Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

虹の女神 Rainbow Song

2008年06月30日 01時10分17秒 | 邦画2006年

 ◎虹の女神 Rainbow Song(2006年 日本 117分)

 監督/熊澤尚人 音楽/山下宏明

 出演/市原隼人 上野樹里 蒼井優 酒井若菜 小日向文世 相田翔子 田島令子 青木崇高 佐々木蔵之介

 

 ◎そうか、その手があったんだ!

 どうしてコダック娘なのに1014XLSじゃなくてZC1000なの?と思ってたら、してしてやられた。

 シングル8のカートリッジにコダクロームを巻き取れば使えるんだ。

 あ~悔し!

 とおもうくらい懐かしい映画だった。

 いったい、これは誰が考えたんだろ?

 原作脚本の桜井亜美か?

 共同脚本の齊藤美如か岩井俊二なんだろか?

 いや、そもそも、原作者の桜井亜美って人はどんな人なんだろ?

 なんにもわかんないけど、まあ、ロケ現場に成城大学を選んだって感じは、なんとなくわかるようなわからないような。カレッジ観が欲しかったんだろか?

 そうおもうことにしとこ。

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28日後...

2008年06月29日 00時18分50秒 | 洋画2002年

 ◇28日後...(2002年 イギリス 114分)

 原題/28 Days Later

 監督/ダニー・ボイル 音楽/ジョン・マーフィ

 出演/キリアン・マーフィ クリストファー・エクルストン ナオミ・ハリス ブレンダン・グリーソン

 

 ◇ウイルスによりロンドン潰滅

 『ワースト』を思い出した。

 ゾンビとどう違うのよ?といいたくなりそうな人間化け物映画だった。チンパンジーが危険な感染症にかかり、それが伝染して人間に発症するわけだけど、この症状が凄い。ひたすら凶暴性が精鋭化する、というものだ。ゾンビを低予算で現代的にアレンジするとこうなるのかな?

 島国ならではの話で、タクシー運転手の親子という設定は良だ。

 次から次へと安直な続編が作れそうな気もするが、まさか...とおもってたら、案の定、続編ができた。

 その名も『28週間後』

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県庁の星

2008年06月27日 00時54分28秒 | 邦画2005年

 ◇県庁の星(2005年 日本 131分)

 監督/西谷弘 音楽/松谷卓

 出演/織田裕二 柴咲コウ 紺野まひる 奥貫薫 石坂浩二 佐々木蔵之介 和田聰宏 濱田岳 渡辺哲

 

 ◇原作は桂望実

 町づくりってのは、21世紀初頭の流行りだったんじゃないかと、そんな気がしないでもない。地方がこのままじゃいけないってことにようやく気づき、なんだなんだとあがき、もがきはじめた時代だ。

 そういうことからいえば、時代の風景がそのまま反映してるんだろうけど、でも、可も無く不可も無く、なんか、そう、大画面のテレビを観てるような、そんな気がした。

 県庁での企画立案、派遣先での成長、県庁へ戻ってからの挫折、未来の交際を予感させるラストまで、すべてが予定調和な観のある物語は、平明でいかにも織田君の作品らしいんだけど、破綻がない分、わくわく観に欠けるかもね。

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ローレライ

2008年06月26日 11時05分05秒 | 邦画2005年

 △ローレライ(2005年 日本 128分)

 監督/樋口真嗣 音楽/佐藤直紀

 出演/役所広司 妻夫木聡 柳葉敏郎 香椎由宇 伊武雅刀 國村隼 橋爪功 上川隆也 堤真一

 

 △福井晴敏『終戦のローレライ』

 たぶん、SFファンタジーなのだろうが、全体的に中途半端な印象はぬぐえない。すくなくとも、ぼくはそうおもった。

 発想としては、決して悪くない。戦利潜水艦「伊五〇七」や「ローレライ・システム」にくわえて、超能力をそなえた美少女なんてくれば、かなり、胸はおどる。

 が、活劇かといえばそういうわけでもなく、恋愛劇かといえばそうなってもおらず、さりとて人類愛をうったえるとかいう高邁なものは見られず、音楽はさすがに佐藤直紀だけあってしっかりしてたような気がするんだけど、それにくらべて絵づくりがどうにもこうにもつらかった。

 CGは稚拙なのか予算がないのか、ともかく、いくなんでも、

「もうすこし頑張らないとあかんがね」

 といいたくなるほどのひどさで、悲しいかな、目を覆いたくなった。

 文化庁の支援ってのがどういう理由で得られたのか、これについてもまるで理解できんし、もしも、戦争と美少女を合わせれば作品になるという考えなら、これはあきらかなまちがいだったんじゃないかしらね。

 なんてことを書くと「おまえ、いいすぎだろ」とかいわれそうだけど、でもまじでつらかったわ。

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江戸川乱歩の陰獣

2008年06月21日 01時14分43秒 | 邦画1971~1980年

 ◎江戸川乱歩の陰獣(1977年 日本 116分)

 監督/加藤泰 音楽/鏑木創

 出演/あおい輝彦 香山美子 若山富三郎 大友柳太朗 加賀まりこ 桜町弘子 野際陽子 倍賞美津子

 

 ◎乱歩物の傑作

 乱歩の『陰獣』を初めて読んだのはいつだったんだろう?

 たぶん、中学の3年だったんじゃないかっておもうんだけど、その前に女性向けの週刊誌に漫画が連載されてて、それはたしか『陰獣』っていうタイトルじゃなかったような覚えがある。楳図かずおだったか、もしかしたらちがってるかもしれないんだけど、最後まで読みとおした記憶はない。

 ま、そんなこんなで、なんでかしらないけど、ぼくはこの映画を封切で観た。

 おもしろかった~!

 なにより、

「ああ。お静さんがそんな事を…」

 とおもった。

 銭形平次の恋女房お静と小山田六郎夫人静子が重なり、なんともいえない倒錯的な感じになったもんだ。なるほど、こういう効果を狙った香山美子のキャスティングだったのか~とかって当時はおもったわけです。それはともかく、当時のあおい輝彦はとってもバタ臭くて、神経質な役がよく似合ってた。

 乱歩作品はたいがい映像化は失敗してて『陰獣』も何度か映画化されてるけど、どれもこれも好かない。

 そういう中では、この作品は出色の出来映えなんじゃないかと。

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RANPO 黛ヴァージョン

2008年06月19日 12時18分00秒 | 邦画1991~2000年

 ▽RANPO 黛ヴァージョン(1994年 日本 93分)

 監督/黛りんたろう 音楽/川崎真弘

 出演/本木雅弘 竹中直人 羽田美智子 香川照之 平幹二朗 佐野史郎 岸部一徳 樹木希林

 

 ▽奥山版と合わせたら3つある

 展開と調子の悪さは狙いなのか?

 何が気に入らなかったのか、演出する気がなかったろうと思えるくらい、たっぷりと飽きさせてくれる。

 すくなくとも、ぼくはそう感じた。

 奥山版は見てないのでなんともいえないんだけど、これはやっぱり撮り直したくなるんじゃないのかな~。美術は流石な感じはあるんだけど、セットばればれの撮影はちょっとね。

 乱歩の持ってる雰囲気が書割的な世界だってことはわかるけど、それは今からおもえばって話で、当時は全然リアルな世界だったわけだし。

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クライマーズ・ハイ

2008年06月18日 10時23分56秒 | 邦画2008年

 ◇クライマーズ・ハイ(2008年 日本 145分)

 監督/原田眞人 音楽/村松崇継

 出演/堤真一 堺雅人 尾野真千子 高嶋政宏 山崎努 遠藤憲一 田口トモロヲ 矢島健一

 

 ◇チェック、ダブルチェック

 昭和60年8月12日、御巣鷹山に日航機が墜落した。

 そのとき、ぼくは会社を出、裏の路地にある『桔梗』という小さな割烹で、上司と打ち合わせをしていた。

 20時をやや回った頃だったか、遅れてきたすぐ上の上司が現れて、

「えらいことになった」

 と、第一報を知らされた。

 それからあとはニュースの続報を待つだけになり、打ち合わせどころじゃない慌ただしさだった。

 で、この映画だ。

 騒がしさと沈黙の対比が味噌なんだろうけど、沈黙の山登りは必要なんだろか?と、素朴な印象を持った。

 緊迫感を削ぐだけなんじゃないのかと。

 リアルさを求めれば、集団の騒擾は必要かもしれないし、演出の巧さもわかるんだけど、なんだか騒々しい方が勝って、ちょっと鬱陶しい。脳梗塞になる高嶋政宏の呂律の回らない台詞回しは、リアルではあるんだけど聞き取りにくいのがちぃと辛くもあった。

 そのほかの役者さんたちにもいろんな印象はあるけど、緊迫感はひしひしとわかるものの、みんな、りきんでるな~っていう感じでもあったかな。

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病院坂の首縊りの家

2008年06月17日 00時45分54秒 | 洋画1971~1980年

 ◎病院坂の首縊りの家(1979年 日本 139分)

 監督/市川崑 音楽/田辺信一

 出演/石坂浩二 佐久間良子 桜田淳子 あおい輝彦 草刈正雄 小澤栄太郎 大滝秀治 加藤武 小林昭二

 

 ◎追悼市川崑その14

 犯人当てよりも、人間の哀しみをという主題に偏り過ぎたのと、戦後の混沌を意識しすぎたために、本来の横溝物の持ち味である土俗性が薄れるような気がしないでもない。最後の金田一を意識しすぎなのと、兄妹の過去の哀歓が描けてない分つらいかも。

 というのはちょっとばかし酷評かしら?

 ただ、市川崑の「もういいだろう?」っていう声が聞こえてきそうで、と同時に「こんな金田一もいいんじゃないか?」っていう挑戦状にも見えたりで、見直すたびに好感度は上がってくる。

 ただおもうんだけど、金田一物の頂点はやっぱり70年代だったんだね。

 当時はまるで意識してなかったんだけど、80年代に入るとともに時代はバブルに向かい始めたのか、徐々に日本のかたちが変わっていって、金田一の出番は少なくなっていったような感じがするんだよね。

 このあとも横溝物は作られたけど、やっぱりこの作品でひとまず中締めだったんだろうなあ。

 (以下、2022年7月6日)

 ところで、本庄写真館へ向かう金田一が坂を降りてくるカットがある。坂の正面の俯瞰だ。問題は次のロングで、屋根が波のように続いてるんだけど、その左上の端の橋の上に真っ赤なファミリアが停まってる。まずい、これはなんともまずいぞ。誰も気がつかなかったんだろうか?

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女王蜂(1978)

2008年06月13日 00時37分14秒 | 邦画1971~1980年

 ☆女王蜂(1978年 日本 139分)

 監督/市川崑 音楽/田辺信一

 出演/石坂浩二 高峰三枝子 司葉子 中井貴恵 沖雅也 加藤武 大滝秀治 岸惠子 仲代達矢

 

 ☆追悼市川崑その13

 舞台が伊豆と能登と京都に分かれるため、散漫になりがちな所を見事に纏めたのは脱帽。

 カットの美学も復調し、編物の暗号も良だし、口紅との宣伝タイアップがわざとらしい以外は、さすがとしかいいようがない。

 いやまじで、加藤武の「また遭おう」は泣かせる。

 音楽もなんというかドラマチックで、金田一シリーズの中では突出して能動的だ。

 たぶん、市川崑はこの作品で金田一を締めくくるつもりだったんじゃないだろか?

 そんなふうにおもえるくらい、横溝物の集大成として臨んだ観が感じられるんだけど、そうじゃないのかな?

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獄門島(1977)

2008年06月12日 10時58分37秒 | 邦画1971~1980年

 ◎獄門島(1977年 日本 141分)

 監督/市川崑 音楽/田辺信一

 出演/石坂浩二 司葉子 大原麗子 草笛光子 太地喜和子 浅野ゆう子 加藤武 佐分利信

 

 ◎追悼市川崑その12

 なにしろ、横溝物は、当時、すさまじい勢いだった。

 映画各社がこぞって金田一をやるし、テレビも延々とシリーズ化された。でも、どれも、市川崑の金田一物にはかなわなかった。そう、すくなくともぼくはおもってた。ただ、この『獄門島』はちょっとだけ物足りなかった。

 どこがだよ?と聞かれても、困る。

 画面にワイドになったのがいちばんの原因のような気もするんだけど、やけに間延びした感じがした。

 間延びってことに関していえば、俳句の見立てを知るのが遅すぎるような気がするんだけど、どうかしら?

 それと、季違いは木違いの方が良いような気もする。

 ただ、この作品が影響を与えたものは少なくなく、たとえば『トリック』なんかはもちろんそうだ。けど、あらためて観直して、序幕の『トリック』がパロディに使ってる部分は、役者を使って欲しかったような気もする。

 あ、それと、松田優作が出演してるんだね。これには、さすがにびっくりした。冒頭に登場するんだけど、台詞は無し。なんでカメオ出演してるのかわからないんだけど、当時、なにがあったんだろう?

 まあ、それはともかく、全体に緊張感が薄くて散漫な感じがするのは、島という閉鎖された空間ながら、山間の閉ざされた集落から海という開放された空間に一転したことが、そんなふうに感じちゃった要因なのかもしれないね。

 でも『獄門島』って、季違いのトリックだからかどうかわからないけど、なかなかテレビとかで観る機会はないし、劇場でも上映されない。

 どこかで金田一シリーズの一挙上映とかしてくれないかな~。

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悪魔の手毬唄(1977)

2008年06月11日 10時21分20秒 | 邦画1971~1980年

 ☆悪魔の手毬唄(1977年 日本 144分)

 監督/市川崑 音楽/村井邦彦

 出演/石坂浩二 岸惠子 仁科明子 北公次 永島暎子 渡辺美佐子 草笛光子 加藤武 若山富三郎

 

 ☆追悼市川崑その11

 序幕からカットは鮮烈。見た後すぐ見たくなる。

 重箱の隅を突くと、樽に服を着て落としたのに裸で発見されたのはなんで?

 とか、

 庄屋にもっと容疑をかけないと唄に合わせて殺す理由がわからなくならない?

 とかいったことはあるけど、そんなちっぽけなことは、駅の別れで、

「リカさんのことを愛しておられたんですね」

「え?なんですかぁ?」

 というやりとりのあとに見えてくる駅名が出た途端、なにもかもふっとんじゃうんだ。

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犬神家の一族(2006)

2008年06月10日 11時18分46秒 | 邦画2006年

 ◎犬神家の一族(2006年 日本 134分)

 監督/市川崑 音楽/谷川賢作 大野雄二

 出演/石坂浩二 松嶋菜々子 尾上菊之助 富司純子 加藤武 草笛光子 松坂慶子 深田恭子 仲代達矢

 

 ◎追悼市川崑その10

 哀しすぎる作品だ。

 鮮烈なカット割は影を潜めて、30年前と同じ脚本ながら、老いて呼吸が深くなるとカット割まで間延びする。

 金田一が一礼して山の彼方へ去る時は、

「ああ、市川崑は死んだんだなあ」

 とおもわず涙が溢れてきた。

 作るべきではなかった。

 他にあっただろう。

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犬神家の一族(1976)

2008年06月09日 15時48分14秒 | 邦画1971~1980年

 ☆犬神家の一族(1976年 日本 146分)

 監督/市川崑 音楽/大野雄二

 出演/石坂浩二 島田陽子 あおい輝彦 坂口良子 岸田今日子 加藤武 高峰三枝子 三國連太郎 佳那晃子

 

 ☆追悼市川崑その9

 当時、高校2年生だったぼくは、この映画の封切がものすごく愉しみで、観る前から主題曲も口ずさめるほどになってて、で、封切られるや、わくわくしながら観に行き、どえらく興奮しながら帰ってきた。まあ、角川映画の宣伝にまるっきり乗せられた観はありありだけど、それでも、映画少年の心をゆさぶるには充分すぎる中身だった。

 隅の隅のまた隅まで行き届いた演出と編集と美術。光と音の冴えをもった映画はこういう映画だっていう見本だよね。

 それにしても役者達の若い事若い事。ヒロイン像がいかにも日本的な理想像とされているのが時代を匂わせるわ。

 でもなにより「すけきよ」と当時から盛んにいわれた「波立つ水面から突き出た足」だが、これはやっぱり青木湖にモニュメントとして建てるべきだとおもうんだな。いや、実際、このときの石膏は砧の撮影所に残ってるんじゃないかな?

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彩り河

2008年06月08日 01時07分15秒 | 邦画1981~1990年

 ▽彩り河(1984年 日本 125分)

 監督/三村晴彦 音楽/鏑木創

 出演/真田広之 名取裕子 平幹二朗 米倉斉加年 夏八木勲 吉行和子 沖直美 渡瀬恒彦 三國廉太郎

 

 ▽サスペンスだったのか!?

 清張が松竹セントラルで独りになったとき、死体をここに置かれてもわからないだろうなとおもったことが発想の始まりだったらしいが、そんなことはどうでもいいか。

 ちなみに、そうとう、あれは凄いらしい。

 というのは、名取裕子が濡れ場で絶叫するくらい逝っちゃう技だ。コヨリを尿道にそっと入れていくんだけど、こいつが、恐ろしいほどの快感をひきだすんだそうな。けど、なんだかマジに痛そうだし、尿道とか、炎症起きたらどうすんだよ、みたいな気がして、ためしてみたことがない。でも、でも、でも、すごいらしい。

 どれくらい凄いかは、ぼくにとって永遠の謎だ。

 でもまあ、そんな謎があってもいいよね。

 ところで、主題歌は歌手・真田広之!

 なんで、こんなことをくだくだと書いているかといえば、錚々たる面々の脚本なのに、おもわせぶりすぎる演出と、内容の陳腐さと展開にだれまくり、きわめてすっきりしない復讐の幕引きは、残酷さに閉口して苛立ちすら覚えちゃったからだ。

 映像も2h並みで、音楽も悪く、おもしろい点は、濡れ場の紙縒りだけというのが辛すぎるんだな。

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THE 有頂天ホテル

2008年06月04日 10時19分38秒 | 邦画2005年

 △THE 有頂天ホテル(2005年 日本 136分)

 監督・脚本/三谷幸喜 音楽/本間勇輔

 出演/役所広司 松たか子 佐藤浩市 香取慎吾 唐沢寿明 津川雅彦 西田敏行 オダギリジョー

 

 △大晦日のグランドホテル

 ビリー・ワイルダーは遠い道の彼方にいて、自分をめざしてくる若者たちに手を広げながらも、ゆっくりと後ずさりしていく。まるで逃げ水みたいなもんで、水に映った月をどれだけ追いかけても追いつけない。でも、若者たちはビリー・ワイルダーを目指さずにはいられない。そんなことを、ふとおもった。

 ま、それはさておき、

「古き良き米喜劇をめざしたのかしら?」

 と愚考してしまいそうな作品で、それが正解だとすると、登場人物は多すぎて顔見世だけになってるし、強引な設定と笑わせ方みたいな印象を受けちゃうのは、ぼくだけなんだろうか?

 たぶん、そうなんだろね。

 でも、年の瀬の茶番劇の夢はわかるんだけど、映画というより舞台の方がいい感じなんじゃないかな~とかもおもわずおもった。

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