Kinema DENBEY since January 1. 2007

☆=☆☆☆☆☆
◎=☆☆☆☆
◇=☆☆☆
△=☆☆
▽=☆

プライベート・ライアン

2022年12月01日 17時28分46秒 | 洋画1998年

 ◇プライベート・ライアン(Saving Private Ryan)

 

 封切り当時、予告編で感動した。アメリカ人ってのは、なんて素敵なことを考えるんだろうとおもった。ノルマンディー上陸作戦の際、行方知れずになっているライアン二等兵を探し出し、故郷で待っている両親に返してやれっていう命令のことだ。ライアンは4人兄弟で3人がすでに亡くなっているから親をそれ以上悲しませてはならないっていう大義名分だった。なるほど~と、ぼくは予告編でお腹いっぱいだった。

 で、こんなことを知った。アメリカには戦後3年経ってからひとつの法律ができて、多人数の兄弟が出征した場合、その兄弟がつぎつぎに戦死したら末子を任務から外して帰還させるということにしたと。ほおっとおもった。ところが、映画を観たとき、おもったよりも感動してないなっていう自分に気がついた。トム・ハンクスがジョン・ウェインに見えてきちゃったせいじゃなくて、水中に打ち込まれた砲弾は弾道を描かずに浮力に負けちゃうはずなのに水の中でもそのままの威力で死傷させるんか!?っていう細かいいちゃもんのせいじゃなくて、ライアンひとりを救うためにどんだけ人間殺せば気が済むんだっていう単純な疑問からだった。

 死んでいく兵士はもちろんマット・ディモン演じるライアンだけじゃなく、ほかの死んでいった兵士にも兄弟がいてみんな死んじゃってるかもしれないし、もしかしたらひとりっ子の兵士だっているかもしれない。乳飲み子を祖国に残してきた兵士だっているかもしれない。兵士の命はどのような境遇であれ平等のはずで、ライアンだけが贔屓されるのはおかしいし、そもそもそんな命令を出すというのは、なんだか政治家の人気取りのような矛盾した見せかけの善意に過ぎないんじゃないかっていう気持ちが、まあ、映画の中でも語られてたことではあるけれど、むくむくと湧き上がってきちゃったからだ。

 まあそんなこともあって、ずっとこの作品は、明確に説明できない疑問を抱えてるんだよね。

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仮面の男

2022年07月20日 23時51分57秒 | 洋画1998年

 ◇仮面の男(The Man in the Iron Mask)

 

 晩年のダルタニヤン物語。

 まあ、おっちゃんたちが可愛いディカプリオのために脇に廻ってあげたっていう痛々しさを感じるけど、それが後年どんどんディカプリオがのしてくるんだから、そういう意味では記念になるかもねっていうディカプリオひとり二役の作品だったわ。

 あんまり印象深くはないけど。

 

 

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ディープ・インパクト

2021年09月21日 15時27分37秒 | 洋画1998年
◇ディープ・インパクト



いやまあ実に予定調和な筋立てなんだけど、これって『アルマゲドン』と同時進行の別立てなのね。

ミミ・レダーの起用が良かったかどうかは別にして女性らしい視点はいくつか感じられる。

不倫の調査から始まるのはちょっと下衆っぽさはあるけど、リポーターのティア・リオーニと父綾のマクシミリアン・シェルが抱き合って津波に呑まれるのはよくないな。ちなみにバネッサ・レッドグレーブまで起用してるんだからもう少し語らせてあげたかったわ。

これはやっぱりティア・リオーニが、アメリカの東海岸が沈んでゆくのを中継して、それで大彗星なロバート・デュバルたちの宇宙船が特攻してゆくのを実況放送して『地球は助かりました』って涙しないと盛り上がりに欠けるんじゃないかなあ。

イライジャ・ウッドとリーリー・ソビエスキーのふたりにしてもそうだな。せっかく高校生を結婚までさせるんだからその両家についても描き方が中途半端だ。

いちばんよくないのは大統領のモーガン・フリーマンが大彗星に対してなんの対処もなくあきらめた放送をしちゃうところで、最後まで弱音を吐いたらだめで、そんなことしたら、復興の演説を映したところでシラケちゃうもんね。
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アウト・オブ・サイト

2019年12月06日 20時52分12秒 | 洋画1998年

 ◇アウト・オブ・サイト(1998年 アメリカ 123分)

 原題/Out of Sight

 監督/スティーブン・ソダーバーグ 音楽/デヴィッド・ホームズ

 出演/ジョージ・クルーニー ジェニファー・ロペス マイケル・キートン ドン・チードル

 

 ◇銃を持たない銀行強盗

 バットマンがふたりも出てる。なんかつまんないな。最終的な目的のないだらだらした物語にしかおもえない。

 ジェファー・ロペスが魅力的ってだけの軽いタッチの200件超え銀行強盗脱獄囚とFBI連邦保安官の追いかけてるような追いかけてないような中身のない物語なだけにおもえちゃうんだよね。ジェファーの父親が最初から娘の気持ちを汲み取ってるのからして予定調和なのも辛いしね。

 は~なるほど、タイムアウトね。追跡行のちょっと休憩の恋愛劇てことか。

 あ、ナンシー・アレンが出てる。メイドの役だけど、やっぱり黒い下着姿にされちゃうんだあ。まだまだ個性的な可愛さがあってなんだか懐かしいな~。

 ラスト、ジェニファー・ロペスの随行する護送車に乗っているクルーニーの前にカメオ出演のサミュエル・L・ジャクソンが乗り込んできて訳のわからんおもわせぶりなことをいう。つまりは脱走をほのめかしているわけで、それに興味を示したロペスの横顔とクルーニーのアップで終わるんだけど、続編がなかったってことはやっぱり当たらなかったんだろね。

 ソダーバーグらしくないな。

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スライディング・ドア

2016年03月13日 19時35分47秒 | 洋画1998年

 ◎スライディング・ドア(1998年 イギリス、アメリカ 99分)

 原題 Sliding Doors

 監督・脚本 ピーター・ハウィット

 

 ◎ドアを開けたか開けないかの分かれ道

 運命というのはほんとに皮肉にできていて、地下鉄のドアを抉じ開けるというのはなんだか自分で運命を切り開いているような感じがして途中まで新たな男と出会ったり、たとえその男が既婚者でも離婚申請中だったりと良い方へ流れていくような気がするんだけど、実はむりやり運命をひきよせてしまってもいきなり事故に遭って死んじゃった利と、どこかで破綻が生じちゃうかもしれないから気をつけてねっていう物語がひとつ。

 運命というのはなんとなく上手にできているもので、地下鉄のドアが眼の前で閉じちゃっても、それがなにも運命が閉じちゃうというわけではなく、そのせいで恋人の浮気が発覚してもその男は所詮つまらない男だったんだことがわかるし、それから先も騙されて続けていったところでやがては真実に気づき、みずから「出てって」といえるような自分になれるものだし、やがては運命の人とも出会えるようになってるんだから、人生ってのは決して焦らず、無理をしないでも大丈夫なんだよっていう物語がひとつ。

 うん、うまくふたつの物語を噛み合わせてるね。

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マーシャル・ロー

2016年02月26日 23時44分51秒 | 洋画1998年

 ◎マーシャル・ロー(1998年 アメリカ 116分)

 原題 The Siege

 監督 エドワード・ズウィック

 

 ◎3年後を予見したようなNYのテロ

 エドワード・ズウィックっていう人はアメリカ軍に対して決して信じ切らないという姿勢を貫いているように感じられる。ま、権力や軍力に対して懐疑的な姿勢をとるのは決しておかしなことじゃないし、盲信するよりも遙かに好ましい。で、ここでもそうなんだけど、ニューヨークで生起するテロへの対処が徐々に膨れ上がっていく怖さの元凶は、なにもアメリカ人がなかば本能的に恐れているイスラムにあるのではなく、軍隊を掌握することのできる将軍ブルース・ウィルスの姿勢というか心構えにあるって話を展開してる。

 ただ、それを突き詰めていこうとするのがニューヨーク市警のデンゼル・ワシントンなわけで、決して軍人じゃない。権力というよりも、その一部に身を置きながらそれよりもニューヨークの一市民であるというのが前提になってる。これもまたエドワード・ズウィックの視点ってことだよね。

 それにしても、この映画を初めて見たとき、アネット・ベニングがとっても知的で綺麗だな~っておもった。彼女はコンスタントに映画に出てて、徐々に好い年の取り方をしてる。そういうのっていいんだよね。

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Xファイル ザ・ムービー

2015年08月01日 00時54分49秒 | 洋画1998年

 ◇Xファイル ザ・ムービー(1998年 アメリカ 121分)

 原題 The X-Files

 監督 ロブ・ボウマン

 

 ◇テレビのエピソードの大規模化

 どのテレビシリーズもそうなんだけど、21世紀に入ってからその膨大な量にはまったくついていけなくなった。

 ぼくが頑張って観られたのは『ツイン・ピークス』だけで、それ以外の海外テレビシリーズはもう手が出ない。いや実をいえば多少は頑張ったりもしたんだけれど、やっぱり完璧に追いかけるのは不可能といっていい。だって毎日1本は映画を観ようとしてるわけで、しかもこのメモもあるわけで、そりゃ無理ってもんだ。この『Xファイル』も例外じゃない。けど、雑誌で『Xファイル』が刊行されたように、当時、このシリーズの人気は凄まじかった。

 で、その映画なんだからファンにはたまらないんだろうけど、テレビを観てないぼくにしてみれば、そのあたりのSFとなにがちがうんだってくらいな印象でしかない。だから、デイヴィッド・ドゥカブニー演じるフォックス・ウィリアム・モルダー捜査官にも、ジリアン・アンダーソン演じるダナ・キャサリン・スカリー捜査官にも、特別の思い入れはない。羊水漬けにされようがどうしようがそれなりの予算を投入したSF映画の佳境でしかない。とはいえ、出だしのブラックオイルによる感染ってのはなんだか不気味ながらもダークを感じさせないのはやっぱりテレビが元だからかしらね。エイリアンによる地球植民地化計画の骨子がエイリアンと地球人の混血を作ることだなんて、それ、民族浄化からの発想なんだろかと勘ぐっちゃうのは余計なことなんだろな~。

 ただ、ふしぎなことがある。

 ぼくは『Xファイル』の映画を過去に一度観てる。くわしくは憶えてないんだけど、たしかに観た。予告編も観た。なのに、このblogには書かれていない。だったら第2作目の『Xファイル: 真実を求めて』かといえば、どうもそうではない。だったら、ぼくはなにを観たんだ?ところどころの画面は憶えてるんだけど、見当たらないんだよね、ぼくの観たはずの『Xファイル』が。

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恋におちたシェイクスピア

2015年07月24日 18時32分34秒 | 洋画1998年

 ◇恋におちたシェイクスピア(1998年 アメリカ、イギリス 137分)

 原題 Shakespeare in Love

 監督 ジョン・マッデン

 

 ◇映画の中の舞台劇

 なんだか不思議な感覚を持った。

 映画そのものについてではなくて、きわめて個人的なことながら、手塚治虫の漫画をおもいだした。

 物語は上手に展開してた。スランプで借金の取り立ての受けているシェイクスピアから始まり、『ロミオとジュリエット』の初披露へと進んでいくんだけれども、そこへ男装したグウィネス・パルトローが絡み、けれど当時のきまりとして女性は舞台に立てないということから男と偽っての登場なんだけど、それがばれ、しかしながら男が女装したという偽りのもとに舞台をこなし、しかもその舞台が彼女に惚れてしまった妻あるシェイクスピアとの共演という構造になってるのはいかにも僕好みだった。さらにはグウィネス・パルトローに捧げた難破物語『十二夜』の上演の日が、ちょうど心とは裏腹の結婚をしたグウィネス・パルトローが難破しながらも生還してアメリカ上陸を果たした日だったとかっていう、あまりにもできすぎのラストもまた僕好みだった。

 それがどうして手塚治虫とつながったのかよくわからないんだけど、場面の展開や絵作りがどうにも手塚治虫なんだよね。昔読んだ『リボンの騎士』とか『双子の騎士』とか、ああいう宝塚調の衣装や歌や踊り、さらにはうねりのある多重構造の展開が似てたからなのかしら?

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エバー・アフター

2015年07月22日 02時07分45秒 | 洋画1998年

 ◇エバー・アフター(1998年 アメリカ 118分)

 原題 Ever After

 監督 アンディ・テナント

 

 ◇灰かぶり娘

 どうしてこうもハリウッドはシンデレラが好きなんだろう?

 5年に1度くらいの割合でシンデレラの映画を作ってるような気がするんだけど、そんなことないのかな?いやもちろん作っちゃいけないとかってわけじゃないし、童話の中では群を抜いてロマンチックな物語だし、つねに若い人達は入れ替わってるわけだから、それくらいの頻度でシンデレラも作っていかないと新陳代謝にならないのかもしれないしね。

 で、たいがいの場合、ちょっとずつ中身が変わってるんだけど、それはまあ小細工といっていいようなもので、このドリュー・バリモア版シンデレラもそうだ。グリム兄弟の導入からシンデレラの生い立ちと環境について語られるあたりはそれなりに新鮮で、ふ~んって感じで観られたんだけど、途中からどうにもこうにもなんだか単なるシンデレラ物語をなぞっているだけのように見えてくるのが辛いところだったわ~。

 

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モンタナの風に抱かれて

2013年10月19日 02時27分20秒 | 洋画1998年

 ◇モンタナの風に抱かれて(1998年 アメリカ 167分)

 原題 The Horse Whisperer

 staff 原作/ニコラス・エヴァンス『The Horse Whisperer』

     監督/ロバート・レッドフォード

     脚本/エリック・ロス リチャード・ラグラヴェネーズ

     撮影/ロバート・リチャードソン 美術/ジョン・ハットマン グレッチェン・ラウ

     衣裳デザイン/ジュディ・L・ラスキン タイトル・デザイン/カイル・クーパー

     音楽/トーマス・ニューマン

 cast ロバート・レッドフォード クリスティン・スコット・トーマス スカーレット・ヨハンソン

 

 ◇傷を癒す人

 原題の意味は「馬にささやく人」なんだそうだ。

 なるほど、たしかにささやいてる。けど、ささやいているのは、馬だけじゃなかったところが、味噌だ。

 傷ついた家族の傷をいやして、自分が傷ついてしまう男の切ない話だからね。

 無理をした雪の日の遠出が要因で、愛馬が傷つき、自分もまた片足を切断する羽目になった少女と、夫婦仲が冷め、仕事もマンネリ化してたところのへ娘と馬の事故を知り、ますます傷つくこととなってしまった母親と、そんな妻と娘との絆をふたたび取り戻そうとする夫に対して、ほとんどボランティアのようにすべての傷を癒そうとする男の話。

 でも、やっぱり、そこはそれ、男と女はすべからく出遭うように世界は創られているらしい。なんたって、男は以前の結婚で、深く傷ついている。その傷をまわりの人々が案じて、ようやく復調したところへ、美人がやってくる。新たな恋だ。日本語はまったく厭味ったらしく出来てて、こういう状況を不倫という。つまんない言葉だ。男と女が出会って恋をするんだから、それを不倫理な行為かどうかっていう尺度で測ったところで仕方がない。

 ま、そんなことはさておき、人生っていうのは、ほんとにうまく行かないもので、自分が家族の傷を癒してやれば、別れがやってくるのは自明のことで、それでも自分に関わった人の傷はすべて癒してあげたいとおもってしまう。なんとも不器用ながら、年を食っても色男は色男っていう辛い立場の男を、ロバート・レッドフォードはなんとか演じてる。

『マディソン郡の橋』と比べる人は少なくないようだけど、ちょっと違う。

 まあ、なんにせよ、モンタナの自然も馬も、ため息が出るくらい美しい。たしかに、レッドフォードは、頬の張りが失われ、その分皮膚がたるんで皺が出、目もしょぼつき始めてる。でも、見栄えが老いるのは生きているかぎり当たり前の話で、それでも、異性と出遭ってしまえば恋をする。女だって、おんなじことだ。これが、禿でデブの醜男だったら、恋はしない。金髪の色男で、誰にでも優しく、馬を魔法のように調教し、どことなく影があり、なんといっても、自分と同じように心に傷を負ってたりしたら、たとえ夫があろうとなかろうと恋をするなっていうのは無理な話だ。

 いいじゃないか、62歳。

 かっこいいぞ、レッドフォード。

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ライフ・イズ・ビューティフル

2013年09月20日 16時49分04秒 | 洋画1998年

 ◇ライフ・イズ・ビューティフル(1998年 イタリア 118分)

 原題 La Vita e bella

 英題 Life Is Beautiful

 staff 監督/ロベルト・ベニーニ

     脚本/ロベルト・ベニーニ ヴィンセンツォ・チェラミ

     撮影/トニーノ・デリ・コリ 美術/ダニロ・ドナティ

     衣裳デザイン/ダニロ・ドナティ 音楽/ニコラ・ピオヴァーニ

 cast ロベルト・ベニーニ ニコレッタ・ブラスキ ジョルジオ・カンタリーニ

 

 ◇イタリアに強制収容所があるという事実

 ほんとに無知な話ながら、ぼくは知らなかった。

 ところが、イタリア国内には当時いくつか収容所があったらしい。資料によって数がちがうし、挙げられてる名前もちがう。丹念に検証すれば、しっかりした資料にも出会えるんだろうけど、もっとも、絶滅収容所や通過収容所など、ユダヤ人を収容したという事実は同じでも目的が異なっているから、そういう微妙な差異が生じるのかもしれないね。

 で、この映画の収容所がどこなのかということなんだけど、いくつかの収容所を合わせた空想のところらしいから、断定しにくい。ただ、ロベルト・ベニーニのお父さんが、当時、強制収容所に入れられていたという話を聞いたとき「なるほど、それであの映画を」と、納得した。おもいきりのいい題名をつけているのも、そういうことからなんだと。とても正視できないような悲劇をコメディアンのベニーニが得意の喜劇に持ち込んだ剛腕ぶりも、自分の才質をもっとも発揮できるところで製作したいという、かなり凄まじい執念と覚悟の産物だったんだと。たしかに喜劇のオブラートに包まれてるから、いろいろなところで大仰な表現になるし、人を人ともおもわないような場面もあるし、事の善悪であるとか、行動の無遠慮さであるとか、ちょっと眉をしかめてしまったり、首を傾げてしまったりする場面も多々あるけど、そこまで自己中心的な、いいかえれば絶対的な家族愛を描こうとしたのも、自分の家族の経てきた歴史に対する愛惜によるものなんかとおもったとき、なるほど、こういうおとぎ話風の物語にするのが、いちばん妥当だったんだと理解した。

 そういう考えが感想になるのかどうかわからないんだけど、ぼくには、そんなふうにしか、この映画の感想はいえない。

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エネミー・オブ・アメリカ

2012年09月26日 17時01分50秒 | 洋画1998年

 ◇エネミー・オブ・アメリカ(1998年 アメリカ 140分)

 原題 Enemy of the State

 監督 トニー・スコット

 出演 ウィル・スミス、ジーン・ハックマン、ジョン・ヴォイト、リサ・ボネット、レジーナ・キング

 

 ◇防犯カメラには気をつけないとね

 テロ防止を目的とする通信の保安とプライバシー法案なるものの成立がらみの議員暗殺がそもそもの発端なんだけど、妻の勝負下着を買いにいった男ウィル・スミスが巻き込まれ、元の不倫相手の親父ジーン・ハックマンと事件解決に挑みながらも、マフィアの勘違いが絡んで大団円に突入するという、なんだかスリリングなんだけどこれはちょっとあり得ないんじゃないかっていう筋立てをおもいきり強引な展開と相変わらずのスタイリッシュな画面で一気に見せてしまうのはさすがトニー・スコットとしかいいようがない。けど、絵づくりの才能がありすぎたんだろうか、かれの早逝はあまりにも惜しいな。ただ、ジーン・ハックマンについて『カンバセーション 盗聴』との比較がよくいわれるみたいだけど、それはどうかなあ。

 

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パラサイト

2010年02月27日 10時51分14秒 | 洋画1998年

 ◇パラサイト(1998年 アメリカ 104分)

 原題/The Faculty

 監督/ロバート・ロドリゲス 音楽/マルコ・ベルトラミ

 出演/イライジャ・ウッド ジョシュ・ハートネット ジョーダナ・ブリュースター

 

 ◇主題歌がウォール!

 いってみれば『盗まれた町』のジュブナイルなんだけど、小説や映画の話をしすぎかな。わかるんだけどね。

 要するに、若くて旬の役者を揃えて、CG使って少しHな典型的B級作品を作っちゃおうてな感じで制作されたとしかおもえないんだけど、いくらなんでもカフェインだとかいって誤魔化しながらも麻薬の脱水作用で危機を逃れるとかいう展開でいいんだろうか?

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メリーに首ったけ

2008年12月01日 10時27分30秒 | 洋画1998年

 ◇メリーに首ったけ(1998年 アメリカ 119分)

 原題/There's Something About Mary

 監督/ピーター・ファレリー、ボビー・ファレリー

 脚本/エド・デクター ジョン・ジェイ・ストラウス ピーター・ファレリー ボビー・ファレリー

 原案/エド・デクター ジョン・ジェイ・ストラウス

 製作総指揮/ピーター・ファレリー ボビー・ファレリー

 撮影/マーク・アーウィン 衣装デザイン/メアリー・ゾフレス

 音楽/ジョナサン・リッチマン

 出演/キャメロン・ディアス マット・ディロン ベン・スティラー クリス・エリオット

 

 ◇お下劣キュートコメディ?

 自分の射精したザーメンが耳についてしまい、それを見つけてしまった彼女がヘア・ジェルと勘違いして前髪を立たせたままパーティに出るとか、ありえないだろ。っていうようなお下劣さによって、アメリカではR指定になったわけだけど、ぼくはそういう下品さと良識さを併せ持った文化は好とする。

 日本はほんとに愚かしいことに内容で判断せず、画面で判断する。

 映倫がそうしているのかほかの団体がそうしているのかは知らない。けど、誰がそうしていようと、日本人の多くは内容についてはとんちんかんで、誰にでもわかる基準を設けることだけが大切とおもいこんでる節があるように見えてならない。

 だから、このオトナのコメディは、がきんちょも堂々と劇場で観てる。

 そんなことでいいのかよと僕はおもうんだけど、まあ、それはさておき、ありえない下品さだけどそれをあっけらかんと作っているのが好ましく、筋運びにしても、多少の推理劇をおりまぜながら恋愛の基本は崩さない、というのも好い感触だ。キャメロンディアスは、ほんと、ちょっと足りないんだけど、どうにもならない天真爛漫さと根っからの下品さが魅力的、というような役がよく似合う。

 そういうことからいえば、好作ではあるんだけど、この適度なお下劣さはやっぱりオトナだけのもので、がきんちょにはもったいない。

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マーキュリー・ライジング

2007年09月19日 13時02分56秒 | 洋画1998年

 ◇マーキュリー・ライジング(1998年 アメリカ 112分)

 原題/Mercury Rising

 原作/ライン・ダグラス・ピアソン『Simple Simon』

 監督/ハロルド・ベッカー 脚本/ローレンス・コナー 、 マーク・ローゼンタール

 撮影/マイケル・セラシン 美術/パトリシア・フォン・ブランデンスタイン

 衣装デザイン/ベッツィ・ヘイマン 音楽/ジョン・バリー

 出演/ブルース・ウィリス アレック・ボールドウィン キム・ディケンス チィ・マクブライド

 

 ◇男の価値は髪の毛の量で決まるもんじゃない

 そんなおそまつなキャッチを使って…とはおもったものの、こういうあほくさい言い回しはけっこう好きだ。

 ハリウッドに限らず、窮地に落とし込まれた子供を偶然に救ってしまった主人公が真実を追求して戦う、という構図は、もはや定番で、この作品も例に漏れない。

 この場合、たいがい主人公はタフガイあるいは無鉄砲な女性というのも同様だし、子供はたいがい事件を目撃してしまうか、偶然に機密を知ってしまう。あとは、佳境にいたるまで、どうやって何度もふりかかるピンチを切り抜けてゆくか、そのハラハラドキドキ感で疾走していくわけだけど、そういうことからいえば、この作品は成立すべくして成立してる。

 ただ、いくらなんでも、国家を担う暗号システムが、あたかも挑戦するかのようにパズル雑誌に掲載されるのはちょっと強引だし、自閉症の天才児ならば、ほかにもいる可能性は十分ある。それと、暗号システムを読み取った少年が、家族もろとも抹殺されそうになるというのはわかるんだけど、いつしか周囲が善人ばかりになってゆくのも都合が良すぎる観がないでもない。

 けどまあ、突っ込みどころはいくつかあるにせよ、ラストまで引っ張っていくのは、定番であるがゆえのことかもしれないね。

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