さめのくち

日常の記録。

女神仕事しろ(したの?)|『ワンダーウーマン』

2017年09月04日 | 2017映画
映画『ワンダー・ウーマン』日本版予告編 1


欅坂なんとか絡みの予告を見てすっかり観る気を失っていたのですが、何となく評判が良かったのと、暇な時間と上映時刻がマッチしていたので観てきました。『新感染』観れば良かったか。

最初に気になったのがドイツ軍の駆逐艦(水雷艇か)の扱いですが、あれはきっと座礁して、乗員全員が上陸して海岸で戦ったのだと脳内補完。しかし駆逐艦が行方不明になった海域を調査すればあの島、一発で見つかりそうです。

また、ワンダーウーマンがトリガー・ハッピー的なところ。軍神に操られている人間は殺したって構わないとばかり、何ら顧みることなくばったばったとドイツ兵をぶち殺します。

それはさておき、原作は第二次世界大戦が舞台ですが映画は第一次世界大戦。休戦直前の1918年11月です。ネタバレになりますがワンダーウーマン、仇敵の軍神と間違えてルーデンドルフを抹殺します。よくわからないガスで強化されているとは言え、老人を剣でぐさっと。その後、軍神アレスを倒して史実通り休戦を迎えることになるのですが、この世界では第二次世界大戦が起こったのかどうかが気になります。『キャプテン・アメリカ』を観ていないので何とも言えませんが、こちらも原作はナチと戦っております。そうすると、ヒトラーと一緒にミュンヘン一揆を起こしたルーデンドルフを殺そうが、やっぱりナチスが政権を握ってチェコやポーランドに攻め込んで第二次世界大戦が勃発したのかもしれません。

そうすると覚醒したワンダーウーマン、お前仕事しろよと思ってしまうわけです。「現実とお話を一緒にしちゃあいけません」ですが、ワンダーウーマンを演じたガル・ガドットはイスラエル出身。だったら余計にナチスを放っておけないだろうと。

俳優のリアルを劇中のエピソードと結びつける危険性(あるいはつまらなさ)について、伊丹十三は『ヨーロッパ退屈日記』に書いていましたが、まさにその通りです。その通りなのですが、嫌でもあらゆる情報が入ってくる時代なのです。

そこに目をつむるとしても、エンタテインメントとしてはテンポが悪くカタルシスもなく、かと言って何かを考えさせるわけでもなく、どちらかと言えば残念な内容でした。

ワンダーウーマン
個人的満足度: ★★


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