バッハのフルートの名曲(「フルートとチェンバロのためのソナタ ロ短調BWV1030」、「フルートとチェンバロのためのソナタ 変ホ長調BWV1031」)の放映があると知って録画したものを聞いて驚きました。フルート奏者の「工藤重典」氏は名前は知っていましたが、今回初めて聞きました。全く期待していなかったので、良くなければ消去するつもりでした。
楽器としてのフルートは倍音の入った音の深みからして金(ゴールド)のフルートに違いありません。「オーレル・ニコレ」が好きだった私には、脂ぎった感じで好きではなかった「ジャン=ピエール・ランパル」の演奏が思い出されました。でも、それより日本人らしい清楚さがちりばめられていました。期待以上でした。
好きな「フルートと通奏低音ののためのソナタ ホ短調BWV1034」も同時に録れていました。気になる箇所(ミスタッチではなく、何故そういう風に演奏するのかという疑問の意味です)もありましたが、全般的に聴き応えがあり、演奏パフォーマンスも好ましく思えるので、残すことにしました。
この演奏を聞きながら、若き頃を思い出しました。最近は殆ど吹いていないフルートですが、子供の頃の入院中にモーツァルトのピアノコンチェルトやフルート協奏曲を聞いて感動していましたが、母が小学生6年間の小遣いを貯めていてくれたものを、 中学の音楽の先生に紹介して頂いたフルートの先生にお願いして、当時3万円以下しか貯まっていなかったのですが、中古の「ムラマツ」を手に入れて頂きました。
その後、その先生の紹介で京都市交響楽団のフルート奏者「鵜飼孝子」 氏に師事して練習を続けましたが、東京芸大に進学出来るほどの才能も無いのを自覚して、進路を「マクスウェルの電磁方程式」に美を感じていた電気工学か、仏教(インド)哲学(龍樹の中観論・世親の唯識論など)に傾倒しようかと悩んでいた頃を、まざまざ思い出しました。
40代後半に再び山にのめり込んでからは、フルートやピアノは放ったらかしで、かなり前から吹いたり弾いたりはしていませんが、当時の音楽ソフト「ミュージ君・ミュージ郎」でチェンバロなどの伴奏をパソコンでさせて、バッハのフルートソナタや、モーツアルトのフルート四重奏曲などを楽しんでいた若き頃も思い出し、懐かしく思いました。
obusaさんとは、その内、こちらでゆっくり語りましょうネ。(^_-)-☆