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隠れオタクな会社員の買い物や感じた事

マスク考 その1

2013-06-10 20:51:58 | ミリタリーコレクション
そんなこんなで個人的な見地から語るガスマスクの話。

先ずもって言っておかねばならないのは過去にも言っていますが、
放出品の軍用ガスマスクは期限切れのコレクション品で実用には向きません。
緊急時に着用して「こんなはずでは!」とあの世で後悔するような莫迦な目には遭わないようにしてください。
ウチのこの辺りの記事も参考にしてください。

あくまでも個人的な見地ですし、手短にやりたいと思います。

・イギリス S-10(画像なし・どこにしまったっけ?)
近年人気の高いガスマスク。(ちなみに英国ではガスマスクをレスピレーターと呼称。)
詳しくは知らないのですが、映画やゲームに登場することが関係しているらしいです。
ちょっと高いけど今では入手が容易なので持っていると比較的広い範囲の人に自慢できる。

英軍の特殊部隊・SASが使用していると言われる事が多いですが、実際のところあれは改良型のSF-10で別物。
現在英軍はFM-12に移行中。

ボイスミッター(伝声器)内蔵、水筒からの給水可能と現代のガスマスクに必要な機能を備えた英国初のガスマスク。
キャニスター(吸収缶)は射撃に邪魔をしないよう左側面(右利き用の場合)に着けられるが、
本体は右利き用、左利き用共通のため、右側面にも出っ張りがあり、案外ライフルの照準がし難い。
このキャニスター取り付け位置は製造時に決定されるので手元で変更することはできない
(SF-10はこの切り替えができる)。

余談ですがこのマスクのすごいところは金属パーツが極端に少ないところ。
引っ張り出せなかったので確認できませんでしたが、多分無かったのではないかと。
ハーネスの調整具も樹脂製でキャニスターも樹脂製になって久しい。
多分、高湿度で携帯しても金属部品が錆びたりしないための処置だと思われるが、
腐食性ガス環境下でも不安なく使えるという事を意味している。
まあ、産業用じゃないので腐食性ガスは関係ないと思いますが…。

・米軍 M17シリーズ

(すみません、これも引っ張り出せなかったので似てるチェコのM-10M)
ヴェトナム戦~湾岸戦争まで使われた息の長いモデル。

米軍の一般歩兵用としては多分初となるボイスミッターを装備(それまでは通信兵用など特殊な兵士にしか装備されなかった)し、
改良型のM17A1からは水筒に専用のキャップを着ける事で装着したまま水が飲めるようになった(M17の改良型はM17A2まである)。
現在では当たり前になっているこの給水機能はM17A1が多分世界初である。
のみならず専用のチューブを用いれば、倒れている人の人工呼吸も可能とかなりの新機軸を盛り込んでいる。
この機能は多分米軍史上M17だけのものと推測され、後のマスク引き継がれた形跡は私の知る限りない。

また、旧来のガスマスクと異なり、”両頬に薄型のフィルターエレメントを内蔵したことで右利き・左利きの別なく利用でき、
出っ張りが無くなった事で装備と干渉しにくく、ライフルの照準も容易になった。”

↑””はとある資料からの記憶による引用ですが、実際のところ他のガスマスクよりもライフルの照準がし難く(首を真横にしないといけない)、
フィルターの交換もやり難く、湿度が高いとマスク内面に水分が染み込んでくる事すらあったという…。
どうしてこんなものが永らく現役だったのか、影響を受けたと思われるものが西側だけでなく東側にも複数あるのか、
完全に謎である。
自衛隊の3型もこれによく似ている。

当時のアメリカ警察、SWATの連中も使ってましたが、流石に使いづらかったようで早々に突入班はSCOTT社等の視界の広い物を採用、
その後次第に廃れて行きました。
あまり情報が出てきませんが、最近は軍用のものは使ってないようです。

最近めっきり見かけなくなったが、実際のところダースベイダーごっこかナム戦、湾岸戦争の再現をしたいのでなければ買う意味も薄いような。
基本的に黒色ですが最初期のM17にはOD色のタイプがあるのでそれを持っている人は自慢していいと思います(以前オークションで見た)。
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