大事小事―米島勉日記

日常起きる小さな出来事は,ひょっとして大きな出来事の前兆かも知れません。小さな出来事に目を配ることが大切と思います。

朝三暮四のサルが投票したのは、朝三暮四を知らない男だった―鳩山由紀夫の教養?

2010年03月31日 22時49分52秒 | Weblog

 朝三暮四のサルについてはこのブログで一昨年から何度か書いていますが,念のために要旨だけを書いておきます。
 《中国は春秋時代, 宋の国の狙公老人が,飼っているサルが増えすぎたために餌を減らそうと,サルにこう言いました。「これからは,栃の実を朝に三つ,暮れに四つやることにする。」 ところが,これを聞いたサルたちが「少ない」と怒り出したので,「それでは朝四つ,暮れに三つやろう」と言い直したらサルたちはご機嫌になった, ということです。つまり,結果は同じなのに,目先の利益に惑わされて,騙されることを寓話としているのです。》
 さて,この寓話が日本の国会の衆議院予算委員会で持ち出されました。少し前になりますが,自民党の議員が首相鳩山由紀夫に質問したのです。もちろん趣旨は,自民党が大敗した昨年9月の衆議院選挙の際に民主党側が国民に提示したいわゆるマニフェストが,目先の利益誘導を主にしたポピュリズムそのものであったのではないか,と云うことでした。
 質問者が,首相は朝三暮四の俚諺を知っているか,と糾したのに対し,鳩山由紀夫は,「朝令暮改」は知っているが,朝三暮四は知らない,と答弁したのです。予算委員会での正式質問ですから,質問と回答は速記者によって記録されているはずです。
 このブログでは,昨年9月の衆院選挙で,民主党の利益誘導マニフェストにまんまと載せられて投票した人々を,かねてから朝三暮四のサルと呼んでいたのです。
 子供手当,農家の個別補償制度,高校学費無償化は,すべてポピュリズムそのものです。これらに対して引き当てるべき財源も確保しないままに油揚げだけをぶら下げて,後は何とかなるさ,とばかりに無責任に始めた政策であることは,当時から国民も感づいていたはずですが,呉れるものは何でも有り難い,とばかりに投票した人々。まさに朝三暮四のサルでした。
 しかし,これらの愚かな施策を実行してしまった張本人,鳩山由紀夫は「朝三暮四」を知らなかったのです。しかも滑稽なことに,「朝令暮改」ならば知っている,と自らの宰相としての資質の欠如を改めて衆院予算委員会と云う公式の場所で自認してしまったのです。
 なんたるミスマッチ。いや,悲劇とも云えるでしょう。
 朝三暮四のサルに媚びたマニフェストで実現した民主党内閣の朝令暮改の首相が,朝三暮四を知らなかったのです。
 鳩山内閣が1日でも長引けば,それだけ日本は破滅の淵に近づくのです。