します。
本譜のように▲3五歩~▲7五歩と両方の桂頭を狙われ、気分がよくありません。
△3六歩▲2五桂に△4五桂と跳ね違い(手筋ですね)、お互い突っ張って第3図。終盤に突入です。

▲2三飛成△5七桂成▲2一龍△6七成桂▲同金(途中図)△8六歩▲7一飛△6二玉▲7三銀成△5三玉▲6三成銀△同玉▲6一龍△6二金打(第4図)

第4図の局面で後手が凌いだかに見えますが、実は詰んでいます。
本譜では▲4一龍と指し詰みを逃しましたが、簡単な手順(少し長いです)で詰みます。皆さん詰ましてみてください。
因みに、▲同金の局面からコンピュータ同士で指させた所(先後ともに「技巧」/1手30秒)、△3一歩(取ると△7九銀)以下後手が勝ちました。
詳しくは変化手順をご覧ください。


<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲7八金 △8八角成 ▲同 銀 △4二銀
▲3八銀 △6二銀 ▲1六歩 △6四歩 ▲6八玉 △1四歩 ▲7七銀 △6三銀
▲4六歩 △7四歩 ▲4七銀 △7三桂 ▲5八金 △5二金 ▲7九玉 △6二玉
▲5六銀 △8一飛 ▲6六歩 △9四歩 ▲9六歩 △8四歩 ▲2五歩 △3三銀
▲8八玉 △5四歩 ▲3六歩 △7二玉 ▲3七桂 △4四歩 ▲4八金 △4二銀
▲2四歩 △同 歩 ▲同 飛 △4三銀 ▲2九飛 △2三歩 ▲4五歩 △同 歩
▲同 銀 △4一飛 ▲5六銀 △5五歩 ▲6七銀 △5四銀左 ▲4七歩 △3三桂
▲3五歩 △4四飛 ▲7五歩 △同 歩 ▲8六銀 △3五歩 ▲7五銀 △7四歩
▲8四銀 △3六歩 ▲2五桂 △4五桂 ▲3三桂成 △同 金 ▲2二角 △4三飛
▲3三角成 △同 飛 ▲4四金 △3七歩成 ▲3三金 △4八と ▲2三飛成 △5七桂成
▲2一龍 △6七成桂 ▲同 金 △8六歩 ▲7一飛 △6二玉 ▲7三銀成 △5三玉
▲6三成銀 △同 玉 ▲6一龍 △6二金打 ▲4一龍 △8七歩成 ▲同 玉 △8六歩
▲同 玉 △7五銀 ▲7七玉 △8六銀打 ▲7八玉 △8七角 ▲7九玉 △2四角
▲3五桂 △3三角 ▲7八歩 △7六桂 ▲7二銀 △5三玉 ▲8八歩 △5八と
まで112手で後手の勝ち

変化:84手
△3一歩▲8三桂 △8二銀 ▲5三歩 △8六歩
▲5二歩成 △8七歩成 ▲同 玉 △6九角 ▲7八歩 △8六歩 ▲同 玉 △8五金
▲9七玉 △8四金 ▲7七金打 △8五桂 ▲9八玉 △8六桂 ▲同 金 △7八角成
▲8七飛 △8三玉 ▲7九歩 △8七馬 ▲同 金 △7五桂 ▲6一角 △7二銀打
▲同角成 △同 銀 ▲8八歩 △8七桂成 ▲同 歩 △9五歩 ▲8六銀 △9六歩
▲9四歩 △同 香 ▲9五歩 △同 香 ▲8八桂 △9七金 ▲同 桂 △同歩成
▲同 銀 △同香成 ▲8九玉 △7七桂打 ▲同 金 △同桂不成 ▲7八玉 △8九角
▲7七玉 △6八角 ▲同 玉 △6七飛
まで140手で後手の勝ち

ソフト同士の対局から

2016年06月16日 | 右玉
ちょっと時間ができたので、2か月ぶりに更新します。
棋譜だけの手抜き記事ですが、お許しを。

▲7六歩△3四歩▲2六歩△8八角成▲同銀△2二銀▲4八銀△3三銀▲4六歩△3二金
▲4七銀△6二銀▲7七銀△6四歩▲7八金△7四歩▲3六歩△6三銀▲1六歩△1四歩
▲3七桂△7三桂▲4八金△8一飛▲2九飛△6二玉▲6八玉△7二玉▲5六銀△6二金
▲6六歩△5四歩▲7九玉△8四歩▲9六歩△9四歩(図)

この局面からソフト同士に指させてみました(先後ともに「技巧」/1手30秒)。
角換わり右玉ではよくある局面ですね。ここからどうなったかご覧ください。

▲8八玉△4四銀▲2五歩△3五歩
▲同歩△同銀▲4五桂△5二金▲4七金△4四歩▲3九飛△3四歩▲3六歩△2六銀
▲2九飛△4五歩▲2六飛△4六歩▲4八金△8五桂打▲3五歩△7七桂成▲同桂△4一飛
▲2四歩△同歩▲6五歩△6六銀▲6四歩△同銀▲6八銀△4七歩成▲同銀△7七銀成
▲同銀△8五桂打▲8六銀△6七歩▲5八金△3七角▲2四飛△5五角成▲8九玉△2三歩
▲2七飛△1九馬▲4六歩△1八馬▲2六飛△1七馬▲2九飛△3五馬▲5六桂△5三馬
▲6七金右△6三香▲6六歩△6五歩▲同歩△5五銀▲8八角△6二金▲3九飛△4三金
▲5八銀△8一飛▲6四歩△同香▲6六歩△9五歩▲同歩△9八歩▲同香△9七歩
▲同香△同桂成▲同銀△9二香打▲6四桂△同銀▲9九香△5五桂▲9六銀△6七桂成
▲同銀△2四歩▲5六桂△5五銀▲6五桂△同桂▲同歩△9五香▲6四桂打△6三玉
▲9五銀△同香▲同香△9六桂▲9二香成△3一飛▲4五香△8八桂成▲同玉△9六歩
▲9八歩△4八角▲3二歩△5一飛▲7二銀△同金▲4三香成△同馬▲7二桂成△5六銀
▲同銀△8五桂▲6四銀△5二玉▲3八飛△5七角成▲9九玉△4二玉▲5三金△同飛
▲同銀成△同馬▲4五香△4四歩▲3一歩成△8九金▲同玉△9七桂不成▲同歩△9八銀
▲同玉△9七歩成▲8九玉△9八金
まで174手で後手の勝ち

聖典復刊

2016年04月13日 | 右玉
久しぶりの更新です。
これからスローペースではあるものの記事をアップしていく予定ですので、よろしくお願いします。

さて、今回は右玉党の聖典『右玉伝説』が雁木党の聖典『雁木伝説』との合本で復刊されるという情報を聞き、浮上しました。
これは嬉しいニュース!
私は2冊とも所有していますが、勿論買います。
この合本が売れれば、細川氏の『とっておきの右玉』文庫化、高田尚平七段の『高田流新感覚振り飛車破り』『高田流新戦略3手目7八金』合本文庫化もあるかも知れませんしね。
(マイナビ出版のアンケートに書こうと思っています)

角換わり右玉・後手(2)

2015年09月05日 | 右玉
今回は対先手穴熊の将棋です(24有段者の将棋から取材)。


第1図はお互い陣形が完成したところ。
先手の穴熊は6八金・7八金型。7八金・7九金型の穴熊よりも厄介な相手です。
一方、後手の右玉は4三銀型。個人的にはあまりいい記憶がない形です(苦笑)。

▲2四歩△同歩▲3五歩△同歩▲4五歩△3六歩▲4四歩△同銀▲2四飛△3五角▲3四飛△3七歩成▲4五歩△4三金▲2三角△3四金▲同角成△4五桂(第2図)

先手は▲2四歩~▲4五歩と仕掛けました。これは穴熊ではよくある仕掛け(普通は▲2四歩△同歩▲3五歩かな)。
▲4五歩に△3六歩と突いた以上、▲4四歩以降の展開は必然と言っていいでしょう。

▲同銀△4九飛▲4四銀△同角▲5八銀△4八飛成▲4九歩△3三歩▲4八歩△3四歩(第3図)

▲4五同銀以降の手順も必然。飛車角交換はしたくないですが、致し方ないでしょう。
さて、第3図の形勢ですが、正直自分には分かりません。
玉形の差と手番を考慮すると先手が良いように思えるのですが、飛車・金・桂の3枚で攻めを繋いで右玉を攻略するのは意外と難しく互角のような気もします。
皆さんはどう見ますか?

▲6七銀△3六と▲4二飛△3五角▲4五桂△4六と▲5三金△5一銀▲6三金△同玉▲4三飛成△7二玉▲7五歩△5二角▲3二龍△4二金(第4図)

▲6七銀がどうだったか。ここは手番なので▲4二飛とするべきだったように思います。
▲6七銀△3六との2手が入ったため、後々△5七と▲同金△同角成と金を持駒にするのと馬を作るのに成功しました。

リクエストをいただいたので対穴熊の棋譜を探して記事を書きましたが、応えられなかった気が……。
退役右玉使いさん、いろんな意味で申し訳ありません。
棋譜の整理をして、もっといい棋譜があったらまた記事を書きます。

<参考棋譜>
▲7六歩 △3四歩 ▲2六歩 △3二金 ▲7八金 △8八角成 ▲同 銀 △4二銀
▲4八銀 △6二銀 ▲6八玉 △6四歩 ▲4六歩 △6三銀 ▲4七銀 △7四歩
▲9六歩 △9四歩 ▲3六歩 △5二金 ▲2五歩 △3三銀 ▲3七桂 △7三桂
▲7七銀 △8一飛 ▲5八金 △6二玉 ▲7九玉 △8四歩 ▲6六歩 △5四歩
▲8八玉 △7二玉 ▲5六銀 △4四歩 ▲9八香 △4二銀 ▲9九玉 △4三銀
▲1六歩 △1四歩 ▲6八金右 △3三桂 ▲8八銀 △6二金 ▲2四歩 △同 歩
▲3五歩 △同 歩 ▲4五歩 △3六歩 ▲4四歩 △同 銀 ▲2四飛 △3五角
▲3四飛 △3七歩成 ▲4五歩 △4三金 ▲2三角 △3四金 ▲同角成 △4五桂
▲同 銀 △4九飛 ▲4四銀 △同 角 ▲5八銀 △4八飛成 ▲4九歩 △3三歩
▲4八歩 △3四歩 ▲6七銀 △3六と ▲4二飛 △3五角 ▲4五桂 △4六と
▲5三金 △5一銀 ▲6三金 △同 玉 ▲4三飛成 △7二玉 ▲7五歩 △5二角
▲3二龍 △4二金 ▲3一龍 △5七と ▲同 金 △同角成 ▲5八歩 △3五馬
▲3三桂成 △同 金 ▲7四歩 △4三金 ▲1一龍 △7五歩 ▲7七香 △8三桂
▲7三歩成 △同 金 ▲8六桂 △8五歩 ▲7四歩 △6三金 ▲7三銀 △同 金
▲同歩成 △同 玉 ▲7四金 △6二玉 ▲6四金 △8六歩 ▲7四歩 △6三金
▲同 金 △同 玉 ▲6五歩 △5三玉 ▲7三歩成 △8七歩成 ▲同 銀 △8六歩
▲同 銀 △8七歩 ▲6三金 △4四玉 ▲5二金 △9五桂
まで134手で後手の勝ち