勿忘草 ( わすれなぐさ )

「一生感動一生青春」相田みつをさんのことばを生きる証として・・・

夜明けのメロディー

2010-03-08 00:13:50 | Weblog
 歌は世につれ世は歌につれ、などという古い言葉がある。昭和の歌謡曲に馴染んだ僕によって、最近の若者の歌には感動するものが少ない。これは年のせいと割り切るが、大人の歌手による大人の感性をくすぐる歌も時には現れる。

 すぎもとまさとさんは「吾亦紅」で、亡き母親に語りかける初老の男の悲哀を詠い、中高年の紅涙を誘った。秋元順子さんの「愛のままで」は、大人の男と女の普遍の愛を艶やかに詠い、離婚防止ソングなどともいわれた。

 歌手生活58年のベテラン歌手が、いまだ衰えぬ味わいのある歌声で聞かせる大人の歌が話題になっている。ペギー葉山さんが歌う「夜明けのメロディー」である。


 この歌、五木寛之さんの詩と、弦哲也さんのメロディーが優しく心に沁みる。

 「還(かえ)らぬ季節は忘れてしまえばいい すてきな想い出だけ大事にしましょう」「重ねた歳月は喜びも悲しみもみんな人生」「愛して別れて またどこかで逢えればいい・・・」 

 そんな珠玉の言葉が散りばめられた歌詞に心魅かれる大人の歌である。

 この歌をそっと口ずさむ時、詩の行間に漂う人生の機微に、「悲しい時、嬉しい時、そこにはいつも歌がある」 と、使い古された台詞も聞こえてくる。詩を噛みしめて聞けば聞くほど心に残る歌である。