シリンダーヘッドからカタカタとタペット音がうるさいので、バルブクリアランスを調整することにした。このエンジンも車検証記載距離が正しければ、走行距離が5万kmを超えるご老体のエンジンとなる。そろそろ、労いの一つでもという意味合い込めて、タペットを調整することにした。
まずはじめに、アンダーカウルを外し、冷却水を抜いた。そしていつも通りにタンクを降ろし、プラグを外す。シリンダーヘッドを外すためには、ウォーターホース、パイプを外す必要があるらしい。ここで、一難発生...。ウォーターパイプを固定しているねじがうんともすんとも言わない。
過去にボルトを折ること2本...こういう時には焦っても仕方がない。ラスペネを吹いて待つこと数分、さらにねじを舐めたくないのでスクリューグラブをネジ頭に付けてから、緩めることにした。パキン!という音共にやっとのこさねじが回ってくれた。いやー、外れてくれてよかった。
それから、ウォーターパイプを外してみてびっくり。言葉を失う。ウォーターパイプが砂利だらけだった。一体どうやったらこんなところに砂利が付くのやら...。パイプのOリングも伸び切っていて、再利用できなさそうだった。とはいえ、こんな状態とは想像だにしなかったため、部品は取り寄せていない。組み立て時は、このまま戻す。
チョークとスロットルワイヤー、ワイヤーハーネスをちょっとずらして、シリンダーヘッドカバーがやっと外せた。スロットルワイヤーは、タイコは外さず、調整部分だけを外して、カバーを外した。乗り始めて1年、初めてのシリンダーヘッドとのご対面だった。綺麗だった。
調整始めるにあたって、フライホイールのカバーを外した。CB125Tで調整するときには、このカバーが金属製でクランクケースと固着して大変な目にあった。今回は、材質がプラスチックで、コインドライバーであっさりと回ってくれた。
シリンダーヘッドを再度見てみると、ノックピンの穴が2箇所あることに気づく。しかし、ピンが1個だけ見当たらない。何処へ?探してみると、なんと2番側のピストンの上に落ちていた。運がいいことに、ピストンの上死点だったため、すぐに取り出せる位置だった。いやー、これがシリンダー内に落ちたとなると、腰上オーバーオールコースだ。そうなったら、ピストンリングも交換する...。被害が小さくて助かった。結局、ピンセットでつまんで、ノックピンを救出した。
いざ作業をしようとすると、オイルパパイプがものすごく邪魔になることがわかった。こいつを外してやる。材質が銅のようなので、曲げたりしないように注意したほうが良さそうだ。
準備万端、いざバルブクリアランスの調整開始。1番のインテーク側のクリアランスは、両方共規定値内だった。一方で、エキゾースト側は、広いのではなく、ものすごくクリアランスが狭かった。0.10mmのシックネスゲージが入らなかった。というわけで、こちらはインテーク側を0.15mm、エキゾースト側を0.20mmに調整した。どちらも規定値の中央付近のクリアランスになる。
2番のインテーク側も同様に規定値に収まっていて、エキゾースト側がまた狭かった。こちらも同じように調整をしてやった。言葉で書くと簡単だが、実際には一発でクリアランスが決まらず、クランクを回すと狂っていることが数回あった。タペット調整はこれが疲れる。
途中、小学生二人組にこんなことを言われた。
女の子「バイク、修理しているね」
男の子「うん、面倒くさそう」
いや、なかなか眼力が鋭い。この作業はとても面倒だ。できるならば自分だって調整したくない。
他にも、通りゆく家族連れに「まだ、修理しているよ、長いな」とか言われたり、言われなかったり...。タペット調整は疲れる。まだ2気筒で8バルブなのが救いか。4気筒は気が遠くなりそうだ。かのメーカーの4気筒5バルブエンジンとなると、発狂ものだ。
粘ること2時間くらい、やっとバルブクリアランスを調整し終えた。ついでに、キャブレターの様子でもみるか、ということでジェットニードルの損耗具合を見てることにした。外して見てみると、あら不思議、先端はまったく減っていなかった。ただ、ダイヤフラムを外してボディの中をみてみると、ススがちらほら。どうやら汚れがあちこちあるようだった。こいつは、キャブレターを掃除することで、燃費がよくなるかも知れない。
キャブレターの様子を確認して、元に戻した。作業開始から6時間経過していた。うーむ、途中休んだりしたせいか思ったより時間がかかってしまった。
バルブクリアランス調整の効果というと、多少はカタカタというタペット音は小さくなった。まぁ、インテーク側が規定値で、エキゾースト側を調整したようなものだったから、この程度の改善なのだろう。吉報といえば、なぜか暖機運転の回転数と、アイドリングの回転数が1200rpmから1500rpmに上がったことだろうか。
今までと同じキャブレターの状態で、バルブクリアランスの調整のみでアイドリング回転数が上がるということは、今までの燃焼は不完全だったということだろうか。エキゾースト側のクリアランスが狭かったため、少し圧縮が漏れていたのかも知れない。これは、よかったことだと思う。
無事にバルブクリアランスの調整を終えたが、やはりこの作業は神経を使うし、とても疲れる。しばらくこの作業はやりたくないものだ。それと、キャブレターがとても汚れていることがわかったので、次回はキャブレターの掃除をすることにしよう。