大助の駆けある記

日本共産党・木佐木大助の山口県議会通信

12月県議会報告Ⅴ…米軍岩国基地問題①基本スタンスと爆音訴訟判決

2016年01月25日 | 記事
 米軍岩国基地問題について伺う。
 村岡知事は、この間「普天間移設の見通しが立たないうちに、空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められない」との基本方針を重ねて示してこられた。同時にこれは、2010年以来の山口県の一貫した姿勢、不動の立場でもある。
 この基本スタンスに変わりはないのか、まずお尋ねしたい。…①

■司法も断罪…「人間らしい生活を営む重要な利益の侵害
 次に、爆音訴訟判決について県の見解を伺いたい。
 岩国基地の米軍機と自衛隊機の飛行差止めと耐え難い爆音被害への損害賠償を求める岩国爆音訴訟の一審判決が、十月十五日、山口地裁岩国支部で出され、飛行差止めは却下もしくは棄却されたが、損害賠償は約6億円の支払いを命じた。
 今回の地裁判決の画期的意義は、爆音被害の損害賠償問題で、国の不当な「危険への接近論」即ち基地・騒音を知りながら近辺に居住したのは自己責任とする詭弁や、防音工事で被害は激減したなどの弁明をしりぞけたことだ。
 しかも重大なことは、爆音被害の「現状と今後」について、
 ①旧滑走路を1㌔沖合に移設しても、「効果は限られる」と断じ、「なお相当数の原告らが相当に強い騒音にさらされ」ており、「原告らが人間らしい生活を営む上で重要な利益の侵害」があることを、ズバリ指摘している。
 ②さらに、艦載機部隊が移駐すれば「周辺の航空機騒音の程度が現時点と比べて高まる」と、明確に認定したことだ。
 厚木爆音訴訟東京高裁判決に続く、この岩国爆音訴訟山口地裁判決は、「何のための沖合移設だったのか」を含め、国・防衛省と山口県当局のこれまでの姿勢を、根本から問い直すことになった。
 この地裁判決の指摘に対し、「県民の安全・安心」と「重要な利益の侵害」から「県民を守るべき立場」にある山口県当局はどう捉えているのか、見解を求める。…②

□村岡知事と大谷理事の答弁要旨
① … 私は就任以来、空母艦載機移駐に対しては、基地問題の3つの基本姿勢に加え、「これ以上の負担増は認められない」「普天間基地移設の見通しが立たないうちに、空母艦載機の移駐のみを切り離して進めることは認められない」という、県の基本スタンスを堅持して対応しているところだ。
 今月3 日に中谷防衛大臣が来県した際にも、私から大臣に、県の基本スタンスについて改めて説明し、これを尊重した対応するよう要請した。大臣からは「地元の方々が御懸念されるような事態にならないよう全力で取り組む」と回答があった。
 私としては今後とも、空母艦載機移駐に対し、これまでの基地問題に対する基本姿勢や米軍再編問題に対する基本スタンスを堅持し、普天間基地移設をめぐる動向や、政府の対応など、今後の情勢をしっかり見極めていく。(知事)
② … 今回の司法の判断については、引き続き係争中であることから、県としての見解を述べることは差し控えるが、県民の安全で平穏な生活を確保する立場から、騒音対策の強化について毎年の政府要望や、地元2市2町で構成する「基地関係県市町連絡協議会」などを通じ、国に強く要望している。今後とも、航空機騒音の軽減に向けた様々な取組を粘り強く行っていく。(理事)

■春名参院比例候補を迎えて…新春のつどい

 大荒れ模様の記録的な寒波と大雪に見舞われた1 月24 日。春名参院比例候補(元衆院議員) を迎えて「2016年度・日本共産党の新春のつどい」が開かれました。
 池之上地区委員長や4 区後援会長の臼井弁護士、総がかり行動共同代表の熊野元県教組委員長などから次々と、「安倍政権のお膝元から、元気一杯反撃の狼煙を上げよう」「岩国・宜野湾ダブル市長選必勝への連帯」の訴え・決意が表明される中、春名さんが登壇しました。
 春名さんは、今大問題になっている戦争法・TPP ・消費税・政治腐敗問題など国会情勢や、野党共闘の現状を報告すると共に、参院選で共産党を大躍進させる、意義と展望を熱く語りました。
 23日早朝、高知県四万十川の河口付近を出発した春名さん。途中、香川県坂出市の集会に参加して、夜には下関入り。
 「下関民商新春の集い」にも、駆けつけ、故明石市議の御長男さんや、元気な婦人部・青年部の皆さんとも挨拶を交わしました。

■宜野湾・岩国は惜敗!善戦大健闘…闘いは今から
 一月二四日、全国注視の大政治戦、艦載機移駐計画が来年に迫った岩国市長選挙と普天間基地を抱える宜野湾市長選挙のダブル選の投開票が行われました。
 「基地との共存」(即ち戦争との共存)を掲げる現職岩国市長に対して、空母艦載機移駐に反対する岩国の平和5団体共同の候補として、猛追した姫野さんは、あと一歩及びませんでしたが、善戦大健闘しました。
 一方、普天間基地撤去は勿論、辺野古新基地建設反対の「オール沖縄」の意思を正面から掲げたシムラさんも残念ながら、安倍政権が命運かけて、なりふり構わぬてこ入れした現職市長陣営に惜敗。
 しかし、一昨年以来続く沖縄の意思は不変です。
 辺野古新基地建設を、何が何でも推し進めようとしている安倍強権政権。普天間とワンパッケージである岩国への艦載機移駐を許さない闘いも正念場の時です。
 いよいよ基地問題を巡っても、今夏の参院選が最大のヤマ場となりました。


12月県議会報告Ⅳ…知事の政治姿勢④来年度予算・財源不足問題

2016年01月18日 | 記事
 来年度予算編成における財源不足問題について伺う。…①
 村岡知事は、10月23日の記者会見で、来年度予算編成において「現時点で約220億円の財源不足が見込まれる」と述べられ、主要財源である県税収入についても「(当初予算ほど)増える状況にはない」という見通しを述べられた。
 その要因の一つに、地方交付税の減額をあげられているが、そもそも地方財政の困難を招いた元凶は、小泉政権による「三位一体の改革」による地方交付税の大幅削減にあると考えるが、この点、如何お考えか。削減前に戻すよう働きかけるべきと考えるが、見解をお尋ねする。…②

■「県税収が増える状況にない」のに…「穏やかに回復」か
 また、「県税収入が増える状況にない」との理由には、得心がいかない。
 政府は今年度補正予算案を来年早々の通常国会に提案することを決めたが、総額三兆三〇〇〇億円のうち一兆九〇〇〇億円は、当初の見積りより増える税収分が充てられている。
 国の税収は伸びるのに、なぜ県税収入は増えないのか、その理由を示していただきたい。…③
 今年の二月議会で、同僚議員(藤本前県議)が「瀬戸内産業再生戦略」の事業効果を尋ねたのに対し、県は「県民税及び事業税は、ともに前年度と比べ増収になっている」ことを上げられた。
 ならば今年度、「県税収入」が増えないということは、県の産業戦略が効果を上げていないということになるが、見解を求める。…④

□総務部長・産業戦略部長の答弁要旨
①…来年度の財源不足2 2 0 億円は、本年2月に策定した中期財政見通しで、来年度と同額と見込んでいた地方交付税収入が、本年8月に公表された、国の「地方財政収支の仮試算」では、「地方交付税は減少する」との見通しがなされたこと等を踏まえ、改めて試算したものだ。
②…今日の厳しい地方財政の要因に「三位一体改革」があるかどうか、県としては判断しかねるが、地方自治体の安定的な財政運営には、地方一般財源総額の確保、とりわけ地方交付税総額の確保が不可欠であることから、全国知事会等を通じて、国に強く求めているところだ。
③…H 2 7 年度の県税収入は、企業収益の改善や地方消費税率の引上げが平年度化すること等から、H 2 6 年度当初予算に比べ約240億円増の1777億円を見込んだ。今後の見通しは、原油価格の下落等による輸入額の減少など、税収に影響を及ぼす懸念材料があることから、慎重に見積もりを行っている。 いずれにしても、今後の経済情勢等を十分注視しながら、税収動向を見極めていきたい。
④…今年度の県税収入の最終的な見通しは、今後の経済情勢等を注視し見積もられることになるが、H 2 5 年度及び2 6 年度の県民税・事業税は、前年度に比べともに増収となっており、産業戦略推進計画がスタートする前の2 4 年度に比べ、2 6 年度は約1 1 %増となっている。 いずれにしても産業戦略の目的は、雇用を創出し、所得の拡大を図ることにより、地域の経済力を高めることにある。本県経済が、どのような現状にあるかについては、お示しの県税収入だけでなく、直近で1 . 2 7 倍となっている有効求人倍率等の指標や、とりわけ日銀下関支店の山口県金融経済情勢において、「県内景気は穏やかに回復している」との基調判断等を総合的に見る必要があり、これらを踏まえれば「本県の産業戦略が効果を上げていない」とのご指摘は、当たらないものと考えている。

■村岡知事へ申し入れ

 1 月14 日、日本共産党山口県委員会と県議団は、村岡山口県知事に対して、「2016年度山口県の施策並びに予算編成に関する申しれ」を行いました。
 佐藤県委員長・松田一志国政対策委員長・藤本前県議と、木佐木・河合両県議・吉田事務局長が参加。
 「申し入れ」は、14分野448項目(うち新規59 項目、一部新規28 項目) で、冒頭に佐藤県委員長が挨拶と趣旨説明を行った後、
 4つの緊急重点要望…①安保法制(戦争法) 廃止を求め立憲主義を取り戻す(木佐木)、②上関原発計画の白紙撤回を求め「原発ゼロ」の日本を実現する(藤本前県議)、③米軍岩国基地の拡大強化に反対し基地のない山口県を展望する(松田国政対策委員長)、④ 「まち・ひと・しごと総合戦略」に県民ニーズの高い施策を(河合県議)、について、約30分間、村岡知事と懇談・意見交換を行いました。
 14分野の「当面の重点要望」は、①県民要望に応え「子育て日本一」の山口県に。②どの子にもゆきとどいた教育環境の整備を。③高齢者・障がい者の医療・介護・福祉の拡充。④地域医療の崩壊をくいとめ拡充をはかる。⑤中小企業の振興で地域経済を再生し雇用をつくる。⑥県民のくらしと雇用、安全を守る。⑦浪費型大型公共事業はやめ地域密着型に集中を。⑧農林漁業を基幹産業の一つに位置づけ再生をはかる。⑨大震災の発生を想定し災害に強い県づくりを。⑩県民の安全と優れた環境を守り住みよい県づくりをめざす。⑪文化・スポーツの振興を。⑫地方自治を守り、公正・民主の県政を実現する。⑬平和憲法を県政に生かす。⑭岩国基地の機能強化を許さず基地縮小・撤去を展望する。
 この14分野448項目の実現めざして、日本共産党県議団は全力で頑張ります。

■岩国市長選スタート

 一月十七日、全国注視の大政治戦…岩国市長選挙が始まりました。普天間基地を抱える宜野湾市長選挙とのダブル選でもあります。
 「基地との共存」を掲げる現職市長に対して、空母艦載機移駐に反対する岩国の五団体共同の候補として、姫野あつこ候補(元岩国市議・看護師)が、敢然と立候補しました。
 出発式には二〇〇人が駆けつけ、後援会を代表して、岡村寛・愛宕山守る会代表が挨拶。続いて、来賓挨拶のトップで、大平衆院議員(日本共産党)。全国フェミニスト議員連盟で一緒に活動してきた友人の日下景子神奈川県議(民主党)。岩国選出の井原県議(草の根)。大西岩国市議(日本共産党)の順で、姫野さん必勝を訴えました。
 現在、岩国基地に展開する部隊は、第3海兵遠征軍。これに、米海軍の第5空母打撃群傘下の艦載機が移駐して来たら、文字通り東アジア最大の基地となります。
 名は体を表す…「遠征と打撃」です!これまでアメリカが戦後繰り返してきた侵略戦争の先兵となる、海兵隊・海軍航空部隊の基地など、絶対に認めることはできません。

12月県議会報告③…知事の政治姿勢③アベノミクスに対する認識と評価

2016年01月11日 | 記事
 アベノミクスに対する認識と評価について伺う。
 村岡知事は、アベノミクスを「円高是正やデフレ脱却に対する期待感を背景に、現下の業況は改善し、企業活動に活性化の兆しが見え始めている」と評価され、今議会の議案説明でも「県内経済も緩やかに回復している」と述べられた。
 しかし、県内の中小企業景況調査の結果は違っている。今年7~9月の調査結果を見ると、「前期(4~6月期)と比べると、業況判断、売上、経常利益及び資金繰りの全ての指標において、マイナス幅が拡大した」、「来期も業況判断のマイナス幅は拡大する」という見通しが示されている。 知事は、何をもって「緩やかに回復している」と認識されているのか、お尋ねする。… ①

▼再質問…破綻したアベノミクスに幻惑されていいのか
 部長は、日銀短観を示され、それでもって現在の県内及び国内経済情勢が「穏やかに回復基調にある」とされが、果たしてそういう認識でいいのだろうか。
 戦争法を強行した安倍政権は、国民の怒りをかわすかのように、アベノミクスの「第2ステージ」「新3本の矢」を打ち出した。
 しかし「新3本の矢」がかかげる「GDP600兆円」「希望出生率1・8」「介護離職ゼロ」などの目標・スローガンは示したものの、実際に安倍政権が押し進める政策は、非正規雇用の拡大や介護報酬の削減、法人税減税など、全く相反しており、「矢は掲げたが、その的は定まっていない」という、まさに「的はずれ」と言わざるを得ないものではないか。
 さらに、もとの「3本の矢」についても、「大胆な金融緩和・機動的な財政出動・規制緩和」などの成長政策を掲げたものの、「GDPのマイナス・家計消費の傾向的低下・輸出の減少・財政赤字の悪化」などことごとく破綻し、「官製相場」による株価吊り上げと内部留保の滞留だけが続ているのが実態だ。
 安倍政権の経済政策の基本は、「トリクルダウン経済学」だが、この3年間のアベノミクスの元で、果たしてこの山口県に、その恩恵はあったのか。私は「アベノミクスの滴は、未だ山口県に至らず。トリクルダウン理論は夢か幻だった」と断じざるを得ないが、知事の見解をお尋ねする。…②

□上野総合企画部長の答弁要旨
① … 本年7月から9月期での県内中小企業景況調査では、業況感などマイナス幅が広がっているが、直近の1 1月2日に日銀下関支店が発表した「山口県金融経済情勢」では、金融・経済の状況を示す指標をはじめ、企業の景況感や消費者マインドの指標などを総合的に分析した上で、「県内景気は穏やかに回復している」とされたところであり、県としても、この日銀の判断と同様に受け止めたものだ。
② … 県においては、例えば鉱工業生産指数は堅調に推移しており、輸出額や有効求人倍率についても直実に上昇をしている。こうした経済指標等の状況を踏まえた上で、本県においては日銀の判断と同様に県内景気は「穏やかに改善している」ものと受け止めている。こうした認識に立ち、今後も県としては所要の対策を講じてまいりたい。

■祝・成人の日…街宣・署名も

 一月十日、下関の成人式。 私は、地元菊川ふれあい会館で行われた旧菊川町・旧豊田町の合同成人式に参加しました。
 その開式前の約30分間、会場入り口で、後援会のみなさんと一緒に、署名を取りながらの街宣。「成人式を向かえたみなさんおめでとうございます。今年は戦後70年の節目であるとともに、二度と戦争はしないと誓った日本国憲法公布から70年。戦争法廃止にむけてともに力を合わせましょう」と訴えました。
 自民党県連政調会長の林県議や中尾下関市長、関谷市議会議長などが次々と会場に向かう中での街宣に、大きな激励?を受ける一幕もありました。
 成人の皆さんとの集合写真は、林県議と並んで呉越同舟。立場は違っても、青年へ未来を託す思いは同じです。


■昨年末の12 月22 日、山口市民館ホールで、山口県議会「立憲議連」(民主・連合の会…西嶋・井上・戸倉、日本共産党…木佐木・河合、社民党…佐々木・中嶋、草の根…井原の4会派8県議)主催の講演会が、400名を集めて開催されました。
 講師は、上智大学教授の中野晃一先生… 「立憲主義を考える。2015年を振り返って」と題して、縦横に語られました。

 開会前には、議連メンバーとの意見交換会も行われ、実に実のある取り組みになりました。
 中野先生の近著… 「右傾化する日本政治」(7月刊行・岩波新書)、「いまこそ民主主義の再生を!新しい政治参加への希望」(12月刊行・岩波ブックレット) も、飛ぶように売れ嬉しい限りです。
 立憲主義を乱暴に蹂躙した安倍首相と高村副総裁の地元での、共同の闘いをさらに広げ、全国に発信していく決意を、立憲議連メンバー全員が固め合いました。